3 / 11
結婚式
あっという間にときは流れて、私と侯爵の結婚式が行われた。
場所は旧サルサン国の改築された王城だ。マトルヘル侯爵は陛下より領地を賜り、統治を任されたようだ。
両国の国民に祝福されて、問題なく城で披露宴も催された。
そこに国王の代理として出席したのは、側妃となったエミリーヌ様だ。同郷のよしみだろうか。
立食形式の宴の最中、側妃は新郎のマトルヘル侯爵に近づき、甘えるように彼の腕に自分のものを絡ませる。
「どうせ聖女はお飾りの妻でしょう? 一年経って陛下のお渡りがなければ、私をあなたに下げ渡すように陛下に望んでくれませんか?」
側妃は、私だけではなく他の者にも聞こえるように彼に声を掛けていた。
それから挑発するような凄みのある笑みを私に向けてくる。
確かに聖女との白い結婚では、後継ぎを望めない。だから、彼が他に女性を望んでも仕方がなかった。
「側妃殿下は酒を飲み過ぎたようですね」
マトルヘル侯爵は困ったように苦笑するが、側妃の腕を振り払わない。彼女を奥に下がらせて休ませることもしなかった。
「この城に来られる機会は滅多にないと思いますので、どうぞ好きなだけご滞在ください」
侯爵の言葉を聞いて、側妃はますます嬉しそうに彼の体にしなだれかかる。勝ち誇ったような笑みを私にも向けてくる。
もしかしたら、侯爵も側妃の提案をまんざらでもない想いで聞いていたのかもしれない。
この領地は元はサルサン国だ。その王女を妻の一人にすれば、治めやすいと考えてもおかしくはない。
披露宴が終わったあと、私は冷めた気持ちで自室に戻った。
そして、ついに来てしまった。——問題の初夜だ。
実は、私は処女ではない。だから、万が一マトルヘル侯爵に体を求められては困るのだ。
相手がレイでなければ、恐らく加護を失う。なぜなら、まだ彼が好きだから。
女官は白い結婚だろうと言っていたけど、不安だったため、念のために侯爵ご本人に尋ねたことがあった。
二回ほど結婚前に会う機会があったからだ。
「あの、この結婚は、形だけですよね?」
すると、彼はにっこり笑顔を浮かべて保障してくれたのだ。
「大丈夫だ。心配はない」
そうはっきりと。だから、待たずに寝てもいいよね?
そう思ってポテリと寝台に倒れたときだ。
「旦那様がお越しです」
えっ、来るの?
隣の控室から使用人の声が聞こえてきた。慌てて体を起こして、品よく座りなおす。
すぐにマトルヘル侯爵がやってきた。
思わずじっと彼の顔を見入ってしまう。やっぱり似ている。恋人だったレイに。それだけで、ドキッと胸が高鳴ってしまう。別に本当に彼がいるわけじゃないのに。
目の前にいる整った顔は、あのとき別れた彼がそのまま年を重ねたようだ。茶色の短い髪、ちょっと鋭い目つきをしたところ。珍しいグレーブルーの瞳。
似ているけど、孤児だった彼が、こんな立派な貴族なわけがない。
マトルヘル侯爵家の若き当主メイアス。それが彼の名前だ。
以前会ったとき、彼は語っていた。「故郷で生まれ育ったから、出兵するまで国を出たことはない」と。
彼も夜衣に身を包んでいた。ゆったりとした襟口の隙間から見えた胸元は、筋肉で引き締まっていて、男の色気を放っている。
引きはがすように慌てて視線を外した。
「こ、侯爵様、お待ちち、しておりました」
思わず噛んじゃった。
私のドジな挨拶に彼は何も動じず短く相槌をうち、落ち着いた様子で隣に腰掛ける。
それからすぐに私の腰に手を回す。彼の感触がするだけで、否応なしに緊張してしまう。
「あの、侯爵様。今日は何もしないはずでは?」
すると、侯爵は目を細めて微笑んだ。
「私のことはメイアスと呼ぶように。夫婦になったのだから」
そう話す声は、とても低くつややかで、彼にその気がないと思っているのに、ぞくぞくと背筋に電気が走ったような刺激があった。
「はっ、はい。メイアス様」
メイアス様から漏れる色香にあてられそうになり、顔が熱くなる。ずっとレイ一筋だったのに、彼に似ているってだけで、こんな動揺するなんておかしい。
もうちょっと落ち着かないと。そう反省したときだ。メイアス様の顔が近づいてきたと思ったら陰ができ、そのまま口同士が軽く触れ合っていた。驚いて距離をとろうと思ったら、さらに押し倒され――。
「ちょ、ちょっと待って! 私は聖女なんですよ!? あの、このまましちゃいますと、力を失ってしまいます! それは、国にとってまずいよね?」
慌てて正論を言いながら、私に覆いかぶさろうとする彼を制止する。
「私は一言も白い結婚だと宣言はしていなかったはずだが? 妻の役目を果たしてもらおう」
平然とした彼の返事に血の気が引いた。
たしかに彼は大丈夫としか言っていなかったけど……。
「私、元は孤児なの。後ろ盾もないし、この結婚の意味がなくなっちゃいます!」
「大丈夫だ。もし力を失くしても見捨てたりはしない。安心したまえ」
そんなとろけるような笑顔を向けられても――。
私の決死の説得は、彼の口づけであっさりと封じられた。
両手で必死に抵抗したが、その私の両腕は軽々と彼の左手で封じられた。
「抵抗は止めるんだ。初めてだから、できるだけ優しくしたい」
私の反抗なんて、きっと彼にとって大したことではなかったのだろう。彼の態度には余裕があり、声は優しかったけど、恐怖を感じないわけなかった。
だって私、処女じゃないし!
「どうしても、いたすのですね?」
「そうだよ」
彼の熱を帯びた目は、飢えた獣のように私を見つめている。どうやら引き返す気はなさそうだ。
女官はそんな愚かな真似をするわけないって言っていたけど、若い側妃の手を振り払わなかったくらいだし、メイアス様は私の見かけに篭絡された残念な一人だったようだ。
自分で言うのもなんだけど、聖女だったのが残念と惜しまれるくらいの美貌と、魅惑的な肉体を兼ねそろえていた。
まさに美の女神の加護を授かったと思えるくらいに。
まことに不本意ながら。
余計な虫がわんさか寄ってくるから、聖女でなかったら、とっくに男たちの慰みものになっていただろう。
でも、彼には恩義がある。彼のおかげで、焼死から免れることができたから。
「分かりました。命の恩人であり、憎き国王を殺してくださったメイアス様になら、この身を捧げます」
処女ではないとバレて不興を買っても、仕方がないと腹をくくることにした。
元々差し違える覚悟で国王を殺そうとしていたのだから、最悪な事態になっても、結果として変わらないだろう。
でも、かつて私を愛してくれた優しい彼を思い出して、一筋の涙が流れた。
ごめんね。諦めるなって言ってくれたのに。
場所は旧サルサン国の改築された王城だ。マトルヘル侯爵は陛下より領地を賜り、統治を任されたようだ。
両国の国民に祝福されて、問題なく城で披露宴も催された。
そこに国王の代理として出席したのは、側妃となったエミリーヌ様だ。同郷のよしみだろうか。
立食形式の宴の最中、側妃は新郎のマトルヘル侯爵に近づき、甘えるように彼の腕に自分のものを絡ませる。
「どうせ聖女はお飾りの妻でしょう? 一年経って陛下のお渡りがなければ、私をあなたに下げ渡すように陛下に望んでくれませんか?」
側妃は、私だけではなく他の者にも聞こえるように彼に声を掛けていた。
それから挑発するような凄みのある笑みを私に向けてくる。
確かに聖女との白い結婚では、後継ぎを望めない。だから、彼が他に女性を望んでも仕方がなかった。
「側妃殿下は酒を飲み過ぎたようですね」
マトルヘル侯爵は困ったように苦笑するが、側妃の腕を振り払わない。彼女を奥に下がらせて休ませることもしなかった。
「この城に来られる機会は滅多にないと思いますので、どうぞ好きなだけご滞在ください」
侯爵の言葉を聞いて、側妃はますます嬉しそうに彼の体にしなだれかかる。勝ち誇ったような笑みを私にも向けてくる。
もしかしたら、侯爵も側妃の提案をまんざらでもない想いで聞いていたのかもしれない。
この領地は元はサルサン国だ。その王女を妻の一人にすれば、治めやすいと考えてもおかしくはない。
披露宴が終わったあと、私は冷めた気持ちで自室に戻った。
そして、ついに来てしまった。——問題の初夜だ。
実は、私は処女ではない。だから、万が一マトルヘル侯爵に体を求められては困るのだ。
相手がレイでなければ、恐らく加護を失う。なぜなら、まだ彼が好きだから。
女官は白い結婚だろうと言っていたけど、不安だったため、念のために侯爵ご本人に尋ねたことがあった。
二回ほど結婚前に会う機会があったからだ。
「あの、この結婚は、形だけですよね?」
すると、彼はにっこり笑顔を浮かべて保障してくれたのだ。
「大丈夫だ。心配はない」
そうはっきりと。だから、待たずに寝てもいいよね?
そう思ってポテリと寝台に倒れたときだ。
「旦那様がお越しです」
えっ、来るの?
隣の控室から使用人の声が聞こえてきた。慌てて体を起こして、品よく座りなおす。
すぐにマトルヘル侯爵がやってきた。
思わずじっと彼の顔を見入ってしまう。やっぱり似ている。恋人だったレイに。それだけで、ドキッと胸が高鳴ってしまう。別に本当に彼がいるわけじゃないのに。
目の前にいる整った顔は、あのとき別れた彼がそのまま年を重ねたようだ。茶色の短い髪、ちょっと鋭い目つきをしたところ。珍しいグレーブルーの瞳。
似ているけど、孤児だった彼が、こんな立派な貴族なわけがない。
マトルヘル侯爵家の若き当主メイアス。それが彼の名前だ。
以前会ったとき、彼は語っていた。「故郷で生まれ育ったから、出兵するまで国を出たことはない」と。
彼も夜衣に身を包んでいた。ゆったりとした襟口の隙間から見えた胸元は、筋肉で引き締まっていて、男の色気を放っている。
引きはがすように慌てて視線を外した。
「こ、侯爵様、お待ちち、しておりました」
思わず噛んじゃった。
私のドジな挨拶に彼は何も動じず短く相槌をうち、落ち着いた様子で隣に腰掛ける。
それからすぐに私の腰に手を回す。彼の感触がするだけで、否応なしに緊張してしまう。
「あの、侯爵様。今日は何もしないはずでは?」
すると、侯爵は目を細めて微笑んだ。
「私のことはメイアスと呼ぶように。夫婦になったのだから」
そう話す声は、とても低くつややかで、彼にその気がないと思っているのに、ぞくぞくと背筋に電気が走ったような刺激があった。
「はっ、はい。メイアス様」
メイアス様から漏れる色香にあてられそうになり、顔が熱くなる。ずっとレイ一筋だったのに、彼に似ているってだけで、こんな動揺するなんておかしい。
もうちょっと落ち着かないと。そう反省したときだ。メイアス様の顔が近づいてきたと思ったら陰ができ、そのまま口同士が軽く触れ合っていた。驚いて距離をとろうと思ったら、さらに押し倒され――。
「ちょ、ちょっと待って! 私は聖女なんですよ!? あの、このまましちゃいますと、力を失ってしまいます! それは、国にとってまずいよね?」
慌てて正論を言いながら、私に覆いかぶさろうとする彼を制止する。
「私は一言も白い結婚だと宣言はしていなかったはずだが? 妻の役目を果たしてもらおう」
平然とした彼の返事に血の気が引いた。
たしかに彼は大丈夫としか言っていなかったけど……。
「私、元は孤児なの。後ろ盾もないし、この結婚の意味がなくなっちゃいます!」
「大丈夫だ。もし力を失くしても見捨てたりはしない。安心したまえ」
そんなとろけるような笑顔を向けられても――。
私の決死の説得は、彼の口づけであっさりと封じられた。
両手で必死に抵抗したが、その私の両腕は軽々と彼の左手で封じられた。
「抵抗は止めるんだ。初めてだから、できるだけ優しくしたい」
私の反抗なんて、きっと彼にとって大したことではなかったのだろう。彼の態度には余裕があり、声は優しかったけど、恐怖を感じないわけなかった。
だって私、処女じゃないし!
「どうしても、いたすのですね?」
「そうだよ」
彼の熱を帯びた目は、飢えた獣のように私を見つめている。どうやら引き返す気はなさそうだ。
女官はそんな愚かな真似をするわけないって言っていたけど、若い側妃の手を振り払わなかったくらいだし、メイアス様は私の見かけに篭絡された残念な一人だったようだ。
自分で言うのもなんだけど、聖女だったのが残念と惜しまれるくらいの美貌と、魅惑的な肉体を兼ねそろえていた。
まさに美の女神の加護を授かったと思えるくらいに。
まことに不本意ながら。
余計な虫がわんさか寄ってくるから、聖女でなかったら、とっくに男たちの慰みものになっていただろう。
でも、彼には恩義がある。彼のおかげで、焼死から免れることができたから。
「分かりました。命の恩人であり、憎き国王を殺してくださったメイアス様になら、この身を捧げます」
処女ではないとバレて不興を買っても、仕方がないと腹をくくることにした。
元々差し違える覚悟で国王を殺そうとしていたのだから、最悪な事態になっても、結果として変わらないだろう。
でも、かつて私を愛してくれた優しい彼を思い出して、一筋の涙が流れた。
ごめんね。諦めるなって言ってくれたのに。
あなたにおすすめの小説
救国の代償で白髪になった聖女、一度のミスを理由に「無能の戦犯」として追放される ~隣国の覇王に拾われ、愛され、奇跡の力を見せつける~
スカッと文庫
ファンタジー
聖女アリシアは、百年に一度の大氾濫から国を守るため、禁忌の魔力全解放を行い、単身で数万の魔物を殲滅した。その代償として、彼女の美しい金髪は真っ白な「白雪色」に染まり、魔力は一時的に枯渇してしまう。
しかし、その功績はすべて現場にいなかった「偽聖女セシリア」に奪われ、アリシアは「結界を一部損壊させた戦犯」「魔力を失った役立たず」として、婚約者の王太子ギルバートから国外追放を言い渡される。
「失敗したゴミに、この国の空気は吸わせない」
泥の中に捨てられたアリシア。しかし、彼女を拾ったのは、敵対国として恐れられていた帝国の「武徳皇帝」ラグナールだった。彼はアリシアの白髪が「高純度の神聖魔力による変質」であることを瞬時に見抜き、彼女を帝国の宝として迎える。
数ヶ月後。アリシアが帝国の守護聖女として輝きを取り戻した頃、王国では「一度きりの奇跡」だったセシリアの魔力が尽き、本当の滅亡が始まっていた。
「今さら結界が解けたと泣きつかれても、もう私の魔力は一滴も残っていません」
そんなに聖女になりたいなら、譲ってあげますよ。私は疲れたので、やめさせてもらいます。
木山楽斗
恋愛
聖女であるシャルリナ・ラーファンは、その激務に嫌気が差していた。
朝早く起きて、日中必死に働いして、夜遅くに眠る。そんな大変な生活に、彼女は耐えられくなっていたのだ。
そんな彼女の元に、フェルムーナ・エルキアードという令嬢が訪ねて来た。彼女は、聖女になりたくて仕方ないらしい。
「そんなに聖女になりたいなら、譲ってあげると言っているんです」
「なっ……正気ですか?」
「正気ですよ」
最初は懐疑的だったフェルムーナを何とか説得して、シャルリナは無事に聖女をやめることができた。
こうして、自由の身になったシャルリナは、穏やかな生活を謳歌するのだった。
※この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「アルファポリス」にも掲載しています。
※下記の関連作品を読むと、より楽しめると思います。
婚約破棄の上に家を追放された直後に聖女としての力に目覚めました。
三葉 空
恋愛
ユリナはバラノン伯爵家の長女であり、公爵子息のブリックス・オメルダと婚約していた。しかし、ブリックスは身勝手な理由で彼女に婚約破棄を言い渡す。さらに、元から妹ばかり可愛がっていた両親にも愛想を尽かされ、家から追放されてしまう。ユリナは全てを失いショックを受けるが、直後に聖女としての力に目覚める。そして、神殿の神職たちだけでなく、王家からも丁重に扱われる。さらに、お祈りをするだけでたんまりと給料をもらえるチート職業、それが聖女。さらに、イケメン王子のレオルドに見初められて求愛を受ける。どん底から一転、一気に幸せを掴み取った。その事実を知った元婚約者と元家族は……
現聖女ですが、王太子妃様が聖女になりたいというので、故郷に戻って結婚しようと思います。
和泉鷹央
恋愛
聖女は十年しか生きられない。
この悲しい運命を変えるため、ライラは聖女になるときに精霊王と二つの契約をした。
それは期間満了後に始まる約束だったけど――
一つ……一度、死んだあと蘇生し、王太子の側室として本来の寿命で死ぬまで尽くすこと。
二つ……王太子が国王となったとき、国民が苦しむ政治をしないように側で支えること。
ライラはこの契約を承諾する。
十年後。
あと半月でライラの寿命が尽きるという頃、王太子妃ハンナが聖女になりたいと言い出した。
そして、王太子は聖女が農民出身で王族に相応しくないから、婚約破棄をすると言う。
こんな王族の為に、死ぬのは嫌だな……王太子妃様にあとを任せて、村に戻り幼馴染の彼と結婚しよう。
そう思い、ライラは聖女をやめることにした。
他の投稿サイトでも掲載しています。
ボロボロになるまで働いたのに見た目が不快だと追放された聖女は隣国の皇子に溺愛される。……ちょっと待って、皇子が三つ子だなんて聞いてません!
沙寺絃
恋愛
ルイン王国の神殿で働く聖女アリーシャは、早朝から深夜まで一人で激務をこなしていた。
それなのに聖女の力を理解しない王太子コリンから理不尽に追放を言い渡されてしまう。
失意のアリーシャを迎えに来たのは、隣国アストラ帝国からの使者だった。
アリーシャはポーション作りの才能を買われ、アストラ帝国に招かれて病に臥せった皇帝を助ける。
帝国の皇子は感謝して、アリーシャに深い愛情と敬意を示すようになる。
そして帝国の皇子は十年前にアリーシャと出会った事のある初恋の男の子だった。
再会に胸を弾ませるアリーシャ。しかし、衝撃の事実が発覚する。
なんと、皇子は三つ子だった!
アリーシャの幼馴染の男の子も、三人の皇子が入れ替わって接していたと判明。
しかも病から復活した皇帝は、アリーシャを皇子の妃に迎えると言い出す。アリーシャと結婚した皇子に、次の皇帝の座を譲ると宣言した。
アリーシャは個性的な三つ子の皇子に愛されながら、誰と結婚するか決める事になってしまう。
一方、アリーシャを追放したルイン王国では暗雲が立ち込め始めていた……。
結婚結婚煩いので、愛人持ちの幼馴染と偽装結婚してみた
夏菜しの
恋愛
幼馴染のルーカスの態度は、年頃になっても相変わらず気安い。
彼のその変わらぬ態度のお陰で、周りから男女の仲だと勘違いされて、公爵令嬢エーデルトラウトの相手はなかなか決まらない。
そんな現状をヤキモキしているというのに、ルーカスの方は素知らぬ顔。
彼は思いのままに平民の娘と恋人関係を持っていた。
いっそそのまま結婚してくれれば、噂は間違いだったと知れるのに、あちらもやっぱり公爵家で、平民との結婚など許さんと反対されていた。
のらりくらりと躱すがもう限界。
いよいよ親が煩くなってきたころ、ルーカスがやってきて『偽装結婚しないか?』と提案された。
彼の愛人を黙認する代わりに、贅沢と自由が得られる。
これで煩く言われないとすると、悪くない提案じゃない?
エーデルトラウトは軽い気持ちでその提案に乗った。
妹に裏切られた聖女は娼館で競りにかけられてハーレムに迎えられる~あれ? ハーレムの主人って妹が執心してた相手じゃね?~
サイコちゃん
恋愛
妹に裏切られたアナベルは聖女として娼館で競りにかけられていた。聖女に恨みがある男達は殺気立った様子で競り続ける。そんな中、謎の美青年が驚くべき値段でアナベルを身請けした。彼はアナベルをハーレムへ迎えると言い、船に乗せて隣国へと運んだ。そこで出会ったのは妹が執心してた隣国の王子――彼がこのハーレムの主人だったのだ。外交と称して、隣国の王子を落とそうとやってきた妹は彼の寵姫となった姉を見て、気も狂わんばかりに怒り散らす……それを見詰める王子の目に軽蔑の色が浮かんでいることに気付かぬまま――