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王宮内暗殺事件編
第82話 敗北者の顔
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「よく来られましたね、クレアローズ様にお話しは伺っております。」
「おふたりの身は必ずお守り致します。アヤ様にいくつかお聞きしたいことが……」
ノアが目配せをすると部下のひとりがカリムに手を差し出しその場から連れ出した。
「襲われた時、騎士団は何を?」
アヤ側妃は眉をひそめて顔を逸らすと離れたところで騎士と話しているカリムを見つめながら静かに口を開いた。
「騎士団はそもそも傍に仕えておりませんでした。当然です、わたくしたちの護衛に王国騎士団を寄越したのは同じ側妃であるミレーヌ様なのですから。」
その名前を耳にした途端ノアの表情が変わった。
ミレーヌ側妃
国王の寵愛を受けている側妃だが、身篭ったことはなくただ国王の寵妃として贅の限りを尽くしている。
そしてそのミレーヌ側妃の実家こそがガスパル家であった。
アルマの従姉妹にあたる。
「なるほど、まだ若いとはいえ未だに王の子を身ごもらないことに焦りを感じたのか。」
「そ、それは憶測です……しかし、警備の穴を開けたのは恐らくあの方かと。」
ノアは目を閉じ指を鳴らすと宮殿内の角や家具の隙間からゆらゆらと黒いモヤが目玉のようなものを取り出していく。
あまりのおぞましさにアヤ側妃は小さく悲鳴をあげるがノアは構わず再び指を鳴らして目玉を潰して消し去った。
「こ、これは……」
「護衛、もしくは監視のための魔術です。暗殺者の仕業、もしくは間者の仕業ですかね。」
「王国騎士団が護衛のために付けたものでは無いのですね?」
「えぇもちろん。何せ彼らは闇魔法を嫌いますから、いくら目先に利益があったとしてもこの方法は取らないでしょうね。でも奴らにとって邪魔な存在を一気に消し去るチャンスです、近いうちにまた襲撃するでしょう。」
不安そうに俯くアヤ側妃を横目にノアは短くため息を吐く。
「そんな顔してるからミレーヌ側妃に虐められるんですよ。」
図星だったのか更に黙りこくるアヤ側妃に他の騎士が慌ててノアの口を塞ぐ。
「師団長!自重してください!グランドマスターにも礼儀を弁えるようにと言われていたでしょう!」
「はいはい、わかってるって。ですがアヤ側妃、覚えておいてください。敗者だと思っている内は勝者にはなれません。守りたいものがあるのなら嘆くのではなく怒るべきです。それでは見回りに行ってきますので失礼します。」
そう言うとひとりの騎士を残して見回りに向かって行ったノアの背中を見つめるアヤ側妃。
「ご無礼をお許しください、少し・だいぶ?口は悪いですが師団長の言うことも間違っている訳ではありません。どうか毅然とした振る舞いでお過ごしください。」
「わかったわ、ありがとう……」
ノアは見回りながら辺りを睨みつけていた。
「師団長、先程の話は……」
「先日ベルファ殿下の元にミレーヌ側妃が訪れたらしい。誰が誰の元に暗殺者を送っているかなんて調べなくてもわかることだ。」
𝓉ℴ 𝒷ℯ 𝒸ℴ𝓃𝓉𝒾𝓃𝓊ℯ𝒹🌌
「おふたりの身は必ずお守り致します。アヤ様にいくつかお聞きしたいことが……」
ノアが目配せをすると部下のひとりがカリムに手を差し出しその場から連れ出した。
「襲われた時、騎士団は何を?」
アヤ側妃は眉をひそめて顔を逸らすと離れたところで騎士と話しているカリムを見つめながら静かに口を開いた。
「騎士団はそもそも傍に仕えておりませんでした。当然です、わたくしたちの護衛に王国騎士団を寄越したのは同じ側妃であるミレーヌ様なのですから。」
その名前を耳にした途端ノアの表情が変わった。
ミレーヌ側妃
国王の寵愛を受けている側妃だが、身篭ったことはなくただ国王の寵妃として贅の限りを尽くしている。
そしてそのミレーヌ側妃の実家こそがガスパル家であった。
アルマの従姉妹にあたる。
「なるほど、まだ若いとはいえ未だに王の子を身ごもらないことに焦りを感じたのか。」
「そ、それは憶測です……しかし、警備の穴を開けたのは恐らくあの方かと。」
ノアは目を閉じ指を鳴らすと宮殿内の角や家具の隙間からゆらゆらと黒いモヤが目玉のようなものを取り出していく。
あまりのおぞましさにアヤ側妃は小さく悲鳴をあげるがノアは構わず再び指を鳴らして目玉を潰して消し去った。
「こ、これは……」
「護衛、もしくは監視のための魔術です。暗殺者の仕業、もしくは間者の仕業ですかね。」
「王国騎士団が護衛のために付けたものでは無いのですね?」
「えぇもちろん。何せ彼らは闇魔法を嫌いますから、いくら目先に利益があったとしてもこの方法は取らないでしょうね。でも奴らにとって邪魔な存在を一気に消し去るチャンスです、近いうちにまた襲撃するでしょう。」
不安そうに俯くアヤ側妃を横目にノアは短くため息を吐く。
「そんな顔してるからミレーヌ側妃に虐められるんですよ。」
図星だったのか更に黙りこくるアヤ側妃に他の騎士が慌ててノアの口を塞ぐ。
「師団長!自重してください!グランドマスターにも礼儀を弁えるようにと言われていたでしょう!」
「はいはい、わかってるって。ですがアヤ側妃、覚えておいてください。敗者だと思っている内は勝者にはなれません。守りたいものがあるのなら嘆くのではなく怒るべきです。それでは見回りに行ってきますので失礼します。」
そう言うとひとりの騎士を残して見回りに向かって行ったノアの背中を見つめるアヤ側妃。
「ご無礼をお許しください、少し・だいぶ?口は悪いですが師団長の言うことも間違っている訳ではありません。どうか毅然とした振る舞いでお過ごしください。」
「わかったわ、ありがとう……」
ノアは見回りながら辺りを睨みつけていた。
「師団長、先程の話は……」
「先日ベルファ殿下の元にミレーヌ側妃が訪れたらしい。誰が誰の元に暗殺者を送っているかなんて調べなくてもわかることだ。」
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