【完結】雑草令嬢とハキダメの愛

丸インコ

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若葉

18.日向水木 Buttercup Winter Hazel





 歴史ある建物や街並みを残した街イフェイオン・ピンクスターは、王都イフェイオン・ユニフローラムから東へ向かった先にある。

 “教会の都”と称されるとおり、街を形成する核となるのはカルミア教会の総本山レッドクラウン大聖堂。石造りの外壁は白亜に磨かれ、巨大な丸屋根を支える柱に隙間なく施された彫刻は陽の光を受けて輝き、雨水を滴らせて光る。
 堂内に入れば細密な図案によるステンドグラスから七色の光が注ぐ。祭壇へ向かう身廊の天井は高く、側廊との境には天使の像が並ぶ。天井は絵画で彩られ、梁の一本、扉の一枚から窓枠に至るまで精緻な細工で装飾され、堂内を埋め尽くす美には圧し潰されそうな息苦しさを覚える程だ。

 王都にある司教座聖堂、オスボレッド大聖堂も贅を凝らした荘厳な造りだが、このレッドクラウン大聖堂には及ばない。名だたる芸術家や建築家がその創建に関わり建造物というより芸術作品と呼ぶのがふさわしい大聖堂。聖女カルミアの墓所であり、カルミア教最大の聖地である。

 空が藍色に染まり、鉤爪のような月がかかる頃。

 聖女カルミアの不朽体が安置されている内陣の大天蓋を過ぎて、さらに進んだ先の半円の空間。後陣アプスに一人の青年が居た。聖堂の最奥部にある司教座。精緻な彫刻で絢爛と飾られた黒壇の椅子は無人だが、座す者のない高き場所へ向かって、青年は祈りを捧げる姿勢で跪いていた。目を瞑り、両手を組んで頭を垂れた背に老人のように白い髪が真っ直ぐと肩から流れている。

 聖職者のオルガニストが居残りでレッスンをしているのかフーガが聴こえてくる。青年の耳に届けられる荘厳なパイプオルガンの音色。その調べの隙間から差し込まれるように“声”があった。

「ヴィオラセ」

 青年の名を紡ぐ、深く分厚い、老成した男性の声。

 昼間は世界各地から訪れる信者で賑わう大聖堂だが、街の外壁門が閉ざされる夜間は立ち入り禁止となるため建物内には見張りの兵の他には少しの聖職者が残るのみとなっている。
 司教座のある後陣には彼以外の人影は見当たらず、どこから声が掛けられているのかはわからない。半球形の天井に反響して耳に届くそれに反応するようにヴィオラセと呼ばれた青年が薄っすらとまぶたを上げる。髪と同じ白色の睫毛の隙間から鮮やかな赤紫色が覗いた。

 姿のない声の持ち主については知った存在なのか、ヴィオラセは少しの動揺も見せずに下される言葉を待っている。

「女神の欠片が見つかった」

 声は言う。その内容に伏せられていた目が見開かれた。

「王都にて回収せよ」

 ヴィオラセにとって声は絶対だ。絶対の権威、絶対の示教、絶対の信仰、絶対の真実。

「御意」

 ソレ・・の見つかった経緯や詳細は追って知らされるであろう。若き司祭はただ、是を示した。





「はー! 採寸終わったああ! 菊ちゃんケーキ食べて帰ろー」

 仕立て屋を出たアイリスが気の抜けた声を上げながら伸びをする。庶民がおいそれと服を買えず貴族は屋敷にデザイナーを呼びつけるような世界で、なぜストリートの仕立て屋が存在するのか。それはここが乙女ゲームの世界だからだ。デートで食べ歩きしたり、立ち寄った店でドレスを仕立てたり、アクセサリーショップでジュエリーをプレゼントしたり。そんなイベントの為に街角のメゾンは必須なのである。

 シャギーとアイリスは王立学園の制服を作るため揃って仕立て屋を訪れていた。ソルジャー家もサングイネア家も仕立て屋を家に呼べるだけの余裕は十分にあるのだが、たまには街で遊びたかったのだ。
 あと三ヶ月後。春になったら二人は王立学園に入学する。カランコエやスパイクのひとつ下の学年だ。
年齢でいけばアイリスはシャギーの2歳上だが貴族籍に入ったのが遅かったため教育が遅れており、シャギーと同学年での入学になる。──というのは建前で、シャギーの断罪ルート回避に協力するため──というのも建前で、純粋に推しの学園生活を間近で見守りたいだけ……なのかもしれない。

「せっかく測ったのにサイズ変わっちゃうよ?」
「この日のために我慢してたんだもん! 入学までに戻せばいーの!」

 乙女ゲームの世界にはもちろんカフェもパティスリーも存在する。

「ケーキ久しぶり」

 ササミと温野菜を主食にしているシャギーが珍しく声を弾ませる。ストイックが身につき過ぎてこうして連れ出される機会が無ければなかなか口にしないものの、甘味と脂には誰しも心躍るものなのだ。

「へへ」

 少し浮かれたシャギーを見て、アイリスは嬉しそうに笑って友人の腕に手を回す。

「なになに?」
「いや、シャギーたんが楽しいと幸せなの」
「ふうん」

 シャギーは照れたように顔を逸らす。その表情をアイリスは存分に堪能した。何せ前世からの推しなのだ。推しの幸せこそ我が幸せ。

『それに……』

 引っ付いていた腕を少し伸ばして距離を取りシャギーの全身を眺める。

 背が高い。それ以上に脚が長い。なぜ脚の長さがわかるのかと言えばシャギーがパンツ姿だからだ。濃紺のトラウザーズに包まれた脚はスラリと伸びて、ショート丈の上着は季節柄厚手で、グレーのシンプルなデザインで。

『すごく格好良い男の子とデートしてるみたいで、二倍お得』

 長い髪をひとつに束ねたシャギーは令嬢ではなく、ただ人目を引く美少年だった。



「キャアアアッ!」

 二人が目当てのカフェに入ろうと扉に手をかけたその時。女性の叫び声が上がり通りがにわかに騒がしくなる。
 シャギーは咄嗟にアイリスを店内に押し込んで安全を確保すると扉を背にして騒ぎの起きている方向に目を向けた。

「なにごと!?」

 急に扉の中へ入れられたアイリスが扉の上部にある小窓から目をのぞかせ、シャギーの後頭部に声をかける。

「わからない。店から出ないでね」

 言い置いて駆け出す友人の背中をアイリスは緊張のまま見守る。駆けつけたシャギーの目に映ったのは蜘蛛の子を散らすように割れていく群衆と、その先に居る一人の男。
 汚れた身なりと顔を覆う髭。風貌からスラムの住人であることが推測できる男は革の鞄を抱えたまま人々をなぎ倒し突進してくる。

 引ったくりだろうか。シャギーは店先に立てかけられていた柄の長いブラシを拝借して髭男の足元にひょいと投擲する。足をもつれさせて転倒した拍子に放り出された鞄を拾い、パンパンと埃を払った。

「てめぇ何しやがる!!」

 髭男が立ち上がって飛びかかってくる。手にナイフが握られているのを見た衆人から悲鳴が上がるが、シャギーは涼しい顔で2歩、3歩、足を後ろに滑らせ踊るように男の腕を回避した後、ナイフを持つ手を下から蹴り上げた。
 回転しながら宙を舞い、再び落下してきたナイフの柄をキャッチして、そのまま流れるように髭の顎に肘を入れる。左手のナイフをパンツの後ろポケットに仕舞いつつ、右手でのけぞった髭を掴んで腹に膝を叩き込む。前のめりになってよろけたところで、すかさず首筋に手刀を叩き込んで昏倒させた。
 意識は無さそうだが念の為、うつ伏せに倒れた男の背に膝で乗り、両手を後ろにまとめてひねり上げる。

「誰かロープを」

 シャギーが人垣に声を掛けると、あちこちから荷を固定するロープが飛んでくる。

「一本でいいんだけど……」

 苦笑しながら、その内の一本を使って男を拘束していく。

「お兄さん、若いのに騎士団の人なのかい!?」

 敵を拘束するやり方は騎士団で学んだものだ。結び方に覚えがあるのだろう。先程ブラシを拝借した果物店の女将さんから驚いたような声を掛けられた。

「見習いです」

 お兄さんの部分は特に否定せずシャギーは立ち上がって被害者であろう女性の姿を探した。令嬢二人で街へ出て危険があってはいけないと動きやすいパンツスタイルで出たのだが、うっかり自ら危険に飛び込んでしまった。
 反省しつつ、しかし黙って見過ごすことも出来なかったなと思う。騎士団で培われたのは戦う技術だけではない。騎士たる精神もまた学んだことだった。

 周囲の人達に協力してもらい拘束した男を道の脇へと運ぶ。自警団が来たら窃盗犯と所持していた凶器を引き渡してほしいと伝えていると数名の従者を連れた婦人が人を掻き分けて飛び込んで来た。

「騎士様、ありがとうございます……!」

 30代半ばといったところだろうか。シャギーは死別しているが母親くらいの世代と思われる貴族の女性。

「あら、あなた女せ……」

 シャギーの性別に気付いたのだろう言葉を目配せと唇に当てた人差し指で制する。もう一度、鞄についた埃を払うと、婦人に渡した。

「どうぞ。少々乱暴に扱ってしまって、すみません」
「お待ちになって!」

 そのまま背を向けて歩き出したところを後ろから掴まれて止められる。お礼だの何だのとなれば今は領地にいる父や留守を預かる兄に心配を掛けた上に外出も渋られるようになるかもしれない。一応はご令嬢の身の上のため、面倒な事にはしたくない。
 どう切り抜けたものかと考えるシャギーの耳元に婦人がそっと口を寄せ囁く。

「あの、破けてしまっているの……お尻……」
「!!」

 慌てて背後を確認すれば、先程男のナイフをねじ込んだポケットが無残に裂けていた。下着が見えるような被害ではなかったが派手な裂け目はなかなか目を引く不格好さだ。

「ご事情がおありでしたら私だけの秘密にしますから、どうかお召し物だけでも贈らせてくださいな」

 集まってきた野次馬を避けて移動しても婦人は頑なに離してくれず、カフェから飛び出してきたアイリスと婦人の従者たちをぞろぞろ引き連れて動くわけにもいかず。

「ソルジャー家のシャギーと申します……あの、本当に、大事には……」
「まあ!」

 念押ししながら名乗った瞬間に婦人が目を丸くして、両手で口元を覆った。

「私、バターカップ・ウィンターヘイゼルと申しますの!」

 ウィンターヘイゼル……?

 シャギーの背をひやりとした汗が伝う。この国でそんな家名を名乗れる人間がほいほいと居るわけがない。ちらりと隣を見ればアイリスと目が合った。その目は語っている。もしかして、いや、もしかしなくても、この人って。

「息子から伺ってますのよ! シャギーさんのこと!」

 やっぱりウィンターヘイゼル公爵夫人ですよね。シャギーは内心で頭を抱え、表面だけはなんとか引きつった笑みを浮かべた。

「ご子息には……兄がお世話になっております……」

 ウィンターヘイゼル公爵家よ、公爵夫人とかやんごとなさすぎる身分の女性を街に放たないでほしい。この国で一番の大貴族の屋敷がある方角へ向けて、シャギーは恨みごとを吐いた。心の声で。






【植物メモ】

和名:日向水木[ヒュウガミズキ]/姫水木[ヒメミズキ]
英名:バターカップ・ウィンターヘイゼル[Buttercup Winter Hazel]
学名:コリロプシス・パウキフロラ[Corylopsis pauciflora]

マンサク科/トサミズキ属
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