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自由国家
しおりを挟むパカパカとお馬が通る。
馬車に繋がれた二頭の馬はよく言うことを聞くようでゆっくりと歩いている。
アルベザが御者をしてミーサと女三人が馬車の中、シャンディが馬で並走している。
俺は早駆けで馬車を後ろからみている。
「ここで少し休憩します」
ミーサが声を出すと馬車が止まり、シャンディが馬に水を与える。
「携帯食をだしてもらえませんか?」
「はいよ」
商品の中から携帯食のクソ硬いパンを渡す。
「コタロー様も」
「俺は俺のがある」
ハンバーガーをだして食べる。
「それは聖教国で流行ってるハンバーガーですか?」
「そんなもんだ、食べるか?」
コクコクと頭を前後し、ハンバーガーを受け取る。結局全員分を渡してやる。あとで報酬に上乗せするそうだ。
「美味しいですね!これが噂のハンバーガー」
「食べてみたかったんですよ」
ミーサとシャンディは嬉しそうに食っているが、アルベザと三人は美味そうには食っているが喋らない。
出発してから三時間ほどしたところで。
「そろそろテントを張ります」
ちょうど開けたところでよく夜営が行われているんだろう。
テキパキとテントをくみたてるシャンディとアルベザはすごいと思った。
「俺は近くで夜番をしている」
「分かった、女達にもそれがいいだろう」
シャンディに言って少し離れたところに焚き火をつけ座る。
結局夜はモンスターも出なかった。
また昨日と一緒だ。馬二頭に引かれた馬車の御者はアルベザ、シャンディは馬に乗った。俺は早駆けだ。
二日もすると山を降り始め、四日目には街道に出た。
「ここまでくると安心できますね」
「そうなのか?自由国家は危ないと聞いて来たが?」
「それは一部だけです。ほとんどが流れのものなので警戒心は強いですが、身内になれば心強いものですよ」
「へぇ、そんなもんかね」
「そんなもんです」
ミーサと喋るのはあまりシャンディが良しとしないが、街道に出てからは許してくれたようだ。
自由国家と聞いて集落の塊のようなものを想像していたら、どうやら違うようだ。元は王国だったところが王が討たれ、そこから自由国家になったらしく、城門など立派なものだ。
「ようやく着きましたわ」
「ここがミーサの屋敷か」
「屋敷というより店舗兼屋敷ですわね」
ここから仕入れ業者が他の店舗に持って行くのか。
馬車は他の使用人が連れて行った。
「さあ、入ってください」
「あぁ」
全員が後ろについて歩く。俺が一番後ろだ。
中に案内されると客間に通され待たされる。
ミーサがドレス姿で現れる。
「皆さん楽にしてくださいね。コタロー様もって楽にしてますね」
フフフと笑うが、こちとら全て早駆けでここまで来たんだ、ソファーにゆっくり腰掛けて何が悪い。
「コタロー様、よろしければうちの護衛になりませんこと?」
「いや、俺はそう言うのはいいや」
「な、なんて無礼な!」
「シャンディ!」
「すいません」
「分かりました、コタロー様の護衛代金として百万ゼル。そして荷物と私達の仲間の亡骸を運んだ代金で百万ゼル、途中の携帯食で二十万ゼルでいかがでしょう」
「それでいいぞ」
「分かりました。爺」
「こちらに」
袋を貰いアイテムボックスにいれる。
「盗賊はどうすればいい?」
「門番に渡すと少しばかりの謝礼が入りますが、やって来ましょうか?」
「じゃあ頼む」
外に出て馬車に三十人ほど出すと、首だけにして持って行くらしい。
「武器防具はどういたしましょう。うちで買取ましょうか?」
「至れり尽くせりだな。頼む」
これで盗賊の件はあの三人の女だけだな。
「あの三人はどうなる?」
「あぁ、ミーサ様が仕事を与えるそうです。ここは自由国家。出て行くのも自由ですけどね」
アイツら次第か、まぁいいだろ。
「それじゃ俺はお暇するぜ」
「はい、この度はありがとうございました」
「おう!達者でな!」
門を出ようとした時、
「待ってください。なんでもしますから私を連れて行って下さい」
あの三人の中の一人だ。
「どうしてだ?ここで雇ってもらえるのだろう?」
「私は貴方様に助けられた身、貴方様についていきたいのでございます」
「はぁ、一回戻るか」
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