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新生活
16.
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「津田さんが嫌がることは、できるだけしたくないと思っているんです。でも、番になった相手のご両親に不義理をするわけにいきません。先方から断られたら諦めます。でも、時間をとってもらえるか、聞いてみてくれませんか?」
礼を欠くことのない乾の姿勢に、育ちの良さを感じた。Ω蔑視の環境だったと以前聞いたが、それは単に価値観の違いであり、彼は礼節を重んじる家庭できちんと躾けられたのだろう。
実家との連絡を拒み続ける自分の方が子どもっぽく感じられて、津田はしぶしぶ首肯した。
「俺も…… あいさつ行った方がいいよな?お前ん家に」
「礼を欠くな」と乾を教育した彼の両親のことを考えると、こちらもそうせざるを得ない。
Ωの自分が歓迎されるはずはないが、行かなければ印象は更に悪くなるだろう。そう思って聞いた津田に、乾はさっきよりもっと困った顔で間をおいてから
「そうですね。」
と答えた。その間はおそらく、自分の実家で津田がどのようにもてなされるかを考えていたのだろう。
「その前に一度、俺一人で実家に行こうと思ってますけど…… 近いうちに、律君も一緒に、来てもらえたら嬉しいです」
事前の根回しが必要ってわけか。若く美しく、跡継ぎまで産んでくれた嫁を、Ωというだけで認めなかったという彼の両親だ。歳上でバツイチ、しかもコブ付きの自分にいい顔をするわけがない。
行くも地獄、行かぬも地獄。
ちらりとそんな考えが頭をよぎり、乾を育ててくれた両親に対してそれこそ失礼だったと、津田は密かに反省した。
「大丈夫だよ。俺、歓迎されないことには慣れてっから」
津田がそう言うと、乾は一瞬眉間にしわを寄せ、苦笑いでため息をついた。
「正直に言って、佐伯常務のところみたいに温かい実家ではありません。でも両親が失望しているのは俺に対してで、津田さんがどうこうというわけじゃないんです。だから、応対が悪くても気にしないでくださいね」
礼を欠くことのない乾の姿勢に、育ちの良さを感じた。Ω蔑視の環境だったと以前聞いたが、それは単に価値観の違いであり、彼は礼節を重んじる家庭できちんと躾けられたのだろう。
実家との連絡を拒み続ける自分の方が子どもっぽく感じられて、津田はしぶしぶ首肯した。
「俺も…… あいさつ行った方がいいよな?お前ん家に」
「礼を欠くな」と乾を教育した彼の両親のことを考えると、こちらもそうせざるを得ない。
Ωの自分が歓迎されるはずはないが、行かなければ印象は更に悪くなるだろう。そう思って聞いた津田に、乾はさっきよりもっと困った顔で間をおいてから
「そうですね。」
と答えた。その間はおそらく、自分の実家で津田がどのようにもてなされるかを考えていたのだろう。
「その前に一度、俺一人で実家に行こうと思ってますけど…… 近いうちに、律君も一緒に、来てもらえたら嬉しいです」
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「大丈夫だよ。俺、歓迎されないことには慣れてっから」
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