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レイとの出会い
レイと出会ったのは、私がまだ子どもの頃だった。
貧しい農家の口減らしで、私は両親によって人買いに売られた。そのとき、私は月のものもきていない十歳の子どもだった。
でも、田舎から大きな町に行く道中、私みたいな子どもを何人も積んだ馬車は森の中で盗賊たちに襲われた。
彼らにひどい目に遭わされそうになったとき、偶然野犬たちが攻撃してきたので、その隙に私は必死に逃げ出した。
森の中で運良く見つけた果物を食べて飢えをしのぎ、街道をひたすら歩いて町に着いた。
もう少し町が遠かったら、拾った食べ物が尽きて、動けなくなっただろう。
町は大きく、色んな家やお店があり、城もあった。
雨をしのげるところを探せば、私と同じように親のいない孤児たちと出会った。
その一人が、レイだった。
彼は私と同い年で、この町で生まれ育ったらしい。
母親が病気で死んで孤児になったと言っていた。
彼は町の情報に詳しく、裕福な家が捨てる残飯や、店の売れ残り情報を知っていた。
それだけではなく、彼の広い顔のおかげで、小間使いや日雇いの仕事も得て、私たちは辛うじて糊口をしのいでいた。
でも、ギリギリの生活では、簡単に孤児の仲間は死んでいった。
冬の寒さと飢えに耐え切れず亡くなった子もいれば、他は食べ物を探している最中に何者かに襲われて殺された子もいた。
私が十五になったときは、残ったのは私とレイの二人になっていた。
「ねぇ、レイ。私も働きに行くよ」
「ダメだ」
私の容姿は、目立ち過ぎた。
成長したせいで痩せていても体つきは女性らしく丸みを帯び、男たちから邪な目で見られるようになった。
だから、それを心配したレイは、私を守るために外へ出ることを禁じていた。
だんだんと景気が悪くなり、孤児だけではなく、浮浪者までも道端に増えていた。
食べるのに誰しもが必死だった。
人さらいも多くて、道端を女子供が一人で歩くのは危険だった。
「俺がいないときに変な奴が近づいてきたら困るだろ?」
「でも、私も働いたほうが、お金をいっぱい稼げるよね?」
「俺がいやなんだ。ごめん、ルミはここで内職でもしていてくれ」
「でも……」
内職の報酬は、外で稼ぐよりかなり少なかった。
「じゃあ、行くからな」
そう言って彼は私の頭を優しく撫でて仕事に行く。
その彼の背中を私は見送るだけ。
このままでは、レイのお荷物だ。
もっと稼いで彼の役に立ちたかった。
そうだ。この長く伸びた髪を売ろう。
私みたいな金髪は貴重だから高値で売れると聞いたことがある。
女性は長い髪が常識だったが、いつも出掛けるときは、顔が見えないように長布をかぶっていた。
だから、髪が短くなっても、誰からも変な目で見られる心配はない。
でも、彼に相談したら、絶対に反対するから、帰ってくる前に切ってしまいたかった。
売るなら綺麗なほうがいい。それなら川で髪を洗おう。そう思い、川沿いの橋の下に建てた掘っ立て小屋から私は出た。ここでレイと二人で住んでいた。
でも、髪を洗っている最中、二人の男たちに見つかって絡まれてしまった。
「おっ、かなりの上玉じゃねぇか。金なら弾むからやらせろよ」
私の腕を問答無用で掴み、引きずるように連れて行こうとする。
「止めて! 私、娼婦じゃない!」
「じゃあ、俺たちの女にしてやるよ」
「お断りよ!」
下衆な笑いを浮かべて、私を好きにしようとしたとき、けたたましい鳴き声とともに何かが彼らを襲ってきた。
複数の羽ばたきが聞こえ、黒い影が視界をかすめる。
カラスたちだった。
男たちに集団で意図的に襲い掛かっていた。私には目もくれない。
私はその隙にその場から逃げ出して難を逃れた。
貧しい農家の口減らしで、私は両親によって人買いに売られた。そのとき、私は月のものもきていない十歳の子どもだった。
でも、田舎から大きな町に行く道中、私みたいな子どもを何人も積んだ馬車は森の中で盗賊たちに襲われた。
彼らにひどい目に遭わされそうになったとき、偶然野犬たちが攻撃してきたので、その隙に私は必死に逃げ出した。
森の中で運良く見つけた果物を食べて飢えをしのぎ、街道をひたすら歩いて町に着いた。
もう少し町が遠かったら、拾った食べ物が尽きて、動けなくなっただろう。
町は大きく、色んな家やお店があり、城もあった。
雨をしのげるところを探せば、私と同じように親のいない孤児たちと出会った。
その一人が、レイだった。
彼は私と同い年で、この町で生まれ育ったらしい。
母親が病気で死んで孤児になったと言っていた。
彼は町の情報に詳しく、裕福な家が捨てる残飯や、店の売れ残り情報を知っていた。
それだけではなく、彼の広い顔のおかげで、小間使いや日雇いの仕事も得て、私たちは辛うじて糊口をしのいでいた。
でも、ギリギリの生活では、簡単に孤児の仲間は死んでいった。
冬の寒さと飢えに耐え切れず亡くなった子もいれば、他は食べ物を探している最中に何者かに襲われて殺された子もいた。
私が十五になったときは、残ったのは私とレイの二人になっていた。
「ねぇ、レイ。私も働きに行くよ」
「ダメだ」
私の容姿は、目立ち過ぎた。
成長したせいで痩せていても体つきは女性らしく丸みを帯び、男たちから邪な目で見られるようになった。
だから、それを心配したレイは、私を守るために外へ出ることを禁じていた。
だんだんと景気が悪くなり、孤児だけではなく、浮浪者までも道端に増えていた。
食べるのに誰しもが必死だった。
人さらいも多くて、道端を女子供が一人で歩くのは危険だった。
「俺がいないときに変な奴が近づいてきたら困るだろ?」
「でも、私も働いたほうが、お金をいっぱい稼げるよね?」
「俺がいやなんだ。ごめん、ルミはここで内職でもしていてくれ」
「でも……」
内職の報酬は、外で稼ぐよりかなり少なかった。
「じゃあ、行くからな」
そう言って彼は私の頭を優しく撫でて仕事に行く。
その彼の背中を私は見送るだけ。
このままでは、レイのお荷物だ。
もっと稼いで彼の役に立ちたかった。
そうだ。この長く伸びた髪を売ろう。
私みたいな金髪は貴重だから高値で売れると聞いたことがある。
女性は長い髪が常識だったが、いつも出掛けるときは、顔が見えないように長布をかぶっていた。
だから、髪が短くなっても、誰からも変な目で見られる心配はない。
でも、彼に相談したら、絶対に反対するから、帰ってくる前に切ってしまいたかった。
売るなら綺麗なほうがいい。それなら川で髪を洗おう。そう思い、川沿いの橋の下に建てた掘っ立て小屋から私は出た。ここでレイと二人で住んでいた。
でも、髪を洗っている最中、二人の男たちに見つかって絡まれてしまった。
「おっ、かなりの上玉じゃねぇか。金なら弾むからやらせろよ」
私の腕を問答無用で掴み、引きずるように連れて行こうとする。
「止めて! 私、娼婦じゃない!」
「じゃあ、俺たちの女にしてやるよ」
「お断りよ!」
下衆な笑いを浮かべて、私を好きにしようとしたとき、けたたましい鳴き声とともに何かが彼らを襲ってきた。
複数の羽ばたきが聞こえ、黒い影が視界をかすめる。
カラスたちだった。
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私はその隙にその場から逃げ出して難を逃れた。
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