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〜幼少期編〜
第15話 悪役令嬢の婚約破棄
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呼び出されたバルコニーへ向かうと、ダリア・クロウリーが空に浮かぶ月を見上げて黄昏ていた。
その姿がどうにも不思議な雰囲気を漂わせていてしばらく目を離すことが出来なかった。
そして、その後俺に面と向かって言い放ったんだ。
「婚約を解消してほしい」と。
明らかに以前のダリア・クロウリーとは違っていた。
俺のご機嫌を伺うような女だったのに、、、目の前にいる女は俺を嘲笑しながら「滑稽で不快だ」とのたまった。
反論しようにもその真っ直ぐな瞳は心の奥まで捉えられているかのように見えて。
見透かされているようで気分が悪かった。
同い年のはずなのに年上と話している気分だ。
そして、令嬢とは思えない口調。
きっと誰かが変装しているに違いないと思ったが、本人だと言い張る。
「私はダリア・クロウリー。クロウリー公爵家の娘だ。」
そう啖呵を切るダリア・クロウリーは月明かりに照らされてミッドナイトブルーの長い髪がキラキラと光っているように見えた。
その姿を見た瞬間、心臓が大きく跳ねた気がした。
俺は平静を装うために1つ質問をする。
「では何故いきなりこんなことを言い出す?」
ダリア・クロウリーはこちらに振り向きながら髪色と同じ色の瞳を俺に向けながら
「私の心変わりだ」
と戸惑う俺にそう言った。
酷く、、、顔が熱い。
そのパーティからというもの、あんなに王宮に会いに来ていたダリア・クロウリーはすっかり来なくなっていた。
俺の方から会いに行っても「剣の修練がある」と言って挨拶するとすぐにその場を後にしようとする。
「まずは形からというじゃないか。これも演じているんだよ、新しいわたしとして。この間まで君にベッタリだったダリアが私の本質だ。だがこれではいけないって思ったんだよ。」
なんだそれ。まるで言い訳になってない。
「だが婚約まで破棄しようとしているのは何故だ?俺たちの婚約は悪い話ではないだろう?」
気に食わない。
「言ったではありませんか、殿下。心変わりだと。」
何故そんなに清々しい笑顔で俺と面と向かって。
気に食わない、気に食わない、気に食わない。
「何が気に入らないんだ。」
あんなに俺を好きだと言ったのに。
𝓽𝓸 𝓫𝓮 𝓬𝓸𝓷𝓽𝓲𝓷𝓾𝓮𝓭🌃
その姿がどうにも不思議な雰囲気を漂わせていてしばらく目を離すことが出来なかった。
そして、その後俺に面と向かって言い放ったんだ。
「婚約を解消してほしい」と。
明らかに以前のダリア・クロウリーとは違っていた。
俺のご機嫌を伺うような女だったのに、、、目の前にいる女は俺を嘲笑しながら「滑稽で不快だ」とのたまった。
反論しようにもその真っ直ぐな瞳は心の奥まで捉えられているかのように見えて。
見透かされているようで気分が悪かった。
同い年のはずなのに年上と話している気分だ。
そして、令嬢とは思えない口調。
きっと誰かが変装しているに違いないと思ったが、本人だと言い張る。
「私はダリア・クロウリー。クロウリー公爵家の娘だ。」
そう啖呵を切るダリア・クロウリーは月明かりに照らされてミッドナイトブルーの長い髪がキラキラと光っているように見えた。
その姿を見た瞬間、心臓が大きく跳ねた気がした。
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「では何故いきなりこんなことを言い出す?」
ダリア・クロウリーはこちらに振り向きながら髪色と同じ色の瞳を俺に向けながら
「私の心変わりだ」
と戸惑う俺にそう言った。
酷く、、、顔が熱い。
そのパーティからというもの、あんなに王宮に会いに来ていたダリア・クロウリーはすっかり来なくなっていた。
俺の方から会いに行っても「剣の修練がある」と言って挨拶するとすぐにその場を後にしようとする。
「まずは形からというじゃないか。これも演じているんだよ、新しいわたしとして。この間まで君にベッタリだったダリアが私の本質だ。だがこれではいけないって思ったんだよ。」
なんだそれ。まるで言い訳になってない。
「だが婚約まで破棄しようとしているのは何故だ?俺たちの婚約は悪い話ではないだろう?」
気に食わない。
「言ったではありませんか、殿下。心変わりだと。」
何故そんなに清々しい笑顔で俺と面と向かって。
気に食わない、気に食わない、気に食わない。
「何が気に入らないんだ。」
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