冷血公爵は呪われし美女を溺愛する

ナナスケ

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造られた想い

第六十三話

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アグノエル城で例の部屋が見つかってから数日後。
ローズから笑顔が再び消えた。
ローズの母が娘に黒魔術を使っていたという事実はあまりにも重く、そして危険であった。
ノエルの働きによってこのことは部屋ごと消され無かったことにされたがリアムは情報が漏れないよう警戒を強めていた。
社交界では公爵夫人が再び病に伏せったのではという噂が広まりつつあった。
リアムにとって付け入られる隙でもあり、病ではないにしろ心を閉ざして伏せてしまっていることは事実であったため頭が痛い思いをしていた。

執務室で仕事をしていると部屋のドアがノックされる。

弱々しいノックの音、誰と聞かずともリアムには分かりきっていた。

「入れ」

不安げなローズがひょこっと顔を出す。

「どうした、珍しいなお前がここに来るなんて。」

立ち上がろうとしたリアムをやんわり制するローズはゆっくり近づき申し訳なさそうに顔を歪める。

「いつもお忙しいのに、さらにご迷惑を、、、、」

「なにを、、、、」

「お時間を頂けたので今はもう、大丈夫です。」

「大丈夫という顔ではないな。」

ゆっくりと立ち上がり優しく抱きしめるとローズが小さく震えていることに気がついた。

「怖いか?」

「、、、、、」

「俺も怖かった。母に、、見捨てられることが。いや、今でもとても怖い。母は本当は俺の事をどう思っていたのか。だが、今はお前がいる。もう、母にどう思われていたのかなんて、、愛されていたのかなんて、、、俺にはもういいんだ。お前に愛されるだけで。」

ゆっくりと離しローズを見つめるとその瞳は悲しい色に包まれていた。

「私も、、、、あなたに愛されたい、、心から、、、、でも、、あなたは、、、あなたの心は、、、、」

目に涙をいっぱい貯めて言葉を絞り出すかのように告げる。

「あなたは、、、、私を愛していない、、」

「な、、、にを、、」

ローズの言葉はリアムに衝撃を与えていた。
「あなたは私を愛していない」
(なぜこの気持ちが嘘だと言えようか。)

「ローズ、確かにお前の母君は黒魔術を使ったかもしれぬ。だがそれはお前を守るためとは考えられぬか?俺もお前を救えるなら何でもする。愛しているからだ、ローズ。」

ローズは部屋を去ろうとするところを腕をリアムに掴まれていた。

「頼む、、、俺の気持ちを嘘偽りにしないでくれ。」

ローズはゆっくりと手を離し部屋を後にする。
空を掴む手には虚しさと切なさだけが残っていた。

「、、、、、何を知ってしまったんだ。ローズ。」







『ふーん、先にあの子・・・が知っちゃったんだぁ。これでこの先どうなるか決まったかもね。』







次回に続く!





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