DANCING・JAEGER

KAI

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第3章

【複雑な関係】

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「兄弟。今は何を考えるにしてもネガティブになるだろう。遊んできたらどうだ? こう・・・・・・お、女とかとパーッと・・・・・・」


 最後はゴニョゴニョ言っていたが、クインにとっては複雑な心境なのだ。


 ヤクザ者が出所して求めるもの・・・・・・それは甘いものと女。


 組がまとまった金を渡して、一週間は『飲む・打つ・買う』の息抜きに使うのが習慣というものだ。


「いや。女には興味ないわ」


 その言葉に、クインは無表情で聞いておきながら内心はホッとしたのだった。


「そもそもワシ、ゼニ持っとらんし」


「え?」


「ほら。これがワシの全財産や」


 尻ポケットに入っていたクシャクシャの封筒を取り出す。


 刑務所の刑務作業により発生した金銭である。


 しかし、上述の通り龍敏はろくに作業をしてこなかった。


 しかも賃金はとてつもなく安い。時給換算したら数円・・・・・・十年勤め上げて十万円もらえたら御の字であろう。


 龍敏の封筒からは、ジャラリと小銭が数枚。


 お札は無し。


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