冷血公爵は呪われし美女を溺愛する

ナナスケ

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契約結婚

第八話

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ローズの荷物がほとんどヴェルグラ邸に運び終わっていた。
しかしお気に入りの本も移し終え、ほぼ何も無いアグノエル邸にローズは週に一度必ず帰っていた。
当然リアムに疑問が生じるが、聞くことは出来ないでいる。
いくらローズに想いを寄せていても、踏み込むことは出来なかった。

ヴェルグラ邸に移り住むようになっても、変わらずローズは図書室で一日を過ごすことが多い。
なるべく陽の当たるよう設計はしたものの、気が気ではないリアム。
あまり食事も手を付けようとしない。
5年前の事件のせいであろうとリアムは考えた。
19歳にしては細すぎる体。十分に食事をしていないのだ。

リアムはローズの隣に座ると、ローズのスープを一口飲んだ。

「ほら、毒は入っていない。心配ならお前の前で作らせよう。」

リアムの言動にローズは少し驚いていると小さく首を横に振り、食事を続けた。

久々に多めに食事をしたせいか、食べ終わるとウトウトし始めるローズ。
それを静かに抱き上げるとローズの寝室に運ぶ。

「り、あむ、、」

寝ぼけながらリアムの手を握るローズ。

「あぁ、俺はここにいる。」

答えてやるとローズは安心したかのように眠りについた。

「悲しげに、儚げに遠くを見つめるお前の中に本当の姿があるような気がするんだ。」

優しく髪を払うと頬を撫でる。



翌朝、、、

いつの間にか寝てしまったのか、リアムはローズが寝ているはずのベッドに横たわっていた。
ゆっくり目を覚ますと、ベッドの傍らで紅茶を入れているローズの姿が。

「ローズ?」

「あ、おはようございます。」

リアムが起きたことに気がつくと、リアムにそっと触れながら「よく眠れましたか?」と聞く。

「私が食堂で寝てしまったので、ご迷惑をかけてしまいましたね。まだお休みになられてていいのですよ?」

ローズはベッドに腰掛けると優しく声をかける。

「いや、問題ない。起きるよ。」

起き上がるとローズは紅茶をリアムに手渡す。

「昨夜はリアムがそばにいてくれたので、よく眠れました。」

ローズから出た意外な言葉にリアムは耳を疑った。

「てっきり、嫌がるかと。」

「メイドの方が私のそばにいてくれたと言っていたので、、、」

リアムは紅茶を一口含むと優しいバラの香りが鼻を掠めた。

「ローズティーか」

「昔母がよく私にいれてくれていたものです。お口に合いましたか?」

リアムはフッと微笑むと「あぁ、」と答えた。

「今日も図書室か?」

「いえ、、、今日は。」

ローズが何かを言いかけると部屋のドアがノックされる。

「旦那様、奥様の結婚式のドレスが届きました。サイズの確認をお願いしたく。」

リアムはベッドから出るとローズの頭を撫でながら少し申し訳なさそうに

「すまない、今日はドレスの確認をしてくれ。今度街に行って新しい本が無いか見に行こう。」

「いえ、私事でございますからリアムが謝ることございません。」



部屋に通されるととても美しいウェディングドレスが置かれていた。
袖を通すと白い肌と美しい髪によく映える。
純白のドレスに真っ赤な唇は純粋無垢な花嫁そのものであった。

思わずリアムが見惚れているとローズは真剣な眼差しでリアムを見据える。

「リアム、、、」

「あぁ、美しいよ。とても。」

「明日、お時間を頂けないでしょうか。少しで構いません。」

あまりにも真剣な表情にリアムは何故だか不安を覚えた。

「あぁ、勿論」

ローズは悲しげに目をそらすとそっと瞼を閉じ、、、

「どうか、、、お考え直し下さい。そして、安易に契約を承諾してしまった私をお許し下さい」







次回をお楽しみに!











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