お助け妖精コパンと目指す 異世界サバイバルじゃなくて、スローライフ!

tamura-k

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三章 進め進め

79 確認と前進

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 夕食の後はゆったりと過ごしながらステイタスの確認をした。
 ほら、洞窟の中でピロンって鳴っていたしね。
 なんとなく新しいスキルはもう分かっているような気がするんだけど確認は大事だからさ。

 俺はスマホを開いてステータス画面を見た。

「総合Lv7は変わっていないか…………」

 まぁ最初の頃に比べたら上がるのが遅くなったなって思う。
 でもその分細かいスキルや魔法はどんどん増えていく。本当にコパンが言っていたみたいに「魔法は想像力」だ。昨日のだって、ちょっと考えただけだったんだけど。

 生存能力はほんのりアップして62になっていて、称号に<採掘人>っていうのが加わっていた。採掘人って……
 嬉しかったのは【転移】がLv2になっていた事。うん。何回か短い転移を使っていたからね。
 【レシピ登録】もLv3になった。
 【補充】と【模倣】はそのままLv3とLv4だった。残念。これからも沢山使っていこう。
 そして、やっぱり特殊スキルに【抽出】がLv1で加わっていた。
 抽出……採掘だけじゃなくて色々と使えそうだなって思ったよ。

 ちなみにあの箱は女神のギフトボックスと同じところに載っていた。
『土精霊の祝福』
 なんだか気になるけど、どうやって使うものなのかよく分からないし、開けて何かあっては困る。
 俺ってさ、結構石橋を叩いても渡らないタイプなんだよね。
 うん。しばらくはインベントリの中でそっとしておこう。


   ◆ ◆ ◆


 翌朝、朝食を食べた後、俺たちはマッピング転移をして一昨日の道に戻りそのままサクサクと歩き始めた。またあのネズミたちに会うと色々巻き込まれそうだからね。

「アラタ様、今日は何か良い事があるような気がします」

 コパンが肩の上でなんだか嬉しそうにそう言った。

「お、『予見』かな。そう言えばコパンのお助けレベルも上がっていたね。初級の6だっけ?」
「はい。少し遅れを取りましたが、もっともっとがんばってお役に立ってお助けのレベルを上げていきます!」
「期待してるね。でもコパンはいつも十分お役に立っているよ。コパンのおまかせあれ~を聞くと元気が出るんだ」
「! はい! これからもおまかせあれ~!」

 肩から飛んでくるくると踊るみたいに回って、コパンは俺の少し前を飛び始めた。
 嬉しそうにしている『お助け妖精』はやっぱり可愛いな。

 とりあえず、今日はまだ道に出てくる動物たちはいない。
 それでもやっぱり鳥のさえずりは聞こえるし、何かの動物たちの鳴き声も多く聞こえる。沢山の生き物たちが暮らしている森。このどこかに足を踏み入れたら、また魔物に遭遇するのかな。そんな事を考えているとフラグが立つからやめておこう。
 だって今日はコパンの『予見』では良い事がありそうなんだから。
 なんだろうな、良い事。
 『神気(低)』での拠点が見つかるのかな。それとも何かまた珍しい食材とか見つかるのかな。

「ああ、でも食材を見つけるとなるとやっぱり森の中に入らないとだよなぁ」
「アラタ様?」
「ああ、うん。大丈夫。ちょっと独り言が大きすぎただけだよ。新しいものは手に入れたいけど、森に入るたびに魔物と戦うのは嫌だなぁって思っただけだから」
「なるほど……」
「とりあえず昨日話をしたみたいに、まずは道の神気? がどんな風に変化してくるかを観察しながらセーフティーゾーンを探そう」
「はい!」

 コパンは大きく頷いて、自作の「タケノコの歌」を歌い始めた。一昨日食べた久しぶりのタケノコが相当美味しかったみたいなんだよね。まぁ時々昨日の「ボアステーキ」が混じるのはご愛敬だ。

「ふんふん♪ タケノコ、タケノコ、ノコノコ、おいしいよ♪」
「焼きタケノコも美味しいけど、天ぷらも美味しいよ。水溶きの小麦粉になっちゃうけどやってみようか。べちゃべちゃになっちゃうかなぁ。あ、でもマヨネーズとかで代用できるって聞いた事があったな。やってみちゃう?」
「! やってみちゃいます!」

 コパンの歌は「天ぷらの歌」に変わった。


 そして、日が傾き始めた頃。『神気(低)』エリアで初めてのセーフティーゾーンが見つかった。
 表面上は今までのそれと変わらない感じで、俺たちはほっとしてキャンプ場のようなそこにテントとかまどを出した。

 
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