お助け妖精コパンと目指す 異世界サバイバルじゃなくて、スローライフ!

tamura-k

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三章 進め進め

69 『神気(低)』に入ったよ

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 グレーウルフとの戦いから五日目、俺たちは『神気(低)』のエリアに入った。
 勿論目印があるわけでも、何か結界のようなものがあるわけでもないんだけど、明らかに今までとは違うっていう感じがした。これは『神気(高)』から『神気(中)』も入った時も同じように感じたし、コパンがその日の朝「多分今日は次のエリアに入ります」って言ったから、ああ、ここからなんだなって思った。

 と言っても目に見えて何か変わったわけではないんだよね。
 道にいきなり魔物が飛び出してくるわけでも、道がいきなりなくなって全部森になってしまったわけでもない。
 ただ、違いがあるとすれば獣の鳴き声とか気配は多く感じるようになったっていうくらいかなぁ。それは進むにつれはっきりと分かるようになった。そうして思ったんだ。これが普通の森の中だって。
 獣たちの気配がしたり、鳥の鳴き声が聞こえたり、これが自然だよね。
 今までも鳥が飛ぶのを見たりはしたけれど、森はいつも静かで穏やかで、歩いているのは俺達だけ。
 道を逸れなければ魔物どころか普通の獣にも遭う事はなかった。

 だけど今なら分かるんだ。俺たちは自分たちだけが守られていると感じていたけれど、動物たちや魔物たちも、自分たちの縄張りを守られていたのかもしれないなって。
 神気が高い中心ほど弱い者達がいる。そして外へ向かえば向かうほど徐々に普通の体系になってくる。
 この女神の森の外周に強い魔物たちが生息しているのは、人の世界と獣や魔物の世界の住み分けというか最後の砦というか、そういう意味合いがあるのかもしれないな、なんてそんな事を思ったよ。

「う~~ん『予見』がもう少しレベルアップしたいです。あと、何かを察知するような力が『予見』以外にも欲しいです」
 
 コパンが珍しく少し難しい顔をしてそう言い出した。

「うん? 例えば?」
「そうですねぇ、強い魔物の気配を感じられる『察知』とか、あ、『索敵』とか。そうすればどんなものがいるとか、どんなものが来るとか分かるのになぁ」
「なるほど、『察知』や『索敵』かぁ。そういう風に探そうとしていれば出来てくるのかなぁ」
「『予見』をもう少し伸ばしていけば、もしかしたら派生的な感じで出てきてくれるのかなって期待はしているんですけど、新しいエリアに入ったから、そういう他のものを感じる力が欲しいんですよね」
「う~ん。そうだね。俺も周囲に気を配っていくようにしよう」

 とりあえずはこのエリアはどんなものが採れるのかも見ていかないとね。色々と集めてきてはいるけれど、まだ欲しいなと思うものもあるし、この世界にしかないものだってあるかもしれない。
 だって俺は魔物を討伐して何かを得て生活していく『冒険者』になりたいわけじゃないからさ。あくまでも目指すのは『スローライフ』だ。
 そのためにこの世界の街を見て情報を得て、何がしたいのか、何が出来るのかを改めて考えていく。


「セーフティーゾーンはあるっていう話だったけれど、見つかるかなぁ」
「う~ん。何とも言えません。今のところは今朝感じた以上の『予見』はありません。でもこのエリアに少しずつ慣れていくようにするのであれば、拠点はしばらく前の所でもいいのかもしれませんね。それに女神様から教えていただいた外の国の話もそろそろしたいと思いますし」
「ああ、そうか。そうだね。じゃあ、この辺りがどういう感じなのか、無理をしない程度に少しずつ道を逸れて確認をしていくっていうのもありかな」

 俺がそう言うとコパンはコクリと頷いた。

「出てくる魔物や動物たちももしかすると少しずつ異なるかもしれませんが、でもこの辺は<はぐれ>で出てくるようなもの以外は今までとあまり変わらないと思います」
「うん」
「でも油断は禁物ですよ」
「そうだね。いけると思ったら戦って、ヤバいと思ったら逃げる。このスタイルは変わらずにいこう」
「はい。それがいいと思います!」

 俺たちは頷いて笑って、道の端で昼食を取った。
 朝作っておいたボア肉のハンバーガーだ。石窯でパンを焼くようになってから色々とレパートリーも増えてきた。

「アラタ様、この前のビーフでハンバーガーを作ったら美味しいでしょうか」
「うん? ああ、ビーフバーガーか。うん、美味しいんじゃないな」
「やっぱりビーフの魔物に会いたいです。絶対に!」

 ふふふふふ、俺の『お助け妖精』がどんどん食いしん坊キャラになってくるな。



--------------

いよいよ『神気(低)』ですよ~


 
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