28 / 55
第28話
しおりを挟む2月に入るがとても寒い。
テレビでは今年は暖冬と言っていたのだがどう言う事だ?
「さっぶ!」
「ね!ダンジョンにでも行きたいわ」
「あぁ、ダンジョンなら一定の温度だからなぁ」
と帰り道を歩いている。
ダンジョンの中は外と違う空間なので一定の温度だ。まぁ、フィールド型になったのでそのフィールドにあった気候になるとは思うが、少なくても30階層から下は今の所春の陽気だった。
「うーサブサブ」
部屋に入ってきた俺はエアコンをつけて暖まるまでコーヒーを淹れてソファーに座る。
「こうなるとコタツが恋しいな」
だが、そうすると寝てしまうから我慢だな。
ようやくあったまってきたので上着を脱いでクローゼットにかけておく。
テレビをつけると腹が減ってきたので、『収集』に入れておいたハンバーガーのセットを取り出して夕食にする。
出来立てをそのまま『収集』しておいたので時間経過のない『収集』に入れておいたのだ。
「やっぱりジャンキーな物は美味ぇな」
食いながらテレビを見てると行方不明になっていた大人2人と未成年者3人が保護されたとニュースでやっていた。
「へぇ、たぶんこれも渡航者なんだろうな」
そのうちSWSに来るかもな。
まぁ、こんな感じでみんな忘れて行くんだろうな。
これもスキルが関係してるならテレビ局もグルなのか?と思ってしまうな。
3月に入るとまた期末テストの時期になる。
みんなそれなりに勉強したから今回もいい点数が取れるはず!
勉強嫌いの勇者ヒカルも今回は頑張ってたからな。
「はぁ、やっと終わった」
「お疲れ様、今回はいい点取れたんじゃないか?」
「だね!頑張ったからね!」
自信もあるらしいので良かった。
赤点を回避したヒカル、俺たちももちろん回避したので休みの計画を立てることに。
ファミレスに集まったのはクリスマスのメンバー11人。
「やっぱり花見に行くでしょ?」
「行く行く!場所取りは男子ねー」
「やっぱり夜からだよな?俺行ってもいいけど1人は嫌だぞ」
とハッシーが言うので、
「んじゃ俺行こうか?」
「なんだよ、スズが行くなら俺も行くよ」
「俺もー」
トウマとナルトがそう言ってくる。
そんじゃ俺が行く意味…まぁあるのか?
「そんじゃ決まりな!」
「おっし!今度こそプレゼント交換しようぜ!」
「は?まだやるのか?」
「えー?お花見だから別にいらないよ」
「な!なんでだよ!」
「はーい、なしねー」
「く、くそ!」
「「「「あははは」」」」
ヒカルは可哀想だが花見でプレゼント交換なんてしないだろ?
帰る前にもう一度ダンジョンに行くことになった。
「おっし、今日は40階層まで行くぞ!」
「おう!スズは分かってるよな?」
「あぁ、危なかったら言ってくれ」
「だね、まぁここら辺なら大丈夫だ」
と言ってフィールド型のダンジョンを進みながら話していると、
「おっし!オーガだな!」
「いくぞ!『サンダーランス』」
「オラッ!!」
「ウォォオォォ!!」
アキの魔法が刺さりその場に縛りつけるとヤスが盾でシールドバッシュし、最後にヒカルが斬りつけてオーガはドロップに変わる。
へぇ。ちゃんと連携してるんだな。
「しゃっ!普通に倒せたな!」
「楽勝だろ?」
「ハハッ!ここら辺は任せるよ」
「おう!」
と進んでいく、
32階層、
オーガの他にもグラスウルフやホブゴブリンなど色んなモンスターがいる。
ここからは俺も連携して倒して行く。
「スズ」
「あいさ!」
左腕は換装せずにミスリルソードで斬っていく。
「剣も得意なのか?」
「まぁ、片腕しかない時はこいつに頼ってたからな!」
「そうか!ならそれで行こう!」
「おう!」
33階層、34階層と似たようなモンスターだが確実に強くなっているな。
ワイバーンを斬ってドロップに変える。
「また強くなってるな」
「そうだな、群れで来るようになったしな」
「それでもみんな負けてないよ?」
「だな!アキも魔法バンバン使ってくれ!」
「あぁ、前3人が強いからついな」
「まぁな!」
36階層から少し変わった荒野のようになってブラックオーガやシルバーファングなども出てくる。
「『サンダーランス』」
「『パリィ』『スラッシュ』!」
と技を使い始める。
勇者や聖騎士は技があっていいなぁ。
俺は収集人だから『剣技』はないんだよな。
「『スピードアップ』!」
アカネがバフをかけると、
「オラァ!へぇ!バフって面白いな!」
「だろ!っと、すげぇ体が楽に動くよな」
「他にも色々あるけど?かける?」
「いいよ!また今度かけてくれ!」
と言ってドロップを『収集』する。
37階層でブラキオンが出てきた。
「うぉっ!マジかよ!」
「ここはブラキオンだけみたいだな!」
「やばいな!ちょっとデカすぎるだろ」
「『サンダーランス』クソッ!効いてないっぽいぞ!!」
「悪いな!俺がやる!」
走ってブラキオンに触ると、
「『焼却』」
“ボワッ”と燃え広がりドロップに変わる。
「え、えげつない威力だな」
「燃やすことしかできないけどな?」
「それでも凄いよ?」
「触らないと『焼却』出来ないから使い勝手は悪いしなぁ」
「…そうか、それでなんとか切り抜けてきたのか?」
「まぁな!これが俺の奥の手だ!」
「あはは、上手いこと言うね!」
「「「上手くない!」」」
ヒカルは笑っているが、俺の奥の手はまだまだあるからな!
38階層。
「ジャイアントアントかよ!」
「数が多い!」
「『タイダルウェイブ』!!」
アキの極大魔法で蟻どもは流されてドロップに変わる。
「アキ!ナイス!」
「あはは、これ魔力ゴッソリいかれるんだよ」
「それでもドロップがいっぱいよ?」
ドロップは甲殻や蟻酸などで防具や道具が作れるな。
まぁ、大量だからそのうち武器屋に売ってもいいしな!
39階層、ジャイアントトロール。
「あー!まためんどくさいのが出てきたな!」
「だな!こいつは頭を潰さないと死なないからな」
5メートルはあるトロールだ。しかも治癒能力が高くて斬ってもすぐに傷が塞がる。
「よっと!オラァ!」
ジャンプして首を落とす。
「また人間離れした動きを…」
「みんなもこれくらい出来るって!」
「出来るか!いって3メートルが限界だ!」
「それも人間離れしてるけどな!」
ヒカルは3メートルか、でもレベルが上がればまた伸びるだろ!
40
あなたにおすすめの小説
男女比1対5000世界で俺はどうすれバインダー…
アルファカッター
ファンタジー
ひょんな事から男女比1対5000の世界に移動した学生の忠野タケル。
そこで生活していく内に色々なトラブルや問題に巻き込まれながら生活していくものがたりである!
備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
合成師
あに
ファンタジー
里見瑠夏32歳は仕事をクビになって、やけ酒を飲んでいた。ビールが切れるとコンビニに買いに行く、帰り道でゴブリンを倒して覚醒に気付くとギルドで登録し、夢の探索者になる。自分の合成師というレアジョブは生産職だろうと初心者ダンジョンに向かう。
そのうち合成師の本領発揮し、うまいこと立ち回ったり、パーティーメンバーなどとともに成長していく物語だ。
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
ダンジョンをある日見つけた結果→世界最強になってしまった
仮実谷 望
ファンタジー
いつも遊び場にしていた山である日ダンジョンを見つけた。とりあえず入ってみるがそこは未知の場所で……モンスターや宝箱などお宝やワクワクが溢れている場所だった。
そんなところで過ごしているといつの間にかステータスが伸びて伸びていつの間にか世界最強になっていた!?
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる