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新たな家族
第二十八話
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「始めろ」
アベルの合図で油が小屋中に撒かれる。
「旦那様、、、、旦那様?何を、、、何を!」
「そいつを牢に放り込んでおけ。」
ノエルは騎士に腕を捕まれ引きずられて行く。
「いやだ、、、嫌だ!!!!!!母様、母様!!!母様!!!!!!」
ノエルの悲痛な叫びは城中に木霊する。そんな叫びも虚しく、ただ騎士に引きずられる。
「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!!!母様ぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
何も聞こえない。
音が消えた。
僕は必死に何かを叫んでいるんだ。
とてもとても大事なことを。
でもそれっきり。
自分が何を叫んでいるのかも分からない。
聴こえない。
でも僕の声なんか聞こえないかのようにあの人たちは小屋に火をつけるんだ。
小屋の中には母様がいるのに。
きっと不安なんだろう、、、
そうだ、きっと不安に違いない。
体もあまり動かず、目も見えない。
母様はきっと、、、きっと不安に違いない。
そうだ!シエル!シエルを呼ぼう!
シエルなら助けてくれるかもしれない。
あぁ、しっかりしないと。
しっかりしないと行けないのに、、、、
目の前が歪むんだ。
目の前の景色が水の中のように歪むんだ。
母様、、、待っててね、必ず、、、必ず、、、、、
「お母様、、、そのナイフを置いてください。下手に扱えば怪我をします。お母様が心配なさることは一切ございません。」
ノエルは震える手でナイフを向けるレジーナに冷静に宥める。
「アヒン、、、私の可愛いアヒン。あなたは、、あなただけは私だけを見ると約束してちょうだい。」
「えぇ、わたしのお母様なのですから。ですからそんなものは置きなさい。」
静かにナイフを置くとシエルはレジーナをベッドに寝かせる。
「もう今日はお休みください。お疲れになったでしょう。」
そう言ってレジーナの瞳にそっと手をかざし眠らせる。
「私も今日は疲れた。」
ベッドから離れると部屋の外がやけに騒がしかった。
「何事だ!」
部屋を出て周りを見渡すとアベル城の騎士たちが慌ただしく動いている。
「アヒン様!お部屋にお戻りください、メイドとその子供が、、、」
「、、、ノエルたちが?」
シエルはノエルが地下牢に入れられたことを騎士から聞くとすぐさま駆けつけた。
「ノエル!どこだ!!」
「シエル!」
鉄格子から必死に伸ばされる手をシエルは掴む。
「何故お前が牢に入れられている!」
「シエル、、、シエル!母様が、、、母様が!!」
「落ち着け!母上がどうした!」
「毒を所持した疑いで小屋に火を、、まだ小屋には母様が!」
「、、、母上の小屋に、、」
聞くや否やすぐに走り出し、小屋へと駆けつけるシエル。
そこにはもう人はいなく、小屋だけが勢いよく燃えていた。
「母上!!」
シエルは近くの井戸から水を引き上げ自分にかけると小屋の中に突っ込んで行った。
燃え盛る小屋の中は既に崩壊が始まっていた。
母がいつも寝るベッドへ向かうとそこには胸を件で突き立てられたフロースの姿があった。
「母上!!!!」
「ゴホッゴホッ シエル?、、」
「母上、大丈夫!すぐに手当をすれば!まずここから出ましょう!」
しかしフロースは力なく首を横に振る。
「ダメよ、、、シエル。伯爵が私をこうしたのも口封じのため。それに、、、もう。」
「ダメだ!そんなの絶対ダメだ!まだ、、、まだ母上に話したいことや行きたいところがあるんだ、、、母上と、、世界を見たいんだ、、、、、」
フロースは一筋の涙を流しながらニッコリと笑う。
「人目だけでも、あなたが大きくなった姿を見れて私は幸せものだわ?さぁ、もう危ないからお行きなさい。」
「はは、、、うえ。」
「生きてちょうだい、、、いつか、いつかあなた達を理解して愛してくれる人が現れるはず。私はいつまでも天からあなた達を見守っているわ?だから、ね?シエル、、、」
フロースはシエルの頬を優しく撫で、シエルはその手を包む。
「母上、、、最後にちゃんと母上を見ないといけないのに、、、、涙でちゃんと見れないんだ。」
「私には見えるわ、あなたの可愛い顔が。シエル、、、愛してるわ。最後に私の元に来てれて本当にありがとう。あなたの母親に慣れたことが何よりの幸せよ、、、ノエルと共に強く生きて。」
「愛してるよ母上。」
小屋の崩壊が進み、フロースはシエルを突き放す。
シエルは腕で涙を拭きながら出口に向かって走り出す。
そんな彼女の背中を見えない瞳で見つめながらフロースは静かに目を閉じた。
「強く生きて、、、、いつか、この世界は素晴らしいのだと気付く日がきっとあるから。」
小屋は豪火と共に焼け崩れていく、、、、
「やっと会えたと思えたんだ、、、やっとあなたの娘として会いにゆけると思ったんだ。」
シエルは今だ尚流れ続ける涙で地面を濡らしながら燃え崩れる小屋を眺めていた。
次回につづく!
次回はやっとローズ登場です!
アベルの合図で油が小屋中に撒かれる。
「旦那様、、、、旦那様?何を、、、何を!」
「そいつを牢に放り込んでおけ。」
ノエルは騎士に腕を捕まれ引きずられて行く。
「いやだ、、、嫌だ!!!!!!母様、母様!!!母様!!!!!!」
ノエルの悲痛な叫びは城中に木霊する。そんな叫びも虚しく、ただ騎士に引きずられる。
「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!!!母様ぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
何も聞こえない。
音が消えた。
僕は必死に何かを叫んでいるんだ。
とてもとても大事なことを。
でもそれっきり。
自分が何を叫んでいるのかも分からない。
聴こえない。
でも僕の声なんか聞こえないかのようにあの人たちは小屋に火をつけるんだ。
小屋の中には母様がいるのに。
きっと不安なんだろう、、、
そうだ、きっと不安に違いない。
体もあまり動かず、目も見えない。
母様はきっと、、、きっと不安に違いない。
そうだ!シエル!シエルを呼ぼう!
シエルなら助けてくれるかもしれない。
あぁ、しっかりしないと。
しっかりしないと行けないのに、、、、
目の前が歪むんだ。
目の前の景色が水の中のように歪むんだ。
母様、、、待っててね、必ず、、、必ず、、、、、
「お母様、、、そのナイフを置いてください。下手に扱えば怪我をします。お母様が心配なさることは一切ございません。」
ノエルは震える手でナイフを向けるレジーナに冷静に宥める。
「アヒン、、、私の可愛いアヒン。あなたは、、あなただけは私だけを見ると約束してちょうだい。」
「えぇ、わたしのお母様なのですから。ですからそんなものは置きなさい。」
静かにナイフを置くとシエルはレジーナをベッドに寝かせる。
「もう今日はお休みください。お疲れになったでしょう。」
そう言ってレジーナの瞳にそっと手をかざし眠らせる。
「私も今日は疲れた。」
ベッドから離れると部屋の外がやけに騒がしかった。
「何事だ!」
部屋を出て周りを見渡すとアベル城の騎士たちが慌ただしく動いている。
「アヒン様!お部屋にお戻りください、メイドとその子供が、、、」
「、、、ノエルたちが?」
シエルはノエルが地下牢に入れられたことを騎士から聞くとすぐさま駆けつけた。
「ノエル!どこだ!!」
「シエル!」
鉄格子から必死に伸ばされる手をシエルは掴む。
「何故お前が牢に入れられている!」
「シエル、、、シエル!母様が、、、母様が!!」
「落ち着け!母上がどうした!」
「毒を所持した疑いで小屋に火を、、まだ小屋には母様が!」
「、、、母上の小屋に、、」
聞くや否やすぐに走り出し、小屋へと駆けつけるシエル。
そこにはもう人はいなく、小屋だけが勢いよく燃えていた。
「母上!!」
シエルは近くの井戸から水を引き上げ自分にかけると小屋の中に突っ込んで行った。
燃え盛る小屋の中は既に崩壊が始まっていた。
母がいつも寝るベッドへ向かうとそこには胸を件で突き立てられたフロースの姿があった。
「母上!!!!」
「ゴホッゴホッ シエル?、、」
「母上、大丈夫!すぐに手当をすれば!まずここから出ましょう!」
しかしフロースは力なく首を横に振る。
「ダメよ、、、シエル。伯爵が私をこうしたのも口封じのため。それに、、、もう。」
「ダメだ!そんなの絶対ダメだ!まだ、、、まだ母上に話したいことや行きたいところがあるんだ、、、母上と、、世界を見たいんだ、、、、、」
フロースは一筋の涙を流しながらニッコリと笑う。
「人目だけでも、あなたが大きくなった姿を見れて私は幸せものだわ?さぁ、もう危ないからお行きなさい。」
「はは、、、うえ。」
「生きてちょうだい、、、いつか、いつかあなた達を理解して愛してくれる人が現れるはず。私はいつまでも天からあなた達を見守っているわ?だから、ね?シエル、、、」
フロースはシエルの頬を優しく撫で、シエルはその手を包む。
「母上、、、最後にちゃんと母上を見ないといけないのに、、、、涙でちゃんと見れないんだ。」
「私には見えるわ、あなたの可愛い顔が。シエル、、、愛してるわ。最後に私の元に来てれて本当にありがとう。あなたの母親に慣れたことが何よりの幸せよ、、、ノエルと共に強く生きて。」
「愛してるよ母上。」
小屋の崩壊が進み、フロースはシエルを突き放す。
シエルは腕で涙を拭きながら出口に向かって走り出す。
そんな彼女の背中を見えない瞳で見つめながらフロースは静かに目を閉じた。
「強く生きて、、、、いつか、この世界は素晴らしいのだと気付く日がきっとあるから。」
小屋は豪火と共に焼け崩れていく、、、、
「やっと会えたと思えたんだ、、、やっとあなたの娘として会いにゆけると思ったんだ。」
シエルは今だ尚流れ続ける涙で地面を濡らしながら燃え崩れる小屋を眺めていた。
次回につづく!
次回はやっとローズ登場です!
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