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睦月のむつごと
17.
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おそらく津田は、自分が本当はタチだということを、乾に言うつもりはなかったのだろう。
何も告げず、当然のように抱く気でいるαに、甘んじて抱かれることを受け入れてくれた。その上で、うまくいかなかったのは自分のせいだと笑ってくれるのだ。
(優しすぎるんだ…… この人は…… )
乾は自分も身体を横向きにして、津田と向き合った。
「津田さん、俺、なんか自分がカッコ悪すぎてもういっそ全部言ってしまおうって気分なんですけど…… 」
「うん?」
「まず…… ちゃんと、準備してなくてごめんなさい」
ローションひとつ用意してないくせに、早く挿れたいなんて子どものようにねだってしまった。そのせいで津田に無理をさせ、充分に身体を慣らしてあげることもできなかった。
横になった姿勢だと実際には「下がり」はしないのだが、乾は頭を下げて謝罪した。
「だからそれは…… しょうがねぇと思う。発情期じゃないΩ、しかも男なんか、抱くの初めてなんだろ?」
「発情期の妻としか…… 経験がありません」
この状況で妻の話などしたくはない。でも失態の事情を理解してもらうには、自分の経験のなさを素直に晒すしかないだろう。乾はそう思い、津田の鎖骨を見つめた。
「学生時代は、そういうこととは無縁で…… 勉強ばかりしてきましたから、本当に、妻とだけ…… なんです。しかも、ヒートの時しか…… ないので、恥ずかしながら、手順も何も…… というか、記憶もほとんどなくて…… 」
行為が「うまくいかないかもしれない」というイメージさえも、持っていなかったのだ。そんな30歳の既婚者がいることを、分かってもらえるだろうか。
乾が言葉を切ると、津田の喉仏がこくりと動いた。
「平常時童貞」
からかうような言い方に思わず顔を上げると、津田は案外優しい顔で笑っていた。
何も告げず、当然のように抱く気でいるαに、甘んじて抱かれることを受け入れてくれた。その上で、うまくいかなかったのは自分のせいだと笑ってくれるのだ。
(優しすぎるんだ…… この人は…… )
乾は自分も身体を横向きにして、津田と向き合った。
「津田さん、俺、なんか自分がカッコ悪すぎてもういっそ全部言ってしまおうって気分なんですけど…… 」
「うん?」
「まず…… ちゃんと、準備してなくてごめんなさい」
ローションひとつ用意してないくせに、早く挿れたいなんて子どものようにねだってしまった。そのせいで津田に無理をさせ、充分に身体を慣らしてあげることもできなかった。
横になった姿勢だと実際には「下がり」はしないのだが、乾は頭を下げて謝罪した。
「だからそれは…… しょうがねぇと思う。発情期じゃないΩ、しかも男なんか、抱くの初めてなんだろ?」
「発情期の妻としか…… 経験がありません」
この状況で妻の話などしたくはない。でも失態の事情を理解してもらうには、自分の経験のなさを素直に晒すしかないだろう。乾はそう思い、津田の鎖骨を見つめた。
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