ただΩというだけで。

さほり

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番(つがい)

15.

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  同居の意思を伝えてすぐに、部屋を用意してくれた乾。そうは見せなかったけれど、きっと忙しない週末を過ごしたのだろう。几帳面な彼がうっかり洗濯物のことを忘れてしまったという事実に、思わず頬が緩む。

  津田は乾燥機の扉を開け、放置された衣類を掻き集めて胸の前に抱えた。
  不思議だな、と思う。
  この家にあった洗剤は、津田が使っているものと同じメーカーのものだ。それでも、抱えた清潔な衣類の山から立ち上る香りは、普段自宅で嗅ぐものと全く違う。

  乾の匂いだ、と、意識したその刹那。津田は膝の力が抜けて、その場に崩れ落ちた。

「は…… っ」

  冷たい床に、乾いた衣類が散乱する。そこに手をついた津田は、ドッと身体中の血が沸き立つような性の暴発を感じた。

(始まった…… )

  身体に力が入らない。四つん這いの姿勢を保つことさえ難しくて、津田はごろりと仰向けになった。
  身体が熱く、動悸が激しい。甘い毒に侵された血液が身体を巡る。
  痺れて細かく震える指先に、柔らかい布の感触がある。顔の前に引き寄せると、それは乾のシャツだった。

「あぁ…… 」

  思わず声が漏れる。身体の最深部に響くような、あまりに甘い匂い。腰の奥に生成された器官から流れ出た熱い体液が、津田の直腸を潤した。
  両手の動く範囲で衣類を掻き集め、顔の前にまとめる。その中に鼻を埋めると、なんとも言えない幸福感に包まれた。
  夢見心地のまま、眠ってしまえればいいのに。
  高まった熱は下半身に集まり、貪欲な身体が刺激を求めて疼く。

  ホシイ……
  モット、αノ匂イ……

  緩慢に手足を動かして、津田は床に散らばった乾の衣類を集めた。
  シャツに下着、タオルや布巾が小山のようになる。大きくなった布の山を抱きしめ、鼻腔いっぱいにその匂いを吸い込むと、まるで彼に抱きしめられているようだ。その感覚は、津田に安らぎと昂りを同時に与えた。

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