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契約結婚
第三話
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国中にヴェルグラ公爵の婚約が決まったことが知らされた。
[あの冷血公爵が婚約を決めた!]
[女性に興味を示さなかったあの公爵が!]
[公爵はアデル皇女とご結婚なさるかと!]
[相手は誰だ?!]
[ローズ・アグノエル子爵令嬢ですって!ほら5年前までは社交界に出られていたではありませんか!それはそれは美しい方ですわ!]
[おぉ、ついにあの白い城からお出になるのか!]
街だけではなく皇室もこの騒ぎは続いた。
ヴェルグラ公爵邸
「騒がしいな。」
執務室で婚約の手続きの書類に目を通しているリアムが不意につぶやく。
「当然でございます、それに皇女様も黙ってはおられないでしょう。」
リアムは書類を机に置くと立ち上がる。
「婚約は決めた。諦めるしか方法はないだろう。」
リアムはソファーにかけてある上着を着るとレオに書類を纏めるように指示をする。
「アグノエル嬢に会いに行くぞ、支度をしろ。」
「かしこまりました。」
アグノエル城
春の温かさと優しい陽の光、そよそよと吹く風は庭園の薔薇をゆったりと揺らす。
こんないい天気なら庭に出て薔薇を愛でるところだが、ローズの姿は見えない。
リアムは城内に入り、辺りを見回す。
出迎えた執事が「お嬢様は図書室におられます。」
それを聞くと案内されるままに進んでいく。
一際大きい部屋の両開きの扉を開けると、周りじゅう取り囲むように本の棚がそびえ立っていた。
天井にまで届くほどの棚に本は棚に敷きつめられていた。
あまりの壮大さに思わず見渡していると吹き抜けの天井ガラスから漏れる陽の光に照らされながら本を読みふける少女の姿。
心做しか、自分と会話をしていたときより表情が柔らかいように思えた。
その時感じたことの無いモヤモヤした気分が自分の心の中に渦巻いていることに気が付いた。
気付かれぬようにローズの背後に立ち、耳元に顔を近づけ囁いてみる。
「そんなに熱心に何を読んでいるんだ?」
ローズは振り向きもせずに「心理学論です」とだけ答える。
そんなローズにムッとすると持っている本を取り上げる。
「ヴェルグラ様?」
リアムは取り上げたが衝動的な行動だったがゆえこの後どうすればいいのか全く考えていなかった。
「婚約の手続き書類を持ってきた。見て欲しいんだが?」
ローズは目をパチクリするとリアムに向き直ってお辞儀をした。
「そうでございましたか、それは失礼致しました。すぐに確認致します。」
ローズが書類を受け取ろうとするとリアムはヒョイっとそれを避ける。
「ヴェルグラ様?あの、、、」
ローズが困惑しているとリアムは窓を見ながら
「その前に庭を見たい」
ローズはリアムが見つめている窓の方を見ると「かしこまりました」と答えた。
庭に出ると辺り一面白い薔薇が咲き誇っていた。
リアムはローズに手を差し伸べる。
「少し歩こう。」
ローズは差し伸べられた手を見つめ、恐る恐ると手をとった。
薔薇を眺めながら庭園を歩く2人。
「結婚をしてみたいといっていたが、この先私以外と結婚をしようとは思わないのか?」
ローズは少し黙ると「できません」と答えた。
「私も質問しても?」
リアムが頷くとローズは薔薇を弄りながら
「何故、契約とはいえ私を選んだのですか?」
「俺は騒がしいのは嫌いだ。皇室の舞踏会にひとたび出れば俺の容姿だけで騒がれる。そんな者たちと結婚なんかしたくないだけだ。」
「俺は愛を知らない。」
次回をお楽しみに!
[あの冷血公爵が婚約を決めた!]
[女性に興味を示さなかったあの公爵が!]
[公爵はアデル皇女とご結婚なさるかと!]
[相手は誰だ?!]
[ローズ・アグノエル子爵令嬢ですって!ほら5年前までは社交界に出られていたではありませんか!それはそれは美しい方ですわ!]
[おぉ、ついにあの白い城からお出になるのか!]
街だけではなく皇室もこの騒ぎは続いた。
ヴェルグラ公爵邸
「騒がしいな。」
執務室で婚約の手続きの書類に目を通しているリアムが不意につぶやく。
「当然でございます、それに皇女様も黙ってはおられないでしょう。」
リアムは書類を机に置くと立ち上がる。
「婚約は決めた。諦めるしか方法はないだろう。」
リアムはソファーにかけてある上着を着るとレオに書類を纏めるように指示をする。
「アグノエル嬢に会いに行くぞ、支度をしろ。」
「かしこまりました。」
アグノエル城
春の温かさと優しい陽の光、そよそよと吹く風は庭園の薔薇をゆったりと揺らす。
こんないい天気なら庭に出て薔薇を愛でるところだが、ローズの姿は見えない。
リアムは城内に入り、辺りを見回す。
出迎えた執事が「お嬢様は図書室におられます。」
それを聞くと案内されるままに進んでいく。
一際大きい部屋の両開きの扉を開けると、周りじゅう取り囲むように本の棚がそびえ立っていた。
天井にまで届くほどの棚に本は棚に敷きつめられていた。
あまりの壮大さに思わず見渡していると吹き抜けの天井ガラスから漏れる陽の光に照らされながら本を読みふける少女の姿。
心做しか、自分と会話をしていたときより表情が柔らかいように思えた。
その時感じたことの無いモヤモヤした気分が自分の心の中に渦巻いていることに気が付いた。
気付かれぬようにローズの背後に立ち、耳元に顔を近づけ囁いてみる。
「そんなに熱心に何を読んでいるんだ?」
ローズは振り向きもせずに「心理学論です」とだけ答える。
そんなローズにムッとすると持っている本を取り上げる。
「ヴェルグラ様?」
リアムは取り上げたが衝動的な行動だったがゆえこの後どうすればいいのか全く考えていなかった。
「婚約の手続き書類を持ってきた。見て欲しいんだが?」
ローズは目をパチクリするとリアムに向き直ってお辞儀をした。
「そうでございましたか、それは失礼致しました。すぐに確認致します。」
ローズが書類を受け取ろうとするとリアムはヒョイっとそれを避ける。
「ヴェルグラ様?あの、、、」
ローズが困惑しているとリアムは窓を見ながら
「その前に庭を見たい」
ローズはリアムが見つめている窓の方を見ると「かしこまりました」と答えた。
庭に出ると辺り一面白い薔薇が咲き誇っていた。
リアムはローズに手を差し伸べる。
「少し歩こう。」
ローズは差し伸べられた手を見つめ、恐る恐ると手をとった。
薔薇を眺めながら庭園を歩く2人。
「結婚をしてみたいといっていたが、この先私以外と結婚をしようとは思わないのか?」
ローズは少し黙ると「できません」と答えた。
「私も質問しても?」
リアムが頷くとローズは薔薇を弄りながら
「何故、契約とはいえ私を選んだのですか?」
「俺は騒がしいのは嫌いだ。皇室の舞踏会にひとたび出れば俺の容姿だけで騒がれる。そんな者たちと結婚なんかしたくないだけだ。」
「俺は愛を知らない。」
次回をお楽しみに!
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