【完結】雑草令嬢とハキダメの愛

丸インコ

文字の大きさ
11 / 73
双葉

10.霧中の愛 Nigella




「遅え! 何だその反応速度は!」

 容赦のないげきが飛んで、持っていた模擬刀が弾き落とされる。

「とっとと拾えオラァ!」

 さらに怒声のおかわりが降ってきて、血が燃え立つ。

(クソッタレ!!)

 シャギーは腹の中で罵声を吐いて、相手に向かっていく。

 ブッシュ・クローバーとの稽古には一切の容赦がない。子どもだから、女だから、貴族だから。そういった遠慮が一切存在しないのはもちろんのこと、相手の感情を配慮して言葉を選ぶこともない。

(いやむしろ、わざと煽ってるな)

 シャギーはこれまで数々吐かれた暴言を思い出して、眉をしかめる。

(絶対食らいついてやる)

 転生前の世界であれば許されないようなクローバーの指導。しかしそれは負けず嫌いで雑草根性逞しいシャギーと非常に相性の良いやり方であったのだ。


「お前、次から騎士団の方の演習に混じるか?」
「いいんですか!?」
「まあ、“候補生”ってことで俺の口利きがあればいけるだろ」

 その日、稽古終わりにクローバーから掛けられた言葉は思い掛けないものだった。だが一度耳にしてしまえばそれはとてつもなく魅力的な話だ。

 王国中の精鋭を集めた王立騎士団。その騎士達と対して今の自分はどれだけやれるのか。いつも剣を交えているクローバーとの差は歴然としている。だがその彼が「混じっても良い」と判断するだけの力はついたと判断してもよいのだろうか。とても興味深い。
 加えて、今は週に2日しか指導してもらえないが騎士団の訓練に参加するのならば毎日クローバーの剣を見ることができる。うまく行けば誰かしらの指導を受けられるかもしれない。得られるものは羞恥や遠慮を上回る。シャギーは学習機会には非常に貪欲だ。

「お願いします!! 是非!」
「ソルジャー伯爵には許可取れよ」
「許可取れました!」
「いやちゃんと取ってこいよ」
「取ります! ありがとうございます!!」
「おう」

 世界がゲームの通りに進むのならばレオノティス・レオヌルスとの邂逅まであと5年。そのあまりにも短い時間で出来ることは何でもしたい。
 シャギーはクローバーを送る馬車に同乗して門まで出ると、そこで降りて見送りの挨拶をする。馬車が去っていくのを確認してから先程の出来事を噛み締めて、改めてガッツポーズをひとつ。
 それから、明日の魔法の授業のことを思い出してため息をひとつ。

 剣術の稽古が順調で着々と成果を上げる一方、魔法に対しては今ひとつ手応えが掴めず燻ったままでいる。それがこのところのシャギーの悩みだった。





「うん。良いですね」

 シャギーは師となったフォールスと共に、屋敷からほど近い森へ来ていた。

 精霊力の高い泉が湧き魔物の寄り付かないこの森は魔術の授業に最適だ。幼い頃のフォールスもソルジャー家が所有するこの森でよく訓練をしたという。
 その森でシャギーが本日の課題、霧を発生させる魔法を発動させると、フォールスはゆらゆらと靄にけぶる木々を眺め合格だとシャギーの頭をなでた。

 師から認められたというのにシャギーは浮かない顔でいる。

「良くはないです……。薄いし、範囲も狭くて」

 不満げな少女の言う通り、ぼんやりと漂う霧は薄く、藪の中に咲く黒種草の青が点々と透けて見えていた。
 シャギーの脳裏にはレオノティスとヴィーナスに殺されたゲーム画面が蘇る。あのシーンでも悪役令嬢シャギー・ソルジャーはこの霧の魔法を使って姿をくらまそうとした。しかしその術は弱く、ヒロインの光魔法であっさりと散らされて位置を特定されてしまう。あの恐怖から逃れるにはもっと強さが必要なのだ。
 もっと強い術でしっかりとした濃い霧を作れたなら二人から逃れられたのかもしれない。そう思うと一層「これでは駄目だ」という焦燥感にとらわれる。

 フォールスは唇を噛むシャギーを見下ろすと、なだめるようにまだ小さな頭に置いた手をポンポンと弾ませる。

「今の君の力で出来る魔法としては上出来だと思いますけど、厳しいですねえ」

 それが甘いのだ、と少女はさらに眉間にシワを寄せる。クローバーとの稽古のように、もっと腹の底から湧き上がる力が欲しい。だからフォールスにも厳しくしてほしいのに。

「先生は、私には期待が持てませんか?」

 それはシャギーの中に燻っていた本音だった。どんなに努力しても生まれ持った才能がない“噛ませ”には、普通以上は無理だと思われているのでは無いだろうか。
 フォールスはやれやれと苦笑してシャギーと目線が合うようにしゃがみ込む。「悔しい」とくっきりと描かれた鮮やかな新緑の瞳に穏やかな冬の色が映った。

「魔力量は十分にあると思いますよ。このまま努力を続けたらもっと伸びるでしょう」
「……ありがとうございます」
「だけどね、シャギー。魔法を発動させる力っていうのは魔力だけじゃないんですよ」
「そうなんですか!? 何が必要ですか? 教えてください、努力します!」

 悔しさを滾らせていた瞳が一転してキラキラと煌く。その様子にフォールスは困った子だというように眉を下げる。

「努力……とは少し違うかもしれない。魔法の強さに大切なのは、心です」
「ココロ」

 思いもよらぬワードにシャギーの頭の中で疑問符が飛び交う。心。心とは。

「感情って言った方がわかりやすいかもしれませんね」

 きょとんとして固まったシャギーに柔らかく微笑んでフォールスは続ける。

「強い感情は強い術を引き出す。例えば“怒り”なんかも強い力を持つ感情のひとつです。君の剣術の師匠はそれを無理やり引き出させて、魔力操作の精度を高めるのが上手いんじゃないですか?」

 わかる! とシャギーは大きく頷く。だから自分はフォールスにもあれをやってほしいのだ。

「屈辱や恐怖、絶望、後悔、欲望、そういう感情はあまり力を持たない。力は行き場なく内側にこもる」

 そう言われて、恐怖を動機に頑張っている今の自分に思いを巡らせる。

「怒りは前を向く力になるけれど、それは攻撃にとどまりその上の視点を持たない。プライドは崇高だけれど、嘲笑を生む。勇気はプライドを上回り、そのさらに上に意欲がある。意欲という自己の枠を超えたところに受容があり、受容の先にある理性はそれよりも強い」

 霧がたゆたう森の中。

 黒種草の青が、二人の師弟の周りで淡く揺れている。

 呪文のように紡がれる魔法使いの言葉。

「ねえシャギー、まだまだ幼いあなたに、最も強い力を持つ概念を教えてあげましょう」

 それは甘く細い意図の糸で、雨のようにさらさらとシャギーの身に降る。

「それは?」
「──愛」

 愛。環境より金銭より物理よりも弱々しい、あれが?

 それが棄てられるところをシャギーは前世で何度も見てきた。あれは力を“持たない”ものだ。だから菊子も時によってはあっさり捨てた。冷たいと言われても、そうかなあと特に感慨もなく。

「そんなの持ってないし。確かに努力でどうにかなるとも」

 肩をすくめてそう言うのはシャギーでなく菊子だ。シャギーには多分まだ少し早い。

 彼女が持つもうひとつの世界の秘密。それを知る由もないフォールスは、しかし幼い姪のらしからぬ態度に動じる様子もない。

「そうでもないかもしれませんよ。最近は誰でも持ってるんじゃないかって気がしています」
「私はどうかなあ、冷たい方に分類されると思うし」

 そう言われたこともあるし。内心で付け足す。

 フォールスは細く長い腕を少女に伸ばす。そうして幼さの無い言葉を吐く体を、ふわりと抱え上げた。急に高くなる目線。
 景色が変わり、地上に散っていた青い花が遠くなり、靄で薄くなる。シャギーが自分で思うより、術は成功していたのかもしれない。

「そう思うなら、それはシャギーが自分を許してないからじゃないですか」
「自分を許す」
「そう。思ったよりできてますよ。よくできたって褒めてあげたら?」
「全然足りないのは本当なのに?」

 うーん、手強いな。フォールスは面倒なことを言う姪のことを楽しそうに笑う。

「カランが魔法を発現していなくて、これ出来ないって言ったら同じことを言いますか?」
「言わない。出来ないのとやらないことは違うから」
「じゃあ、シャギーもまだ・・出来ない。でもここまでは・・・・・やった。そうでしょう?」

 そういうものか。

 まだ釈然としない様子の子どもを地上に降ろし、また、存在を確認するようにポンポンと頭をなでた。何度も繰り返されるその動作。

「そうやって自分を許してあげないと、なかなか人のことも許せないものですよ」

 その言葉にシャギーは菊子だった頃を思い出す。それは夢の中での最後の日。死ぬ直前に起きたバイト先での出来事。





「大丈夫だよ!」
「一緒に頑張ろう!」

 その日、菊子がバイト先のファミレスに行くと従業員控室では一人の少女が泣いており、数人のバイトメンバーがそれを慰めるように囲んでいた。
 輪の中心で泣きじゃくる少女はスダさん、という名だっただろうか。何度かシフトが重なることがあったが彼女はミスが多い。おそらく今日も何かしらミスをして店長に注意されたのだろう。パワハラに厳しいこのご時世、店長は大声で怒鳴ったり過剰な暴言を吐いたりするようなタイプではない。スダさんには少しの注意でもこうして悲嘆してしまうところがあった。

 お決まりの励ましが飛び交う塊の脇を抜けて自分のロッカーへ向かい制服に着替え始める。すると慰めている集団の中から一人の少女がやってきた。ヤノさん。彼女とはシフトが一緒のことが多い。とても明るく正義感に溢れている少女だ。

「お菊、悪いけど店長に遅れるって伝えて」
「遅れるのはヤノさんだけ?」

 他の面々はこれから上がるメンバーなのかと聞くと、ヤノさんは首を振った。

「遅れるのは私とユカリン。スダさんは今抜けてるところだけど、戻るのもう少しかかるから……」

 なんと。泣きじゃくるスダさんはまだ勤務時間中らしい。そのスダさんの背をさすってあげているユカリンさんに目をやりながら、菊子は内心でマジか、と呟いた。

「伝えるけど、伝えるだけだから後の判断は店長に聞いてね」

 ため息をつきたい気持ちを抑えて菊子は淡々と告げる。ヤノさんの目がキッと跳ね上がるが、それはスルーして背を向けた。さっさと着替えて行かなければ自分も遅刻する。

「お菊はほんと冷たいよね!」

 背中に投げつけられる言葉を聞きながら、果たしてこれは冷淡なんだろうかと、菊子はそれを受け流した。手早く着替えを終えて控室を出る。

『泣いてお金が貰えるならそうしたいよ』

 それはこんな場面に出会うたびに幾度となく脳内で呟いてきた、菊子の口癖。

 あの時、バイト中に泣き出したスダさんを見て、菊子は無責任だと呆れた。自分だったら絶対にしない。自分ならそれを自分に許さない。あの子だってやれるはずなのに甘えている。だって、現に何も持たない自分にだって出来ているのだから。

 ──自分を許さなければ、人のことも許せない。





「心の成熟は無理にさせるものじゃない。たくさんの感情を自分に許して、じっくり育てるものです。それにシャギーはもうすでに一度そういう魔法を使ったと思いますよ」
「そんなの使った覚えないです」
「カランの魔力を引き出してあげたのは、愛でしょう」

 そうなのだろうか。あれはふとした思いつきに過ぎなかったし、家族だから出来ることをしただけだ。

「家族や友達や、大切な人に向けられるなら、それはやがて世界にも向けられる」

 ポンポンと髪に触れる指先は柔らかくあまい。頭のてっぺんからじわじわと溶けていくような不思議な温度。これも何かの魔法なのだろうか。

「シャギーは頑張ってますよ。何を隠してるのかはわからないけどね」

 フォールスがぱちんと指を弾いて、霧を消す。

「愛は崇敬の感情から生まれて世界を許していく。本質を見抜く目と、すべてを溶かす温度を持っている。世界は許されて、溶かされて、精霊の力を増す」

 魔法使いの呪文は続く。唄うように。それは緑を取り戻した森の中で、さやさやと風に紛れた。

(次にこの人と会ったら、私の秘密を手渡してしまおう。)

 シャギーは藪の中に揺れる黒種草の群れを眺めながら唐突にそう思った。天啓のようにそれは訪れた。フォールスならば、どんなに信じがたいことでも受け入れてくれる。

 確信に似た予感があった。






【植物メモ】

和名:黒種草[クロタネソウ]
英名:ラブ・イン・ア・ミスト[Love in a mist]
   デビル・イン・ア・ブッシュ[Devil in a bush]
学名:ニゲラ[Nigella]
   
キンポウゲ科/クロタネソウ属
感想 7

あなたにおすすめの小説

【完結】男爵令嬢は冒険者生活を満喫する

影清
ファンタジー
英雄の両親を持つ男爵令嬢のサラは、十歳の頃から冒険者として活動している。優秀な両親、優秀な兄に恥じない娘であろうと努力するサラの前に、たくさんのメイドや護衛に囲まれた侯爵令嬢が現れた。「卒業イベントまでに、立派な冒険者になっておきたいの」。一人でも生きていけるようにだとか、追放なんてごめんだわなど、意味の分からぬことを言う令嬢と関わりたくないサラだが、同じ学園に入学することになって――。 ※残酷な描写は予告なく出てきます。 ※小説家になろう、アルファポリス、カクヨムに掲載中です。 ※106話完結。

追放令嬢、辺境王国で無双して王宮を揺るがす

遊鷹太
ファンタジー
王国随一の名門ハーランド公爵家の令嬢エリシアは、第一王子の婚約者でありながら、王宮の陰謀により突然追放される。濡れ衣を着せられ、全てを奪われた彼女は極寒の辺境国家ノルディアへと流される。しかしエリシアには秘密があった――前世の記憶と現代日本の経営知識を持つ転生者だったのだ。荒廃した辺境で、彼女は持ち前の戦略眼と人心掌握術で奇跡の復興を成し遂げる。やがて彼女の手腕は王国全土を震撼させ、自らを追放した者たちに復讐の刃を向ける。だが辺境王ルシアンとの運命的な出会いが、彼女の心に新たな感情を芽生えさせていく。これは、理不尽に奪われた女性が、知略と情熱で世界を変える物語――。

【完結】断罪された悪役令嬢は、本気で生きることにした

きゅちゃん
ファンタジー
帝国随一の名門、ロゼンクロイツ家の令嬢ベルティア・フォン・ロゼンクロイツは、突如として公の場で婚約者であるクレイン王太子から一方的に婚約破棄を宣告される。その理由は、彼女が平民出身の少女エリーゼをいじめていたという濡れ衣。真実はエリーゼこそが王太子の心を奪うために画策した罠だったにも関わらず、ベルティアは悪役令嬢として断罪され、社交界からの追放と学院退学の処分を受ける。 全てを失ったベルティアだが、彼女は諦めない。これまで家の期待に応えるため「完璧な令嬢」として生きてきた彼女だが、今度は自分自身のために生きると決意する。軍事貴族の嫡男ヴァルター・フォン・クリムゾンをはじめとする協力者たちと共に、彼女は自らの名誉回復と真実の解明に挑む。 その過程で、ベルティアは王太子の裏の顔や、エリーゼの正体、そして帝国に忍び寄る陰謀に気づいていく。かつては社交界のスキルだけを磨いてきた彼女だが、今度は魔法や剣術など実戦的な力も身につけながら、自らの道を切り開いていく。 失われた名誉、隠された真実、そして予期せぬ恋。断罪された「悪役令嬢」が、自分の物語を自らの手で紡いでいく、爽快復讐ファンタジー。

やり直し令嬢の備忘録

西藤島 みや
ファンタジー
レイノルズの悪魔、アイリス・マリアンナ・レイノルズは、皇太子クロードの婚約者レミを拐かし、暴漢に襲わせた罪で塔に幽閉され、呪詛を吐いて死んだ……しかし、その呪詛が余りに強かったのか、10年前へと再び蘇ってしまう。 これを好機に、今度こそレミを追い落とそうと誓うアイリスだが、前とはずいぶん違ってしまい…… 王道悪役令嬢もの、どこかで見たようなテンプレ展開です。ちょこちょこ過去アイリスの残酷描写があります。 また、外伝は、ざまあされたレミ嬢視点となりますので、お好みにならないかたは、ご注意のほど、お願いします。

転生悪役令嬢に仕立て上げられた幸運の女神様は家門から勘当されたので、自由に生きるため、もう、ほっといてください。今更戻ってこいは遅いです

青の雀
ファンタジー
公爵令嬢ステファニー・エストロゲンは、学園の卒業パーティで第2王子のマリオットから突然、婚約破棄を告げられる それも事実ではない男爵令嬢のリリアーヌ嬢を苛めたという冤罪を掛けられ、問答無用でマリオットから殴り飛ばされ意識を失ってしまう そのショックで、ステファニーは前世社畜OL だった記憶を思い出し、日本料理を提供するファミリーレストランを開業することを思いつく 公爵令嬢として、持ち出せる宝石をなぜか物心ついたときには、すでに貯めていて、それを原資として開業するつもりでいる この国では婚約破棄された令嬢は、キズモノとして扱われることから、なんとか自立しようと修道院回避のために幼いときから貯金していたみたいだった 足取り重く公爵邸に帰ったステファニーに待ち構えていたのが、父からの勘当宣告で…… エストロゲン家では、昔から異能をもって生まれてくるということを当然としている家柄で、異能を持たないステファニーは、前から肩身の狭い思いをしていた 修道院へ行くか、勘当を甘んじて受け入れるか、二者択一を迫られたステファニーは翌早朝にこっそり、家を出た ステファニー自身は忘れているが、実は女神の化身で何代前の過去に人間との恋でいさかいがあり、無念が残っていたので、神界に帰らず、人間界の中で転生を繰り返すうちに、自分自身が女神であるということを忘れている エストロゲン家の人々は、ステファニーの恩恵を受け異能を覚醒したということを知らない ステファニーを追い出したことにより、次々に異能が消えていく…… 4/20ようやく誤字チェックが完了しました もしまだ、何かお気づきの点がありましたら、ご報告お待ち申し上げておりますm(_)m いったん終了します 思いがけずに長くなってしまいましたので、各単元ごとはショートショートなのですが(笑) 平民女性に転生して、下剋上をするという話も面白いかなぁと 気が向いたら書きますね

大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!

古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。 その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。 『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』 昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。 領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。 一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

毒を盛られて生死を彷徨い前世の記憶を取り戻しました。小説の悪役令嬢などやってられません。

克全
ファンタジー
公爵令嬢エマは、アバコーン王国の王太子チャーリーの婚約者だった。だがステュワート教団の孤児院で性技を仕込まれたイザベラに籠絡されていた。王太子達に無実の罪をなすりつけられエマは、修道院に送られた。王太子達は執拗で、本来なら侯爵一族とは認められない妾腹の叔父を操り、父親と母嫌を殺させ公爵家を乗っ取ってしまった。母の父親であるブラウン侯爵が最後まで護ろうとしてくれるも、王国とステュワート教団が協力し、イザベラが直接新種の空気感染する毒薬まで使った事で、毒殺されそうになった。だがこれをきっかけに、異世界で暴漢に腹を刺された女性、美咲の魂が憑依同居する事になった。その女性の話しでは、自分の住んでいる世界の話が、異世界では小説になって多くの人が知っているという。エマと美咲は協力して王国と教団に復讐する事にした。