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聖教国
しおりを挟む一方、聖教国側
「勇者様方が居られません!」
「なんだと!探せ!」
勇者がいなくなったと大騒ぎになっていた。
「なんだよ?気持ちよく寝てたのに」
勇者の大谷裕司はガウンを着て部屋の外に出ていた。
「なんで格好なのよ!まぁいいわ!それより三井さん達がいなくなったのよ!」
「あ?あの役立たずが?いなくなったんじゃなくて逃げ出したんじゃねぇのか?」
逃げ出した十二名はとっくに日本に帰っている。
「残ったのは十五名。勇者や賢者は無事です。聖女が落ち込んで精神的に不安定ですが、なんとか持ち堪えるように支持しています」
大司教の前で報告をする聖教騎士。
「うむ。勇者さえ無事ならなんとかなるであろう」
「ご報告します!儀式の間の魔法陣がなくなっております!」
「何!魔法陣が……宝物庫のほうを確認しろ!」
宝物庫のほうもコタローによってなくなっている。
「誰がこんなことを!勇者召喚が出来なくなってしまったではないか!」
「勇者様達は探させるとして、これからどうなさるおつもりで?」
「残った勇者は訓練を一年延期、確実に赤の魔女を討伐できるまで鍛え上げろ!」
「はっ!」
本当なら三ヶ月後には赤の魔女討伐へと差し向けるはずだった勇者供を一年延期させ、赤の魔女に対抗できるまでに育てる。ほかの勇者が見つからなければもっと長く勇者を訓練させなければならない。そのためには金が掛かる。
聖教国とは名ばかりの金の亡者の集まりだった。
「なぁ、俺が守ってやるって!な?いいだろ?」
「穢らわしい!触らないでください!」
「んだよ!俺は勇者だぞ!」
「勇者なら何してもいいんですか!私は貴方の言う通りにはなりません!」
勇者の大谷と聖女の三原、派閥ができるのは時間の問題だった。
「三原さん大丈夫?」
賢者の神崎が声をかける。
「私達は私達で訓練をしましょう!そして必ず日本に帰るのです!」
「はい!絶対に帰って見せましょう!」
三原組は七人、日本に帰ることを望んで戦うことを選んだ。
「あいついい体してんだからちょっとくらいいいと思わねぇか?」
「くひひ、先っちょだけでもってやつっすよね」
「ばーか、あたいの方が美人にきまってるし!大谷もそう思うだろ?」
「あぁ。ララのほうが百倍可愛いよ」
勇者組、大谷の周りには戦士の川田や弓士のララなどがあつまって八名。この国で過ごすことになんの不満も持っていなかった。
流石に魔王を倒すことには同意している二組だが、その目的が違えば訓練の方向性も違う。勇者組はスキルに頼り、三原組は本格的にダンジョンなどで鍛えている。
だがどちらも、勝つことはない。
相手は赤の魔女、魔王なのだから。
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