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〜幼少期編〜
第16話 悪役令嬢 ヘアチェンジをする
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8歳になって剣術をお父様の騎士団の人から教えて貰えるようになった。
最初は反対もされはしたが公爵令嬢として、貴族として魔物討伐も任されるかもしれない。
悪役令嬢という立ち位置だ、メインキャラ以外にも警戒しなければならない人間だっているはずだ。
そして、勉学にも励むようになった。
歴史、外国語、国語、地理、算術。
これから処刑エンドを免れようとするのだ。
勉強しておいた方がことが有利に運ぶだろう。
そういえば勉学の時に家庭教師に聞いた話で興味深いことがあった。
数十年に一度太陽が薄い輪になって昼間でも夜のごとく暗い日があるのだとか。
その日には決まって魔物がいつにも増して凶暴化するのだという。
<だからその日に魔物を鎮める役割として聖女が数年に一度選ばれる。>
「お嬢様も公爵家のご令嬢として聖女候補に選ばれますことでしょう。」
聖女候補か、ストーリーを読んでいないからダリア・クロウリーが聖女候補として選ばれたのかそうでないのかが正確にはわからない。
が、候補として選ばれるだけでも名誉な事だ。
きっとお母様やお父様は聖女候補になることを望まれるだろう。
この乙女ゲームの題名は「聖女の涙」。
そう、題名通り主人公でありメインヒロインの女性は聖女として選ばれるはずだ。
たしか、、、名前はクリスティーナ。だったような?瞳と髪色が水色で可愛らしい顔立ちだったから多分その人が主人公なんだと思うんだが。
とにかく、そんな主人公と敵対してしまっては処刑エンドを免れない。
なんとかして聖女候補に選ばれぬようにしなければ。
そして、9歳になった時に乗馬を始めた。
ダリア自体の運動神経はあまり悪くないらしく不安だった乗馬も難なくこなすことが出来た。
しかし、ある日長い髪の毛を鐙に引っ掛けてしまい危うくバランスを崩す所だった。
メイドのマーサとメアリーが顔面蒼白になって駆けつけてきたのをよく覚えている。
「しかし、この長い髪は邪魔だな。」
「お嬢様、ご令嬢であることに自覚をお持ちくださいませ。」
「ごめん、だが。怪我をしては元も子もないからね。」
私はマーサに理容師を呼ぶように言いつけるとどこまでも伸びた髪を2本の指でつまみながら弄ぶ。
「髪なんてすぐに伸びるよ。」
女らしくしたって見せつけたい相手がいなければ虚しいだけだろう。
そう言って髪をだいぶ短くしてもらった。
襟足もスッキリ、まぁ、この世界では珍しいのかな?
この世界では長い髪の男性だっている。
短い髪の女性がいて何が悪いのかっ!
初めてこの姿を見たお母様は発狂。
これまで令嬢として育ててきたのにという言い分らしい。
「何を考えているの!聖女候補の選抜だって控えているのにっ!これでは、、、」
「母上、、、髪の毛などいくらでも伸びます。それに私の魔法属性を考えると聖女には不向きでしょう。浄化する能力がないのですから。」
私の言っていることは一理あるはずだ。見栄を張って無理やり候補になったとしても聖女には選ばれないだろう。
そうなったら「あーやっぱりね」という反応があるに違いないのだ。
負け戦のようなことをこの私がするとでも?
「聖女候補として選ばれることがこの国では名誉なことであるのはお前もわかっているな?」
お?珍しくお父様が口を開いた。
「えぇ、わかっております。父上。」
「最近、剣を鍛えたり乗馬の練習をしたりしているらしいな。」
「はい。」
「そんなもの!淑女の嗜みとして必要なことではないはずです!」
「公爵家として、民から魔物を守るには剣術も必要でしょう。」
「それは騎士のすることです!」
「女性騎士だっているではありませんか。」
「それはこのクロウリー家に仕える騎士だから、、、、!」
「我々もこの国に仕える騎士なのでは?」
これ以上何も言えないのか、唖然としている母上。
私は溜息をつきながら淑女としての作法を放棄した訳では無いと説明をした。
「別に女であることを捨てるとかそういうことを言っているのではありませんよ。ただ、何が起こるかわからないこの世界で自分自身を鍛えることがそんなにいけないことなのかと申しているのです。」
「その通りだな。我が門には男子がいない。この私に何かあった場合騎士団を動かすのは長女であるダリアの仕事となる。」
「今まで通り剣術と乗馬の稽古は許していただけるのでしょうか。」
「構わん。好きにするがよい。」
「あ、あなた!」
父上は鋭い眼光で母上を睨みつけると母上は何も言えず黙りこくってしまった。
さすが父上。何も言わずに母上を黙らせるなんて。
よく見たらこの私の目は父親譲りのものなのだと気がついた。
本当にダリアが男だったらモテそうね。
𝓽𝓸 𝓫𝓮 𝓬𝓸𝓷𝓽𝓲𝓷𝓾𝓮𝓭🌃
最初は反対もされはしたが公爵令嬢として、貴族として魔物討伐も任されるかもしれない。
悪役令嬢という立ち位置だ、メインキャラ以外にも警戒しなければならない人間だっているはずだ。
そして、勉学にも励むようになった。
歴史、外国語、国語、地理、算術。
これから処刑エンドを免れようとするのだ。
勉強しておいた方がことが有利に運ぶだろう。
そういえば勉学の時に家庭教師に聞いた話で興味深いことがあった。
数十年に一度太陽が薄い輪になって昼間でも夜のごとく暗い日があるのだとか。
その日には決まって魔物がいつにも増して凶暴化するのだという。
<だからその日に魔物を鎮める役割として聖女が数年に一度選ばれる。>
「お嬢様も公爵家のご令嬢として聖女候補に選ばれますことでしょう。」
聖女候補か、ストーリーを読んでいないからダリア・クロウリーが聖女候補として選ばれたのかそうでないのかが正確にはわからない。
が、候補として選ばれるだけでも名誉な事だ。
きっとお母様やお父様は聖女候補になることを望まれるだろう。
この乙女ゲームの題名は「聖女の涙」。
そう、題名通り主人公でありメインヒロインの女性は聖女として選ばれるはずだ。
たしか、、、名前はクリスティーナ。だったような?瞳と髪色が水色で可愛らしい顔立ちだったから多分その人が主人公なんだと思うんだが。
とにかく、そんな主人公と敵対してしまっては処刑エンドを免れない。
なんとかして聖女候補に選ばれぬようにしなければ。
そして、9歳になった時に乗馬を始めた。
ダリア自体の運動神経はあまり悪くないらしく不安だった乗馬も難なくこなすことが出来た。
しかし、ある日長い髪の毛を鐙に引っ掛けてしまい危うくバランスを崩す所だった。
メイドのマーサとメアリーが顔面蒼白になって駆けつけてきたのをよく覚えている。
「しかし、この長い髪は邪魔だな。」
「お嬢様、ご令嬢であることに自覚をお持ちくださいませ。」
「ごめん、だが。怪我をしては元も子もないからね。」
私はマーサに理容師を呼ぶように言いつけるとどこまでも伸びた髪を2本の指でつまみながら弄ぶ。
「髪なんてすぐに伸びるよ。」
女らしくしたって見せつけたい相手がいなければ虚しいだけだろう。
そう言って髪をだいぶ短くしてもらった。
襟足もスッキリ、まぁ、この世界では珍しいのかな?
この世界では長い髪の男性だっている。
短い髪の女性がいて何が悪いのかっ!
初めてこの姿を見たお母様は発狂。
これまで令嬢として育ててきたのにという言い分らしい。
「何を考えているの!聖女候補の選抜だって控えているのにっ!これでは、、、」
「母上、、、髪の毛などいくらでも伸びます。それに私の魔法属性を考えると聖女には不向きでしょう。浄化する能力がないのですから。」
私の言っていることは一理あるはずだ。見栄を張って無理やり候補になったとしても聖女には選ばれないだろう。
そうなったら「あーやっぱりね」という反応があるに違いないのだ。
負け戦のようなことをこの私がするとでも?
「聖女候補として選ばれることがこの国では名誉なことであるのはお前もわかっているな?」
お?珍しくお父様が口を開いた。
「えぇ、わかっております。父上。」
「最近、剣を鍛えたり乗馬の練習をしたりしているらしいな。」
「はい。」
「そんなもの!淑女の嗜みとして必要なことではないはずです!」
「公爵家として、民から魔物を守るには剣術も必要でしょう。」
「それは騎士のすることです!」
「女性騎士だっているではありませんか。」
「それはこのクロウリー家に仕える騎士だから、、、、!」
「我々もこの国に仕える騎士なのでは?」
これ以上何も言えないのか、唖然としている母上。
私は溜息をつきながら淑女としての作法を放棄した訳では無いと説明をした。
「別に女であることを捨てるとかそういうことを言っているのではありませんよ。ただ、何が起こるかわからないこの世界で自分自身を鍛えることがそんなにいけないことなのかと申しているのです。」
「その通りだな。我が門には男子がいない。この私に何かあった場合騎士団を動かすのは長女であるダリアの仕事となる。」
「今まで通り剣術と乗馬の稽古は許していただけるのでしょうか。」
「構わん。好きにするがよい。」
「あ、あなた!」
父上は鋭い眼光で母上を睨みつけると母上は何も言えず黙りこくってしまった。
さすが父上。何も言わずに母上を黙らせるなんて。
よく見たらこの私の目は父親譲りのものなのだと気がついた。
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