冷血公爵は呪われし美女を溺愛する

ナナスケ

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契約結婚

第十話

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なぜ呪いのことを彼に話したのだろう。

私はこの呪いがあるから、、、あなたも一時的な婚約を欲していたから結婚をしたのだ。
これは契約関係なのだ。


だからこんな感情を抱いてはいけない。

呪いのことを話せば彼の心は離れていくだろうと思った。

そうなればいいと思った。もう傷つきたくはないから。


でも私の言葉にあなたがあまりにも苦しそうな目で見つめるから。

悲しそうに膝をつくから。

切なく俯くから。

私もどうすればいいかわからなくなってしまった。

その場にいられなくなってしまった。

生きることを諦めかけていたのに、、、

あなたと離れることを恐れてしまった。


私は城の中を駆け抜けるとあの図書室に飛び込んだ。

初めて私の世界に入り込んだあなたはいつも前の席に座って、本をおもむろにとって読んでいた。

私しか知らないと思っていたことや私も知らないことを本を使って説明してくれた。

本を通してあなたの事を見ていた。

5年前の舞踏会にあなたがいたら少しは未来が変わっていたのだろうか。

婚約発表のとき、、、あなたから言われた言葉はとても嬉しかった。
呪いがなければどんなに良かったか。
呪いがなければあなたの手を取ることができたのに。

私はその場に蹲った。

またひとりに戻るだけだ。

今まで1人だったじゃないか。

戻るだけなんだ、、、、


なのになんでこんなに、胸が苦しいのだろう。

この城の最後の主として私は死んでいく。


「こんな所に隠れていたのか。」

一番聞きたくなくて、一番聞きたかった声が空から降り注ぐ。

「いくら夏が近いとはいえこんなところで寝るのか?」

あまりにも優しく彼が声をかけるものだから。

あまりにも彼が優しく微笑むものだから。

「お前が一人になろうと俺を突き放そうとしてもやはり俺はお前と共にいたいと思ってしまうんだ。」

いつの間にか流れていた涙をそっと指で拭われる。

「お前の呪いは俺が解いてやる。どんな手を使っても、、、」


縋ってもいいのだろうか、生きることに私は希望を持っていいのだろうか。

無意識に両手を広げていた私に彼は優しく抱きとめてくれた。


「愛してくれとは頼まない、、、だがそばにいて欲しい」

「私は、、、呪われていて。」

「わかっている。」

「皇室の中に私を恨んでいるものがいるかも、、、」

「あぁ。」

「3年後私は、、、、」

「死なせるものか。」

ローズは初めてリアムに抱き返し、腕に力を込めた。

「帰るぞ。」

そっとローズを抱き上げ、馬に乗せてアグノエル邸を後にした。



ベッドで眠るローズの頭を優しく撫で続ける。

「俺の姿を見たらお前はまた離れてしまうのか?」




ローズを見つめる瞳が赤く光る。




第一章   契約結婚   ~完~   
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