冷血公爵は呪われし美女を溺愛する

ナナスケ

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契約結婚

第七話

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「なぜ、私を選んでしまったのですか?」

ローズの言葉にぴくりと反応をする。

「俺と婚約したことを、後悔してるか?」

リアムは顔を上げ、ローズを見つめる。

「少し、」

悲しそうに笑うローズにリアムは優しくローズを離す。

「俺が嫌いか?」

「いえ?」

リアムは優しくローズの髪を弄る。

「ではなぜ、、、、」

ローズは目を伏せて涙をこぼす。

「私たちは契約したもの同士です。」

「それでもいい。だが契約しているうちは俺から離れないでくれ、契約通り2年後にお前を城に返そう。」

リアム はローズを優しく抱きしめると耳元でそっと囁いた。

「愛している。だが愛してくれとは頼まない。」

あまりにも切ない一言にローズはリアムを抱き返すことは出来なかった。



昨夜の出来事でローズは心に戸惑いが生まれていた。
いや正確には昨夜からではない。
リアムから婚約の申し出の手紙を受け取り、執事からの情報で彼が冷血公爵と呼ばれているリアム・ヴェルグラだということがわかった。
女性に興味がなく、人間嫌いで知られているリアム。
彼が契約結婚を望んでいるのだとわかった瞬間正直ローズは安心ていた。
お互いに干渉せずに過ごせるからだ。
しかし、世間の評判と実際の彼はあまりにも違った。
婚約手続きの書類をわざわざ自ら持ってきたり、庭を歩いたり。
冷血・・の中に優しさを感じてローズも少しずつ心を開いていく。
そして彼に連れられ歩いた町はまるで夢の世界だった。
本の中でしか知りえなかったことが目の前に広がり初めて世界が知れた気がした。



なぜ、気づかなかったのだろう。

手に入れれば手に入れるほど失うものも増えてしまう。

失う時の悲しみが増えてしまうということに。

なぜ私に恋をしてしまったのですか?

私はあなたに失った悲しみを抱えて欲しくない。



後日無事に婚約式を終え、ローズはヴェルグラ邸に身を寄せた。
リアムの計らいでローズの部屋の近くに図書室を増設した。
アグノエル邸で暮らしていた時と変わらず過ごせるように。

ローズは新しい本に目を輝かせ早速図書室に篭もり始める。

リアムが図書室を訪れると本を読みふけるローズに話しかける。

「気に入ったか?」

リアムに気付くと表情を明るくさせ彼の元に駆け寄る。

「はい、とても!ありがとうございますリアム様!」

「お前の物だ。好きな時に好きなように使え。」

リアムは目を細め、ローズの頭を撫でる。
ローズは慌てて距離をとりそっぽを向いた。
その顔が赤かったことにリアムは気付かない。

「お前が嫌がることはしたくない。触れられたくないというのなら触れない。」

ローズは咄嗟に「そうではなくてっ」
と振り返りリアムと目が合う。

「どうした?」

ローズが固まっているとリアムが心配そうに顔を覗き込んでくる。

「いえ、その、、、リアム様が」

「リアム」

「へ?」

「リアム様ではない、リアムだ。」

リアムの真剣な表情にローズは頷くしか無かった。

「仮にも俺の妻となるんだ。よそよそしいと怪しまれる。」

リアムの最もらしい理由にローズはなんの疑いもなく納得した。

「リアム、、、」

不慣れに呼ぶローズにリアムは目を細めた。


ローズの心の中にもなにかが芽生えていた。




次回をお楽しみに!




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