おっさん、本でチートスキルを得る

盾乃あに

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大地震

富士の門

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「凄いよく切れる」
「こっちも凄いよ、さすが神弓」
「『サンダーバースト』、いい感じ」
 と三人娘は80階層を余裕で突破して90階層の牛の化け物グランタウルスも倒した。
 ドロップは皮と肉と魔石、宝箱からは金貨と宝石が出て来た。

「きゃー!凄い凄い!」
「大粒ダイヤの指輪だぁ、何カラット?」
「こっちもすご」
「異世界ショップに入れたらいくら?」
 と聞いてくるので入れてみると、
「んー、530万リラだな」
「「「おぉー!」」」
 三人は何を買うんだ?
「もうちょっと貯めときます」
 相当欲しいものがあるみたいだな。

 もう19時を回ったな。
「今日はここら辺で帰ろう」
「はい」
「『テレポート』」
 と帰ったら丸山執行人が来ていた。
「おぉ、ようやく帰って来たな」
「丸山?何の様だ?」
 執行人の丸山が下の階にいる。
「国からの要請で富士ダンジョンの扉を開ける者を探しとる」
 とそう切り出す丸山。
「いや、探してるって俺?」
「そう言うことだな」
「はぁ。報酬は?」
「一億円」
 それならやってもいいかもな。
「やる」
「よし、今から行くぞ」
「は?いまから?」
 と俺だけ車に乗せられ富士ダンジョンの入り口へ、
 『テレポート』で行くのが早いのだがそれをすると面倒だからな。
 大人しく車に揺られ飯を食いビールを飲む。
 飲みながら読んでるのは『言語理解で妖精とまったりライフ』と言う本を『発現』、これで英語も理解できるだろ。

「ふぅー、東京から山梨側の富士のダンジョン入り口まで何時間?」
「道が悪いから2時間半ってどこだな」
「あっそ」
 とゆっくりしているとついた様だな。
 ライトに照らされて均された大きな広場に兵士が並んでいた。
 車から降りると米兵と日本の自衛隊がいる。
「こっちだ」
「へえ。デカい門だなぁ」
 門にもライトが当たっているので大きさが良くわかる。
「本当にこいつに開けられるのか?」
「聞こえてんぞ?俺も開けられるか知らない」
 こんな門初めてみるからな。

「な、なぜこんな奴を連れて来た」
「あんたらが不甲斐ないからだろ?」
「クッ!言わせておけば!」
「やめろ!」
 おっと、お偉いさんがきたのか?
「「「ハッ!」」」
「悪いなうちの連中が」
「いや、構わない、慣れてるんでね」
「で開くのか?」
「多分魔力で開く様な感じだな」
 俺は魔力を流し込んでいく。
 光が模様に沿って広がって行くと、“カチリ”と鳴って開いた様だな。
「開いたみたいだ」
「ほぉ、素晴らしい!うちの隊に来ないか?」
 と誘われるが、
「俺はパーティーリーダーだから無理だね」
「そうか、まぁいつでも来い」
 と握手を求められるが、
「はいはい」
 と手をヒラヒラさせて車に戻る。
「よし!一軍準備!扉を開け!」
 “ゴゴゴゴゴ”と扉がゆっくりと開く。
「やっとスタートラインだ。しっかりやってこい!」
「「「イエッサー」」」

 車に戻ると丸山が運転席にいて、
「流石ですね。お代はそこに」
「サンキュー」
 収納に入れる。
「それにしてもあんな簡単に開くんですね」
「いや……魔力を相当持ってかれた。まだ手が震えてるな」
「それほどですか」
「あぁ、少し休むよ」
 と寝ることにする。
 流石にあの門に魔力を注入していくのはスポンジに水を含ませるようだったからな。
 本当に開くかやばかった。
 でも開いて良かったな。

 これで自衛隊によるダンジョン攻略も進んでいくことだろうな。

ーーー
「魔法隊!」
「はい、『ファイヤーボール』!」
「よし、怯んだぞ!剣士隊」
「おらぁ!」
『グゥオオオオォォォォ』
 ここは富士ダンジョン10階層、自衛隊が先に進むがなぜか敵は強く、厳しい状況だ。
「く、くそ!戻れ!」
「扉開きません!」
「なに!くそ、こんな強いなんて聞いてないぞ!」
 レイド……複数パーティーで挑む大型モンスターの討伐
 そう、少数で突破してこそボスはそれなりの強さだが、大勢で突入すると大型ボスレイドになってしまうのだ。
「ウワァァァァァァァ!」
ーーー

「ん?眠ってたか、ここどこだ?」
「まだ富士ダンジョンですよ」
 と周りを見ると明るくなっているがあの場所から動いていない。
「ん?なぜ?」
「商売できるんじゃないですか?」
 と丸山からの提案。
「お!いいねぇ!」
 と降りて行く。
「何の様だ!」
「ちょっと商売させてもらおうと思ってさ」
「ほう、車があったから気になっていたが、何を売ってくれるんだい?」
「ハ!」
 お偉いさんがくると、門兵はすぐ横に退く。 

 中に入った俺は風呂敷を広げると武器、防具や飲み物などもおいて行く。
「よっしゃ!本願寺商店へようこそ!何でもあるよ!」
 と広げてみせる。
「ほう、凄いもんだな!時に聞きたいのだが、部隊が帰ってこないのはなぜだと思う?」
 それを俺に聞くか?
「んー、ダンジョンだから大人数で行くとレイドになるんじゃないかな?ボス部屋が大型モンスターになったりして」
 多分それくらいじゃないかな?昨日行ったんだから行っても10階層くらいだろ。

「そうか、わかった、この武器を全部買おう!」
『おいおい、うちにも回してくれよ?』
 と金髪の軍人がはいってくる。
「や、米軍の」
『なかなかいい武具が揃ってるね!ドル紙幣でもいいかい?』
「OK!OK!大丈夫だよ!」
 と武器を出すと、
『な、収納か?それに凄い数の武器だな!』
 これくらいなら直ぐに作れる様になったからな、収納の中で今絶賛製造中だ。

「ではこちらはうちが」
『OK、こっちは俺が買う』
 うはー、金がはいってくるなぁ!
 ビールもついでに買って行く米軍の、
『俺はサンダース大佐だ、よろしくな!』
「そういえば言ってなかったね、私は陸軍大佐の磯部九十九イソベツクモだ。」
「私は本願寺時人です。よろしくお願いします」
 へぇ、2人とも偉いのに偉ぶってないな、いい関係になりそうだ。

「ポーションはあるか?」
「はい、ありますよ」
 と出すと、
「よし買おう!」
『俺も買う!ポーションはいくらあってもいいからな!』
 とやはりそこまで仲がいいわけじゃない様だな。
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