冷血公爵は呪われし美女を溺愛する

ナナスケ

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契約結婚

第九話

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翌日、ローズの願い通り夕方に時間を作りアグノエル邸で待つ彼女の元へと馬を走らせた。
馬車ではなく馬に乗って駆けたのは先日のローズの真剣な眼差しに不穏な言葉。
結婚を取り下げられるだけではない気がしてならなかった。
久々に足を運ぶアグノエル邸は閑散としていて歩く度に靴の音がコツンと響き渡る。
置き手紙に書いてあったように西の最上階に位置する部屋の前に行くと既に扉は開かれていた。
恐る恐る部屋に入ると、奥の方に小さなバルコニーがあり。
そこに影がひとつ。
その影がローズであると確認すると彼女の元に駆け寄った。

「ローズ、、、それは。」

ローズの前にはテーブルにガラスケース。その中に一輪の薔薇がほのかに輝いていた。
ローズはそのガラスケースに手を置き、切なげに見つめる。

「悲しいほど美しいんです。」

みるとガラスケースのそこには薔薇の花びらが何枚か落ちていた。

「一度くらい結婚をしてみたかったなんて、なんでそんなこと、、、、」

ローズの今まで見た事ない苦しげな表情にリアムはそっと寄り添う。

「俺はよかったと思っている。俺の姿にではなく、俺のに語りかけてくれるのはお前だけだった。」

「俺のみてくれに寄ってきて、知らないくせにしったような口をきく。そんな人間ばかりが俺には寄っていた。

お前にはもっと俺を見てほしい。お前の心にも触れたい、、、」

ローズに伸びていた手が彼女の言葉によって止まった。

「5年前、、、、社交界に初めて出た日。その舞踏会で私の婚約者を決めるのだと母は言った。沢山の求婚者にたくさんの贈り物。世間を知らない私は一人浮かれ舞い上がっていた。そして、その中には一輪の薔薇があった。誰が私に贈ったのかは誰も知らなかった。同封されていた手紙にはこう書かれていた。」

急に淡々と話し始めるローズ。

一息入れて再び口を開く。

[薔薇は美しいがその美しさは刹那。]

「その時から私の運命はこの薔薇と共にある。」

優しく吹く風はローズのかみをなびかせ、リアムの頬を優しく撫でる。

「私は呪いをかけられた。薔薇の花びらが全て散ると同時に私の命も終わる呪いを。」

今まで以上に真っ直ぐリアムを見つめるローズ。

「だからあなたは私を忘れなくてはならない。私に縛られてはいけない。」


ローズの言葉にリアムは膝をつく。


初めて愛した人は[死の呪い]をかけられていた。

薔薇の花びらは砂時計のように彼女の命の終わりが近づくことを知らせていく。

膝をつき俯くリアムの横をローズが通り過ぎる。


たったひとりで死ぬ恐怖をこの城で耐えてきた。
そんな彼女に寄り添えないのか、、、
人の命を奪うことしか出来ない自分が助けられるのか。


救えるのか。



この国の人間を全員殺せば、ローズにかかった呪いは解かれるのか。


そんなことしか頭に浮かばない自分に腹を立てる。


彼女が隠そうとする心の中には何があるのか。

こんなにも近くにいたのにわからない。

手を伸ばせば触れられたのに。

彼女の「私に縛られてはいけない」という言葉に何故か涙が溢れてくる。

初めて愛した人に拒絶をされた。

もう心はこんなにも彼女に囚われているのに。

どうしたら救える?

どうしたら、、、、





次回をお楽しみに!


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