14 / 26
潔癖
05
しおりを挟む
シリウスの手は俺の服を捲り上げ刻印された胸が露わになる。ささやかな筋肉と肌を撫で上げていた手が乳首を掠めた。
『ひっ…』
思わず声を上げた俺にシリウスは目を細めた。
「・・・・お前アドニスじゃないな?誰だ?」
ガツン、と頭を強く殴られたかのような衝撃。今シリウスはなんて言った?
シリウスの口から吐き出されたものとは思えないほど低く冷たい声量で放たれた言葉。言葉自体は理解出来た。
でも何て返せばいい?ゲームのアドニスじゃないとばれてしまったのか。急に何を…もしかして以前のアドニスは乳首でめっちゃ感じちゃうとか‥‥。
まさかこの世界はゲームで俺がお前達を生み出した、とでも言えばいいのか?惚けて誤魔化せるのか?
早く返事をしなければと焦れば焦るほど、思考がまとまらない。脳味噌が拒絶反応を起こしている。口を開いても言葉がでない。
『……なにっ、いって』
やっと口から出た言葉。
仇でも見るような目で俺を見るシリウスを見たくないと目を瞑ると、額をすっと撫でられる。子供をあやすような撫で方に恐る恐るつぶった目を開けば切るような鋭い視線はなくなっていた。
『シリウス……』
「アドニス、お前悪魔に乗っ取られてるぞ」
『えっ…だって………そんな…今まで普通だったし』
シリウスの言葉に安堵する。あの言葉は俺に対してではなく、悪魔に乗っ取られた俺に対することばだったのだ。乗っ取られていることはそれはそれで問題だけど。あの冷たい声と視線をもう見たくないと思う自分がいた。
「おそらく視界を盗み見られている」
『……じゃあ、さっき』
「悪魔に見られていた」
『なんでわかったんだよ……』
「気配でわかる。シャワーを浴びていたら急にお前の気配が妙になってな」
『気配………』
シリウスにそう言われてもいまいち理解できない。すごしていて変な違和感はなかったし、シリウスの口ぶりだと視界が盗み見られたのは初めてじゃないように聞こえた。
「嘘ではないぞ」
『…………じゃあ、いったいどうしたらいい。俺はそんなの悪魔に乗っ取られているとかわからない』
「…………」
途方に暮れてシリウスを見上げれば、すっと表情を無くしジッと俺を見つめてきた。でたーシリウスの視線攻撃。
ジッと見つめ返せば瞳が何か考えるように左右に動き、そして瞼はとじられた。金色の長い睫毛がとじられた瞼を縁取っている。瞼はすぐにひらかれ、何かを決心したかのようにシリウスの口が開いた。
「やはり、聖痕を付けるぞ。アドニス」
『えっ…でも………………それってセックスしないといけないってことだろ?俺には無理…』
「無理でも、やらないといけない」
『ひっ…』
思わず声を上げた俺にシリウスは目を細めた。
「・・・・お前アドニスじゃないな?誰だ?」
ガツン、と頭を強く殴られたかのような衝撃。今シリウスはなんて言った?
シリウスの口から吐き出されたものとは思えないほど低く冷たい声量で放たれた言葉。言葉自体は理解出来た。
でも何て返せばいい?ゲームのアドニスじゃないとばれてしまったのか。急に何を…もしかして以前のアドニスは乳首でめっちゃ感じちゃうとか‥‥。
まさかこの世界はゲームで俺がお前達を生み出した、とでも言えばいいのか?惚けて誤魔化せるのか?
早く返事をしなければと焦れば焦るほど、思考がまとまらない。脳味噌が拒絶反応を起こしている。口を開いても言葉がでない。
『……なにっ、いって』
やっと口から出た言葉。
仇でも見るような目で俺を見るシリウスを見たくないと目を瞑ると、額をすっと撫でられる。子供をあやすような撫で方に恐る恐るつぶった目を開けば切るような鋭い視線はなくなっていた。
『シリウス……』
「アドニス、お前悪魔に乗っ取られてるぞ」
『えっ…だって………そんな…今まで普通だったし』
シリウスの言葉に安堵する。あの言葉は俺に対してではなく、悪魔に乗っ取られた俺に対することばだったのだ。乗っ取られていることはそれはそれで問題だけど。あの冷たい声と視線をもう見たくないと思う自分がいた。
「おそらく視界を盗み見られている」
『……じゃあ、さっき』
「悪魔に見られていた」
『なんでわかったんだよ……』
「気配でわかる。シャワーを浴びていたら急にお前の気配が妙になってな」
『気配………』
シリウスにそう言われてもいまいち理解できない。すごしていて変な違和感はなかったし、シリウスの口ぶりだと視界が盗み見られたのは初めてじゃないように聞こえた。
「嘘ではないぞ」
『…………じゃあ、いったいどうしたらいい。俺はそんなの悪魔に乗っ取られているとかわからない』
「…………」
途方に暮れてシリウスを見上げれば、すっと表情を無くしジッと俺を見つめてきた。でたーシリウスの視線攻撃。
ジッと見つめ返せば瞳が何か考えるように左右に動き、そして瞼はとじられた。金色の長い睫毛がとじられた瞼を縁取っている。瞼はすぐにひらかれ、何かを決心したかのようにシリウスの口が開いた。
「やはり、聖痕を付けるぞ。アドニス」
『えっ…でも………………それってセックスしないといけないってことだろ?俺には無理…』
「無理でも、やらないといけない」
0
あなたにおすすめの小説
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
優しい檻に囚われて ―俺のことを好きすぎる彼らから逃げられません―
無玄々
BL
「俺たちから、逃げられると思う?」
卑屈な少年・織理は、三人の男から同時に告白されてしまう。
一人は必死で熱く重い男、一人は常に包んでくれる優しい先輩、一人は「嫌い」と言いながら離れない奇妙な奴。
選べない織理に押し付けられる彼らの恋情――それは優しくも逃げられない檻のようで。
本作は織理と三人の関係性を描いた短編集です。
愛か、束縛か――その境界線の上で揺れる、執着ハーレムBL。
※この作品は『記憶を失うほどに【https://www.alphapolis.co.jp/novel/364672311/155993505】』のハーレムパロディです。本編未読でも雰囲気は伝わりますが、キャラクターの背景は本編を読むとさらに楽しめます。
※本作は織理受けのハーレム形式です。
※一部描写にてそれ以外のカプとも取れるような関係性・心理描写がありますが、明確なカップリング意図はありません。が、ご注意ください
魔王の息子を育てることになった俺の話
お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。
「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」
現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません?
魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL
BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。
BL大賞エントリー中です。
強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない
砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。
自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。
ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。
とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。
恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。
ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。
落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!?
最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。
12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生
平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)
優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。
本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる