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王宮内暗殺事件編
第85話 アメリア 神殿へ
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それからヒナの元には茶会の招待状と共にカリムからの手紙も届くようになっていた。
手紙の内容はほとんどヒナについてだった。
茶会で虐められていないか、とか。
ヒナの好きな花はなにか、好きな食べ物はなにかなど他愛のないものばかりだった。
「あら?またカリム殿下から?」
「えぇ、同い年の友達が出来たようで嬉しいです。」
ニッコリ微笑むヒナにアメリアは紫のライラックを手紙の上に置いた。
「近いうちにお姉様に嬉しい報告が出来ると良いのだけれどね。」
「どういう意味です?」
「いつかわかるわ。」
そう言って踵を返すアメリアに首を傾げるヒナはもう一度手紙に視線を移した。
[俺も頑張る……]
その文字を見てヒナはフッと優しく微笑んだ。
「頑張りましょう、私たちにはとても強い味方が着いていますから。」
その頃、魔術学園では……
「ふーん、ミレーヌお姉様戻ったんだ。」
ミレーヌ側妃の帰省を告げた手紙を冷たい瞳で見下ろしながらそう呟くアルマはそのまま燭台のロウソクの火に手紙をかざして燃やしてしまった。
無表情で燃える手紙を見つめながら
「何しに帰ってきたんだろ、あの人。ま、あの方に関わらなければ別に何したって構いませんからね……」
そして、アメリア神殿入り当日……
公爵と夫人 レーナ側妃 ヒナが見守る中神殿からの迎えの使者にアメリアは挨拶をしていた。
「この度はアメリア公女を神殿まで護衛、また神殿での警護をさせていただきます聖騎士団 団長ノーマン・アスターにございます。」
「クロウリー公爵家次女、アメリア・クロウリーにございます。警護だけではなくお出迎えもご苦労さまです。」
毅然とした態度で挨拶をするアメリアにノーマンは少し小馬鹿にしたようにニタリと口の端を釣り上げる。
アメリアは構うことなく馬車に乗り込もうとするとその手を誰かが掴んだ。
振り返ってみると心配そうに伺うベルファだった。
見送りに来ていたのであろうベルファにアメリアは小さく笑う。
「必ず戻ります。」
「あぁ、待っている。」
アメリアが乗った馬車がクロウリー城を遠のいていき、これでクロウリー家の公女たちはひとりは魔術学園 ひとりは神殿へ そしてひとりはクロウリー城に残り ばらばらに散っていった。
事件が起きたのはそれからまもなくの事だった……
𝓉ℴ 𝒷ℯ 𝒸ℴ𝓃𝓉𝒾𝓃𝓊ℯ𝒹🌌
手紙の内容はほとんどヒナについてだった。
茶会で虐められていないか、とか。
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「近いうちにお姉様に嬉しい報告が出来ると良いのだけれどね。」
「どういう意味です?」
「いつかわかるわ。」
そう言って踵を返すアメリアに首を傾げるヒナはもう一度手紙に視線を移した。
[俺も頑張る……]
その文字を見てヒナはフッと優しく微笑んだ。
「頑張りましょう、私たちにはとても強い味方が着いていますから。」
その頃、魔術学園では……
「ふーん、ミレーヌお姉様戻ったんだ。」
ミレーヌ側妃の帰省を告げた手紙を冷たい瞳で見下ろしながらそう呟くアルマはそのまま燭台のロウソクの火に手紙をかざして燃やしてしまった。
無表情で燃える手紙を見つめながら
「何しに帰ってきたんだろ、あの人。ま、あの方に関わらなければ別に何したって構いませんからね……」
そして、アメリア神殿入り当日……
公爵と夫人 レーナ側妃 ヒナが見守る中神殿からの迎えの使者にアメリアは挨拶をしていた。
「この度はアメリア公女を神殿まで護衛、また神殿での警護をさせていただきます聖騎士団 団長ノーマン・アスターにございます。」
「クロウリー公爵家次女、アメリア・クロウリーにございます。警護だけではなくお出迎えもご苦労さまです。」
毅然とした態度で挨拶をするアメリアにノーマンは少し小馬鹿にしたようにニタリと口の端を釣り上げる。
アメリアは構うことなく馬車に乗り込もうとするとその手を誰かが掴んだ。
振り返ってみると心配そうに伺うベルファだった。
見送りに来ていたのであろうベルファにアメリアは小さく笑う。
「必ず戻ります。」
「あぁ、待っている。」
アメリアが乗った馬車がクロウリー城を遠のいていき、これでクロウリー家の公女たちはひとりは魔術学園 ひとりは神殿へ そしてひとりはクロウリー城に残り ばらばらに散っていった。
事件が起きたのはそれからまもなくの事だった……
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