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「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ⁉︎ なんだこの回転する板はぁぁぁぁあ!⁉︎」
「ああああああぁぁぁ⁉︎ 隊長! し、下に底の見えない落とし穴が⁉︎」
阿鼻叫喚の地獄絵図とも捉えられる元秘密の通路は立派な恐怖のアトラクションへと変貌を遂げていた。
「おい、ここで出ればいいんだよな?」
「ええ、そうです! さぁ、練習の成果を存分にお見せください‼︎」
ニコリと微笑めば、秘密の通路に作った隠し扉からワクワクした様子で絶賛恐怖のど真ん中にいる王国の兵士たちを驚かせに行くめちゃくちゃ怖い落ち武者の格好をしたギルバート。
ーーギィィィィィ……
「……う~ら~め~し~や~」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎ ば、化け物ォォォォぉぉぉぉぉ⁉︎」
「ひぃぃぃぃ⁉︎ こっちに来るなぁぁぁぁあ!」
「バカ! 待て‼︎ そっちは……」
ーーガコッ……ゴゴゴゴゴゴ……
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」
また1人、落とし穴に落ちていく。
「あはははは! ギルってば楽しみまくってるじゃん」
「ふんっ、お前だって楽しんでるだろう」
同じく落武者の格好をしたグレイ。2人ともご自慢の美貌はどこへ行った⁉︎ と思うような恐ろしいお化けへと変貌している。
「うおぁぁぁぁ⁉︎ こ、こっちくんなぁぁぁぁぁ‼︎」
うっかりギルバートを見た者が悲鳴を上げてまだ1人も入ったことのない通路へ向かった。
「あー、入っちゃったねぇ~」
「入りましたなぁ~」
「ご愁傷様です……」
グレイとその横にいた今回の罠作成に参加してくれた城の人達が遠い目をして先ほどの兵士に憐憫の表情を向けていた。
しばらくして……
「うごおぇぇぇぇぇぇぇぇ⁉︎ くっせぇぇぇぇぇぇぇえ‼︎ ……ガバッ………」
……うん、そりゃそうだろうよ。隠し扉から口を覆って覗けば、苦しそうな顔をして気絶……じゃなくて、眠っている兵士の姿があった。この悪臭の正体はグレイ特性の睡眠薬である。アレは布に浸して使うものだったが今回は霧化して空気中に漂わせた。敵が入るとプラスで悪臭睡眠薬が散布されるという恐怖の仕掛け付きである。
「オレの睡眠薬ってそんなに臭い~?」
「「「「臭い‼︎」」」」
何故か悲しそうにしているグレイは放っておいて、とりあえず今現在の状況を確認する。王子率いる王国軍が秘密の通路を見つけて入ってきてから約3時間ほどたった今、9割の敵兵が罠にハマって捕まってた。1割はどうしたのかって? ふふふ……
「おい、お前顔がヤバイぞ?」
「自覚してますよ?」
これからの事を考えてニヤける私を不気味なものを見るような目で見てくるギルバート。まぁもう慣れたけど。
「えぇ~? フレアちゃんはどんな表情しても可愛いよ~? ねぇー?」
あ、1人例外がいたわ。グレイがニコニコしながらこちらを見ている。ゾゾゾ~と私の背筋にいやぁ~な悪寒が走るが無視した。これも、もう慣れた。最近グレイの側を通ると毎回のように悪寒がするのだ。例えるならば小動物が肉食獣に見つかって捕まりそうになっている感じだろうか?
「……これ終わったら本格的に逃げよう。」
これに逃げ損ねたら捕まってしまう気がする。もしくは一生外に出られない可能性も……今気づいてしまったあり得なくもない未来にゾワリと鳥肌が立ち、私は思わずボソッと呟いたのだった。
しばらくして、1人の兵士が入ってくる。
「すみません! そろそろ最終段階に入ります‼︎」
「おお~、クライマックス‼︎」
「アレに入るのか……」
「敵ながら不憫……」
そう、残りの1割はバカ王子達のこと。腹黒グレンはバカ王子の側に何年も前からスパイを紛れのこませていたらしい。「ん~? いつかの為の保険かなぁ」だそうだ。用意周到すぎて逆に怖くなるがとりあえず今回は助かった。それとなくバカ王子達を誘導してもらい私達の渾身の作品へと案内してもらった。勿論スパイさんの方は途中で罠にハマったフリをして脱落してもらう。
流石に一緒に罠にハマるのは可哀想だ。うん、アレはいけない。
「ああああああぁぁぁ⁉︎ 隊長! し、下に底の見えない落とし穴が⁉︎」
阿鼻叫喚の地獄絵図とも捉えられる元秘密の通路は立派な恐怖のアトラクションへと変貌を遂げていた。
「おい、ここで出ればいいんだよな?」
「ええ、そうです! さぁ、練習の成果を存分にお見せください‼︎」
ニコリと微笑めば、秘密の通路に作った隠し扉からワクワクした様子で絶賛恐怖のど真ん中にいる王国の兵士たちを驚かせに行くめちゃくちゃ怖い落ち武者の格好をしたギルバート。
ーーギィィィィィ……
「……う~ら~め~し~や~」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎ ば、化け物ォォォォぉぉぉぉぉ⁉︎」
「ひぃぃぃぃ⁉︎ こっちに来るなぁぁぁぁあ!」
「バカ! 待て‼︎ そっちは……」
ーーガコッ……ゴゴゴゴゴゴ……
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」
また1人、落とし穴に落ちていく。
「あはははは! ギルってば楽しみまくってるじゃん」
「ふんっ、お前だって楽しんでるだろう」
同じく落武者の格好をしたグレイ。2人ともご自慢の美貌はどこへ行った⁉︎ と思うような恐ろしいお化けへと変貌している。
「うおぁぁぁぁ⁉︎ こ、こっちくんなぁぁぁぁぁ‼︎」
うっかりギルバートを見た者が悲鳴を上げてまだ1人も入ったことのない通路へ向かった。
「あー、入っちゃったねぇ~」
「入りましたなぁ~」
「ご愁傷様です……」
グレイとその横にいた今回の罠作成に参加してくれた城の人達が遠い目をして先ほどの兵士に憐憫の表情を向けていた。
しばらくして……
「うごおぇぇぇぇぇぇぇぇ⁉︎ くっせぇぇぇぇぇぇぇえ‼︎ ……ガバッ………」
……うん、そりゃそうだろうよ。隠し扉から口を覆って覗けば、苦しそうな顔をして気絶……じゃなくて、眠っている兵士の姿があった。この悪臭の正体はグレイ特性の睡眠薬である。アレは布に浸して使うものだったが今回は霧化して空気中に漂わせた。敵が入るとプラスで悪臭睡眠薬が散布されるという恐怖の仕掛け付きである。
「オレの睡眠薬ってそんなに臭い~?」
「「「「臭い‼︎」」」」
何故か悲しそうにしているグレイは放っておいて、とりあえず今現在の状況を確認する。王子率いる王国軍が秘密の通路を見つけて入ってきてから約3時間ほどたった今、9割の敵兵が罠にハマって捕まってた。1割はどうしたのかって? ふふふ……
「おい、お前顔がヤバイぞ?」
「自覚してますよ?」
これからの事を考えてニヤける私を不気味なものを見るような目で見てくるギルバート。まぁもう慣れたけど。
「えぇ~? フレアちゃんはどんな表情しても可愛いよ~? ねぇー?」
あ、1人例外がいたわ。グレイがニコニコしながらこちらを見ている。ゾゾゾ~と私の背筋にいやぁ~な悪寒が走るが無視した。これも、もう慣れた。最近グレイの側を通ると毎回のように悪寒がするのだ。例えるならば小動物が肉食獣に見つかって捕まりそうになっている感じだろうか?
「……これ終わったら本格的に逃げよう。」
これに逃げ損ねたら捕まってしまう気がする。もしくは一生外に出られない可能性も……今気づいてしまったあり得なくもない未来にゾワリと鳥肌が立ち、私は思わずボソッと呟いたのだった。
しばらくして、1人の兵士が入ってくる。
「すみません! そろそろ最終段階に入ります‼︎」
「おお~、クライマックス‼︎」
「アレに入るのか……」
「敵ながら不憫……」
そう、残りの1割はバカ王子達のこと。腹黒グレンはバカ王子の側に何年も前からスパイを紛れのこませていたらしい。「ん~? いつかの為の保険かなぁ」だそうだ。用意周到すぎて逆に怖くなるがとりあえず今回は助かった。それとなくバカ王子達を誘導してもらい私達の渾身の作品へと案内してもらった。勿論スパイさんの方は途中で罠にハマったフリをして脱落してもらう。
流石に一緒に罠にハマるのは可哀想だ。うん、アレはいけない。
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