おっさん、本でチートスキルを得る

盾乃あに

文字の大きさ
9 / 27
大地震

最初の街

しおりを挟む

 ペットボトルの水を飲みながら街を見て回る。
 やはり肉は貴重らしく、とにかく肉と交換のところが多い。
 歩いているとギルドなるところがあった。
 入ってみると皆こちらをみるが喋りかけてこない。
「ここはどんなとこ?」
「はい、ここはギルドと言って冒険者になる人を探しています」
 冒険者?
「へぇ、ここだけのやつ?」
「いいえ。国が連携してカードを発行してるのでどこでも使えますよ」
「なら登録するよ」
 空のペットボトルを置いて書こうとすると、
“グシャッ”とペットボトルを潰された。
「なーにすんのかな?」
 と後ろを振り向くと男がこちらを睨む。
「お前こそ変なもん連れてなに冒険者になろうとしてんだ?」
“シュン”と大剣の切先がその男の鼻の穴に入る。
「あが、が、」
「誰の悪口いってんだ?やるのか?」
「や、やめてください」
「……」
 必死なお姉さんの顔と男の怯えた顔を見比べて大剣を収納する。
「す。すいませんでした」
「ケッ!わかればいいよ」
 と書き物をする。
「これで良いか」
「はい、ありがとうございます」
 と言ってカードが出てくると、
「こちらが冒険者証になってます。FからSSまでランク付けされてますので、最初はFからですね」
「ふーん、どんなことすればランクは上がるの?」
「貢献度でランクは上がります。皮や肉を持ってきてもらうと貢献度が上がりますね」
 ふーん、タダで渡す代わりに貢献度があがるのか。
「ならこれを出すよ」
「こ、これは革?加工してありますね」
「まぁねー」
「そ、それでは、ランクをDに上げさせていただきます」
「え?そんだけなの?」
「最高2ランクまでしか上げられない規則で」
 ならやり損にならないようにしないとな。
「そっか、なら良いや」
 とDランクになった俺は外に出る。

「なんだか、街なのに活気がないね」
『まぁ、それだけ貧困なんですよ』
「孤児院はあるのか?」
『……ここから北に』
 と言うので北に行ってみると、もう崩れ落ちそうな建物の中に子供達が座っている。
「『土魔法』」
 で建物を補強して立て直す。
「ここの保育士?はいる?」
 と言うと男の保育士が出てくる。
「はい、なんでしょうか?」
「ほい、これみんなで食べてくれ」
 とオーク肉と水を渡す。
「あ、ありがとうございます!」
「しっかりな!」
「は、はい」
『マスターの行動が予測できません』
「うるせー」
 といって歩き出す。

 小さな部落と言った方がいいか、この街に冒険者がいないなら少しだけ冒険者しようかな?

『何を考えてるんですか?』
 といきなり聞かれるのでビックリして、
「うぉ、べべべつに」
『そうですか』
「なぁ。宿がねえからさっきのとこで寝かせてもらうか」
『本当にマスターが何をしたいのか分かりません』
「うっせ」
 と言って孤児院に向かう。
 中に入るとオーク肉を焼いてるいい匂いがしている。
「あ、さっきの」
「おう、宿がないからここで寝かせてもらえるか?」
「はい!狭いですが」
 子供達も並んで肉を食べているので俺も『サバイバル飯』でオーク肉を焼く。
「おい、こっちにもあるからな?」
 と言って腹一杯食べさせる。
 そういえば、
「おい、このポーチをやるよ」
「え?なんですか?」
「まぁ見てな、ほらほら」
 とオーク肉を入れて行く。
 固まっている保育士。
「マジックポーチだ、これに入れておけば取られずに済むだろう?」
「はい!ありがとうございます」
 と涙を流しているので、見ないで俺も腹一杯で寝ている子供達と一緒に寝る。

 次の日から近くのダンジョンを潰して周り一応オークの出るところは潰さないでおく。
 8箇所回って4箇所潰した。
 その間は孤児院に入り浸り腹一杯飯を食わせてやると元気になって行く子供達。
「あはは」
『フフッ』
 とシックスも笑っている。
 やはり子供が元気なのはいいな。

 そして別れの時は来る。
「おじちゃーん」
「うえーん」
「また来るからそん時はデカくなっとけよ?」
「……うん」
「おし、いい子だ!」
 と抱き上げると涙が顔にかかる。

「おじちゃーん」
「またねー」
 と遠ざかっていく。

『あれくらいの歳の子がいてもおかしくないかと』
「うるせぇよ!太っててモテなかったんだ!」
『フフッ』
「笑うな!」


 街を出て向かうは北西、俺が避難してたところにも街ができてるらしい。
「へぇ、ここはデカいな」
「高台ですからね」
 そうだったな、避難したのはその為だしな。
 とやはりここでも門兵のような周りを見ている人間がいるんだな。
「冒険者証はあるか?」
「これでいいか?」
「そっちのは?」
 とシックスを指差して言うので、
「これは俺のユニークだ」
 と言うと変な顔して通される。
「んじゃ先ずはギルドからかな?」
『そうですね』
 入ると目がこっちを向いているが俺は知らんぷりで、
「お姉さん、これで貢献度あがる?」
 と革に錬金したものを出すと、
「はい、上がりますね!革ですね!」
 カードを渡してBランクに上がる。
「はい、ありがとうございました」
 と、俺が出る時に入ってきた冒険者が、肩を掴む。
「おい、1ヶ月半もどこに行ってたんだ!」
「お、社長じゃないですか、凛々しくなりましたね!」
 そこには傷だらけの飯盛社長の姿があった。
「そんなことはどうでもいい」
「……俺を疑ったのはあんただろ?」
「あの時はすまなかった」
「いいですよ!んじゃ」
 と俺は肩を振り払って外に出て行く。
「くっ!」
 俺はあれからダンジョン攻略してんだよ!誰にも文句を言われる筋合いはない!
『お知り合いですか?』
「まーな」
 と街を歩いて回る。

 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

二十年仕えた王女が私を敵に売った。それでも守ることにした

セッシー
ファンタジー
二十年間、王女殿下の護衛騎士として仕えた。その殿下が、私を敵に売った。 牢の中で事実を知り、一分考えて——逃げることにした。殿下の目的を、まだ果たしていないから。 裏切りの真相を確かめるため、一人王都へ戻る護衛騎士の話。

あっ、追放されちゃった…。

satomi
恋愛
ガイダール侯爵家の長女であるパールは精霊の話を聞くことができる。がそのことは誰にも話してはいない。亡き母との約束。 母が亡くなって喪も明けないうちに義母を父は連れてきた。義妹付きで。義妹はパールのものをなんでも欲しがった。事前に精霊の話を聞いていたパールは対処なりをできていたけれど、これは…。 ついにウラルはパールの婚約者である王太子を横取りした。 そのことについては王太子は特に魅力のある人ではないし、なんにも感じなかったのですが、王宮内でも噂になり、家の恥だと、家まで追い出されてしまったのです。 精霊さんのアドバイスによりブルハング帝国へと行ったパールですが…。

合成師

盾乃あに
ファンタジー
里見瑠夏32歳は仕事をクビになって、やけ酒を飲んでいた。ビールが切れるとコンビニに買いに行く、帰り道でゴブリンを倒して覚醒に気付くとギルドで登録し、夢の探索者になる。自分の合成師というレアジョブは生産職だろうと初心者ダンジョンに向かう。 そのうち合成師の本領発揮し、うまいこと立ち回ったり、パーティーメンバーなどとともに成長していく物語だ。

いらない子のようなので、出ていきます。さようなら♪

ねこまんまときみどりのことり
ファンタジー
 魔力がないと決めつけられ、乳母アズメロウと共に彼女の嫁ぎ先に捨てられたラミュレン。だが乳母の夫は、想像以上の嫌な奴だった。  乳母の息子であるリュミアンもまた、実母のことを知らず、父とその愛人のいる冷たい家庭で生きていた。  そんなに邪魔なら、お望み通りに消えましょう。   (小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています)  

死に物狂いで支えた公爵家から捨てられたので、回帰後は全財産を盗んで消えてあげます 〜今さら「戻れ」と言われても、私は隣国の皇太子妃ですので〜

しょくぱん
恋愛
「お前のような無能、我が公爵家の恥だ!」 公爵家の長女エルゼは、放蕩者の父や無能な弟に代わり、寝る間も惜しんで領地経営と外交を支えてきた。しかし家族は彼女の功績を奪った挙句、政治犯の濡れ衣を着せて彼女を処刑した。 死の間際、エルゼは誓う。 「もし次があるのなら――二度と、あいつらのために働かない」 目覚めると、そこは処刑の二年前。 再び「仕事」を押し付けようとする厚顔無恥な家族に対し、エルゼは優雅に微笑んだ。 「ええ、承知いたしました。ただし、これからは**『代金』**をいただきますわ」 隠し金庫の鍵、領地の権利書、優秀な人材、そして莫大な隠し資産――。 エルゼは公爵家のすべてを自分名義に書き換え、着々と「もぬけの殻」にしていく。 そんな彼女の前に、隣国の冷徹な皇太子シオンが現れ、驚くべき提案を持ちかけてきて……? 「君のような恐ろしい女性を、独り占めしたくなった」 資産を奪い尽くして亡命した令嬢と、彼女を溺愛する皇太子。 一方、すべてを失った公爵家が泣きついてくるが、もう遅い。 あなたの家の金庫も、土地も、働く人間も――すべて私のものですから。

おばさん冒険者、職場復帰する

神田柊子
ファンタジー
アリス(43)は『完全防御の魔女』と呼ばれたA級冒険者。 子育て(子どもの修行)のために母子ふたりで旅をしていたけれど、子どもが父親の元で暮らすことになった。 ひとりになったアリスは、拠点にしていた街に五年ぶりに帰ってくる。 さっそくギルドに顔を出すと昔馴染みのギルドマスターから、ギルド職員のリーナを弟子にしてほしいと頼まれる……。 生活力は低め、戦闘力は高めなアリスおばさんの冒険譚。 ----- 剣と魔法の西洋風異世界。転移・転生なし。三人称。 一話ごとで一区切りの、連作短編。 リーナ視点が主です。 ----- また続けるかもしれませんが、一旦完結です。 ※小説家になろう様にも掲載中。

姉に代わって立派に息子を育てます! 前日譚

mio
恋愛
ウェルカ・ティー・バーセリクは侯爵家の二女であるが、母亡き後に侯爵家に嫁いできた義母、転がり込んできた義妹に姉と共に邪魔者扱いされていた。 王家へと嫁ぐ姉について王都に移住したウェルカは侯爵家から離れて、実母の実家へと身を寄せることになった。姉が嫁ぐ中、学園に通いながらウェルカは自分の才能を伸ばしていく。 数年後、多少の問題を抱えつつ姉は懐妊。しかし、出産と同時にその命は尽きてしまう。そして残された息子をウェルカは姉に代わって育てる決意をした。そのためにはなんとしても王宮での地位を確立しなければ! 自分でも考えていたよりだいぶ話数が伸びてしまったため、こちらを姉が子を産むまでの前日譚として本編は別に作っていきたいと思います。申し訳ございません。

過労死して転生したので絶対に働かないと決めたのに、何をしても才能がバレる件

やんやんつけバー
ファンタジー
過労死して異世界転生。今度こそ絶対に働かないと決めたのに、何をやっても才能がバレてしまう——。農村で静かに暮らすはずが、魔力、農業、医療……気づけば誰も放っておかない。チートで穏やか系の異世界スローライフ。

処理中です...