おっさん、本でチートスキルを得る

盾乃あに

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大地震

夢の中

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「3、2、1、」
“ドォンッ”
「門は閉じたままです!」
 ここは富士ダンジョンの入り口。
「くそ、このままでは、ダンジョン攻略ができないじゃ無いか」
 爆薬を使って壊そうとしても頑なにその扉は開かない。
「もう一度扉の調査をしろ!」
「はい」

 その頃、30階層、
「おらぁ!」
“ガインッ”
 シールドナイトに苦戦するオト、
「どけ、俺がやる」
「ガイ?」
「『シールドブレイク』」
“ドォンッ”
 一撃でシールドナイトは倒されてしまった。
「なんや。相性が悪かったんか」
「みたいだな」
 ドロップにシールドと魔石。
 宝箱は罠無しで金貨5枚。
「お、金貨やないか!これ使える?」
「ん?使えると思うぞ」
 と異世界ショップに入れると5万リラになった。
「ほな新しい武器を」
「俺が倒した、俺のだな」
「えー、ええや無いか!」
「だめだ!」
 とガイが大剣を選ぶ。
「余ってへんの?」
「5万リラだったからな!」
 と新しい大剣を光らせる。
「クゥー!クソッ」
 と言って先に進む。
 やはり2人は特殊な職業だけあって倒し方に癖があるな。
 倒して行くが2人とも剣技で倒す。
 オトは魔法も上手く使えばもっと楽できるのにな。
「オト、魔法は使わないのか?」
「んー、性分ですかね?やっぱり斬るほうが合ってます」
「そっか、でも魔法も使いこなせよ?」
「やってみますね」
 のと言ってガイと2人でモンスターを倒している。
 俺たちはただ見て、ドロップを拾って行く。
 それにしてもタフだなぁ。
 楽しそうにモンスターを倒している。
 33階層、休憩を挟む。
「『クリーン』」
「おおきに!」
「ありがとう」
 と汗だくの2人に『クリーン』をかける。
「それにしても会わないな」
 自衛隊はまだ奥にいったのか?
『まだ扉が開かない様ですね』
「え!じゃあまだ富士ダンジョンに入って来てないの?」
『その様です』
「なーんだ、どうやって言い訳しようか考えてたのに」
 シックスが一番頼りになるな。

「あ、コーラ」
「はいはい」
「ワイは炭酸水で!」
「俺はポカリ」
 とみんなに配る。
「プハー、運動後はこれに限る!」
「私達もそろそろ」
 とサヤカが言うが、
「だー、まだ2人でええ」
「そうだな、まだレベルが低いからな」
「えー、運動不足になっちゃう」
「脳筋」
「ダイヤ!うるさい!」
 と和気藹々とダンジョンで休憩をする。
「40階層まで行って一度戻ろう」
「はいよ!」
「はい!」
 先に進んでいくと36階層で壁に埋もれた宝箱を発見。
「ワイが見つけたんやからな!」
「はいはい、罠があるな」
 『トラップに気をつけなはれや!』と言う本を『発現』して罠を解除する。
「いいぞ」
「よっしゃ!さーて何かなぁ!」
 手をすりすりしながら開けると、
 何かの革だな。
「なーんや」
「ん?いらんのか?竜の革だぞ?売れば高い」
「おっしゃー!やったな!逆転満塁ホームランや」
 と異世界ショップで売ると100万リラだった。
「えへへ、ワイはこれを狙っとったんや」
 と買ったのは飛龍のブーツ、飛龍の革鎧、ミスリル合金の剣、マジックバッグだ。
「うりうり、かっこええやろ!」
「く、俺だって見つけるさ」
 本当にオトとガイは仲がいいな。

 その後は結局宝箱は見つからず40階層に入るとボスはゴーレム。
「『ガードブレイク』」
「おらぁ!」
「決めるぞ!『チャージ』フルパワー『ストライク』」
 と連続で大剣を振り回したガイが決めた。
 ドロップはゴーレムの核に魔石。
 宝箱には金の大剣がはいっていた。
「くっ!売ったらいくらに?」
「60万リラだね」
「そ、それでもいいな!」
 異世界ショップでお買い物をするガイは悩みに悩んで紫龍の革鎧を買った。
「俺は紫龍シリーズを集めるぞ!」
「な、なんやてー!やめとけ!高いっちゅーねん」
「お前は関係ないだろ」
「いやいや角竜ので十分やろ!それ返しぃ!」
「いやだ!俺は紫龍シリーズで揃えるんだ!」
「ぐ、くそー!」
 自分よりいいもので揃えると言うガイが気に食わないのだろうが、飛龍シリーズもいいと思うがな?
 
「さ、それより帰るぞ」
「うす」
「はぁい」
「よし、『テレポート』」


 ギルド内に転移した俺たち、ガイとオトは仕事に戻り、三人娘はご飯を食べに行く、俺は隣接した食堂でビールを頼むと、ルリも一緒になってビールを頼む。
「ねぇ、こんなんでいいの?」
「何がだ?」
「あと4年しか無いのよ?」
「仕方ないだろ?富士のダンジョンを攻略して行くのはやってるんだ」
「人間なんてモンスターに取ったら弱い存在」
「分かってる」
「ならどうにかしなさいよ!」
 俺に何を期待してるんだ?
「あのな、俺は」
「チート持ちでしょ!普通と違う!」
 そうだ、俺はチート持ち、何か無いか?
「わかった、明日を楽しみにしとけ!」


 四年後、
 ダンジョンから出て来たモンスターによる蹂躙、喰われる人間達、逃げても追ってくる。
 隠れても見つけられる。
 全てが無くなるのを見ているだけの自分。
 力が欲しい、抗う力が、モンスターを倒せる力が、
「……欲しい!」

 日本中の人間が同じ夢を見た。
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