SWS-ゴミクズスキルは万能すぎる。

あに

文字の大きさ
27 / 55

第27話

しおりを挟む

 一応目標の30階層を突破したが、31階層のフィールド感に感動し、しばらくゆっくりしてしまった。
「ここって何が出るのかな?」
「ん?そうだな。それを確かめてから戻るか」
「だね!ちょっとゆっくりし過ぎたし」
 とみんな立ち上がると、遠くに見えるのは、
「オーガか?」
「だね!30階層でもう?」
「でも桜先輩も言ってたし、そうだろうな」
 30階層でオーガなら期待できるな!
 100階層はどんなボスだろ?
「よし!俺狩ってくるよ」
「お、おい!」
“ギュン”
 と脚に力が籠り、
“ドンッ”
 猛スピードでオーガに突進する。
 左腕をレッドドラゴンヘッドに変えると、
「『竜の顎』!」
 竜の口が開きオーガに喰いつく!!
 オーガはいきなり目の前に現れた俺に驚いていたが、左上半身を噛み砕かれ、『ガッ!!』と声を出したオーガはドロップに変わる。
「よし!終わり!」
 左腕を換装、ドロップを『収集』し、歩いてみんなのとこに帰る。
 
「レベルが違うな」
「そうね、あの速さなんなの?」
「人間離れしてる」
「あの速さなら1日でダンジョン攻略すんじゃねぇ?」
「…ありえるな」

 俺はゆっくり歩いて帰り。
「簡単だったね」
「そうな」
「スズは危ない時だけ動こうか?」
「え?なんで?」
「俺らのレベル上げにならないからな」
 そうか、それならしょうがないか。
「分かった」
 ホッとしたような顔をするみんなに悪いことしたなと思う。
「んじゃ帰ろうか!」
「だな!」
 30階層から転移陣で外に出る。

「おっ!白石達も今帰りか?」
 ヒカルが声をかけると、
「うん!ようやく教育者の人が来てくれたから今日は10階層まで行ってきたの」
 と横に立っていた男の人が出てきて、
「教育者の万場番マンババンだ。よろしく頼む」
「「「よろしくお願いします」」」
 格好から見て剣士のようだな。
「あ、わ、私宮澤玲ミヤザワレイって言います」
 と声をかけてくる宮澤、おさげの子だ。
「あぁ、知ってるぞ?あとは上野ウエノ千葉チバ四十万シジマだろ?」
 上野はお団子、千葉はショートカットで四十万は前髪ぱっつんだ。
 大人しい感じの子達だ。
「あ、知っててくれたんだ」
「まぁ、クラスメイトだしな」
「そっか、私達もごめんなさい」
「何がだ?」
 頭を下げる宮澤達。
「私達も見て見ないふりしてたから」
「あぁ、そう言うタイプじゃないだろ?気にするな」
 別に異世界であった事はもう殆ど忘れることにしている。

「う、うん、ありがとう」
 と言って後ろに下がる。
「そう言えば生産系なんだろ?」
「うん。私が薬師、宮ちゃんじゃなくて、宮澤が錬金術師、上野が料理師、千葉が裁縫師で四十万が革職人」
 と白石が教えてくれる。

「へぇ、そっか、んじゃ四十万にこれやるよ」
「ん?えっ!これグリーンドラゴンの革?いいの?」
「あぁ、防具つくるのにいいだろ?」
「ありがとう!」
 とやっぱり『収納』持ちみたいだな。
 グリーンドラゴンの革を『収納』すると嬉しそうに笑っている。

「な!…結構するだろ?あげていいのか?」
 アキが驚いてるが、
「ん?まぁまだたくさんあるしな」
「そ、そうなのか、売れば」
「売りはしないぞ?素材は大事だからな?」
「あはは、『収集人』らしいね」
 とヒカルが笑い、みんなも笑っている。

「んじゃまたな!万場さんも白石達をよろしくお願いしますね」
 とヒカルが言うと、
「分かった!君達も頑張れよ!」
「「「「はい」」」」
 と言って白石達と別れる。

「なんだかんだで女の子に甘いわよね?」
「は?俺の事?」
「他に誰がいる?ドラゴンの革なんて俺らにはくれないだろ?」
 んー、確かにあげないが、
「お前らにやったら売りに行くだけだろ?」
「わ、わからないわよ?」
「いーや、売りに行く。アカネとアキは絶対行くな!」
「「なんで?!」」
「あははは、分かる!すぐ行くな」
 ヤスとヒカルも頷く。

「クッ!まぁ、いいわ!ご飯いきましょ!スズの奢りでね!」
「なんでだよ?たまにはヒカルが出せよ」
「えー、まぁいいけどさ」
 よし!高い物から頼んでやる!
「行こうか!」
「「「「おぉー」」」」
 ショッピングモールに向かう。



「やったね!咲苗ちゃん!」
 四十万咲苗シジマサナエに喋りかける宮澤玲ミヤザワレイ
「うん!これで防具作るね!」
「五美君も太っ腹だなぁ」
 上野優里ウエノユウリがいうと頷く千葉香織チバカオリ
「あの子は五美って言うの?」
 万場が聞くと、
「はい!五美君はあっちで色々あったんですけど」
「そうそう、ほんとカッコよくなったよね!」
「「「わかる!」」」
「そうか、人気者なんだね」
「今はそうですね!」
「今は?」
「あはは、これ以上は言えませんよー」
 と笑う白石。

「へぇ、あの子がねぇ」
「万場さん?」
「いや、なんでもないよ。じゃあ5人とも気をつけてお帰り」

「「「「はい」」」」
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

男女比1対5000世界で俺はどうすれバインダー…

アルファカッター
ファンタジー
ひょんな事から男女比1対5000の世界に移動した学生の忠野タケル。 そこで生活していく内に色々なトラブルや問題に巻き込まれながら生活していくものがたりである!

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

合成師

あに
ファンタジー
里見瑠夏32歳は仕事をクビになって、やけ酒を飲んでいた。ビールが切れるとコンビニに買いに行く、帰り道でゴブリンを倒して覚醒に気付くとギルドで登録し、夢の探索者になる。自分の合成師というレアジョブは生産職だろうと初心者ダンジョンに向かう。 そのうち合成師の本領発揮し、うまいこと立ち回ったり、パーティーメンバーなどとともに成長していく物語だ。

死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜

のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、 偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。 水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは―― 古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。 村を立て直し、仲間と絆を築きながら、 やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。 辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、 静かに進む策略と復讐の物語。

現世にダンジョンができたので冒険者になった。

あに
ファンタジー
忠野健人は帰り道に狼を倒してしまう。『レベルアップ』なにそれ?そして周りはモンスターだらけでなんとか倒して行く。

ダンジョンをある日見つけた結果→世界最強になってしまった

仮実谷 望
ファンタジー
いつも遊び場にしていた山である日ダンジョンを見つけた。とりあえず入ってみるがそこは未知の場所で……モンスターや宝箱などお宝やワクワクが溢れている場所だった。 そんなところで過ごしているといつの間にかステータスが伸びて伸びていつの間にか世界最強になっていた!?

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

処理中です...