選ばれた者 おっさんの気ままな冒険

盾乃あに

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第5章 届かない手 黒い心

強い心

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その日、数人が帰って来ない、アンコとマロンも帰ってこない。
何かがおかしい。

マスター達は帰ってきた
「なんじゃ!なにがあったんじゃ」
「カズトの匂いがしないにゃー?」

全員を集めてしらみつぶしに探したが居ない

コロポックルにもサクが連絡しに行った

「美羽さーん!」
賢人が走ってきた、なんかあったの?
「ここ一層じゃない!」
「え?なにを?」
「上に続く階段があった、階層が変わってる」
え?階層を変えるなんて・・・
「アンコとマロンが危ない!」
手分けしてここがどの層か探したら十二層
二層上に登って転送陣で一層へ

「な、なにこれ」
そこはボロボロになった一層と変わらない場所
「み、美羽さん」
「私?」

私が死んでいる

「あっちには俺達もいた!酷い死に方で」
「あれは作り物と言うよりモンスターに近いですね」
おとめが言う

「アンコ!マロン!」
そこにはアンコとマロンが・・・

「み・・・う・・・」
生きてる!
「生きてる!魔力を送るわよ」
頭に手を当て魔力を送る
「ご・・・めんな・・・さい」
「いいわ、喋れるようになってからで!休んでなさい!」
「マロンの方もなんとか大丈夫そうです」
モッチーが魔力を送っている

誰がこんなことを・・・

マスター達も協力して交代で魔力を送り続けた、足りなくてMPポーションまで使ったがなんとか一命を取り留め身体の再構築もし始めた


ようやく喋れる様になったのは一週間かかった

「あの日、男の子みたいな人が来て、私達の頭を触ると動けなくなって、勝手に身体が階層変更したりし始めて」

あの日、アンコ達は家の外に出ていた。
見回りと言う散歩だが、そんな時現れたのがその男の子みたいな子、たぶん数人が言っていたチリツカと一緒にいた子。

その子がアンコ達を使って何故あんなことをしたのか?
数人をさらう為?
良い子だと言っていたのに?

「勝手に失礼します、美羽さん、カズトは?」
チリツカが現れて数人を探してる
「こっちも分からないの、このダンジョンを勝手に弄くる事が出来るのって誰?」
チリツカは首を傾げるが
「ダンジョンコアかその上位の存在ですね」
「貴方と一緒にいたって子は?」
「リンリンですか?できますよ」

これで繋がったけど何故?
「ここは層を変えられた、一層にはここによく似た街があって、私達が殺されていたの!
アンコとマロンはギリギリ生きてていま治療してるけど数人が帰って来ない」

チリツカは顔を青くして
「まさか・・・そんなことをするはずが」
「でも本当のことよ!何が起きてるの?」
チリツカは考えると
「一度戻ります、すぐ帰ってくるので」
と消えて行った

数十分後、戻ってきたチリツカはお爺さんを連れている
「ウンガイキョウ、力を貸して下さい」

お爺さんは頷くと一枚の鏡を取り出して力を込め始めた
「リンリン・・・まさか・・・」
チリツカが声を上げるので私も観るとそこには黒くなって走っている数人が
「何故?なんでこんな酷い・・・」
数人は私達の死体を見て狂ったように叫ぶ

「この子・・・」
「リンリンです、カズトはとっくに限界でした。でもそれでもなんとか回復に向かってたのに」
チリツカは額に手を当て泣いているようだ
「限界ってなによ?」
「か、カズトは心が壊れていたんです、継ぎ接ぎの心、でも貴方達のお陰で治りつつあった。」

最近寝てなかったのも
「カズトの固有スキル黒明は悪い事を明確にさせる、見えてしまうんですよ、髪で目を隠していたのも見たくないからじゃないかと、でも封印してもらったんです。スキルに飲まれないで心が回復していくように」

チリツカは涙を拭い
「でも貴方達の清い心で救われていた、固有スキルが進化してしまえばカズトは自分を取り戻していたのです」

「なによそれ!聞いてないわよ!」

「カズトすら知らない事です。ただ知っていてもどうする事も出来ない」

だから数人はいつだって一人で
「で?そのリンリンって子は?」
鏡を見ながら
「固有スキルが進化するまで持たないと思ったのでしょう、心を無にした、鏡に映ってる忘却のアクセサリーを着けて、全て忘れるように」

忘却?忘れる?私達も?今までの事全部?
「忘れさせない!私が忘れさせない!」
忘れても思い出させる!私の・・・私達の事を!

「私はリンリンを探します!でも忘却を消すのはかなり難しいです。見たところイヤリングとネックレスは着けていましたから、一個でも強力な力なのに、それに対抗出来ますか?」

「やるに決まってるだろ!兄ちゃんは絶対に取り戻す!」

「当たり前です!僕のことまで、こんな個性的な僕まで忘れるはず無いです!」

「兄さんは、兄さんは優しいから悩んで苦しんで、でもそれを俺達が支える!思い出して苦しんでも俺達が絶対に!」

「カズトさんが俺達を忘れるとかないから!色んな思い出を忘れるとかない!」

「私は諦めませんよ!カズトさんに色々教えて貰うんです!忘れてもらっては困ります!」

「って事だから数人は絶対に私達の所に戻ってくるから」

六人は睨みつけるような眼差しでチリツカを見ている
「分かりました、だがいまの貴方達ではまったく歯が立たない!レベルをあげて下さい、せめて限界突破はしていないとカズトが暴れたら死にますよ」

カズトとの間に差があるのは分かっている
「中級ダンジョンの鍵は俺が持ってる!行くぞ!」
「「「「「はい!」」」」」
私も行く!レベルを上げるために!数人の為に!
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