男女について考える(ほとんど憶測と偏見とヒステリー)

月澄狸

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女、というか人間の出来損ない

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 みんなセックスをしているのに、街にはセックスなどという行為は存在しないかのように、上手に隠されている。

 今、自分のまわりの人は概ね優しい人ばかりで、子どものいる人が多いから、みんな上手にセックスしているだろうが。一生懸命働いている人々に性欲の気配など見えず、やっぱりそんなことはファンタジーや作り話のようである。


 本当に、人を誘って恋愛やセックスに持ち込むことなど可能なのだろうか? セックスなどという行為は実在するのか? そんな概念、そんな世界は私には見えない。

 ……ああ、そうだった。私は性被害に遭って「男性が苦手」だと、強く強く握り締めてきたから。「そっち側」を見ようとしなかったな。


 下ネタに耳を塞ぎ、恋バナから逃げ、それどころか仕事や人生からも逃げたい。これを私は「対人恐怖症」と呼んできたけれど……何だろう。能力のなさもあるけれど、人間そのものから逃げたがっているのかも。人間社会から逃げ延びて生きる術など持たないのに。

「恋愛」や性的な描写を見ると、「不愉快」という感情でシャットダウン。そうして生きてきたのだろう、私は。恋が楽しいとか憧れとか、そんな世界には程遠く。


 みんな恋バナは好きなのに、セックスの話はそれほど表に出てこない。
 それは法的に規制されているからだったな。無闇に言ったらセクハラになるんだ。

 無闇に言ったらハラスメントになることを、みんなどう合意しているんだろう。想像もつかない。
 女子は恋バナが好きだけどエロが嫌い、男子はエロが好きだけど恋がめんどくさい。そんな小中学生のイメージのまま止まっている。それ以上先へ行けない。


 年齢ギリギリ。最近「滑り込めば間に合うかも」なんて言っていた自分だけれど、よく考えたらそんなはずなかった。

 私は性が怖いのだ。万が一セックスする雰囲気に持ち込めたとしても、「やっぱり嫌だ」と言って逃げるだろう。それを何度でも繰り返す。そして相手が愛想尽かしてどっか行くか、強引に行為をされてトラウマを増やすかのどっちかがオチだ。

 例え辛抱強く相手し続けてくれたとしても、どんどん月日が過ぎることだろう。私はのろいのだから。トラウマ克服に5年かかるかも。
 ほら、間に合うはずがない。滑り込みなどするはずがないのだ。

 なら女であったことなど忘れちまえ。女でも男でもなくなれ。ただの人間だ。あるいは無。


「人と付き合いたいけどセックスしたくない」なら。付き合う必要もないじゃん。
 そもそも私は人と関わるのが苦手なんだから。挨拶を交わし仕事の話をする、職場の淡い人付き合いだけで十分。何気なく知り合いと言葉を交わすだけで私は十分刺激を受けるし、嬉しくなったり悲しくなったりと忙しい。

 誰とも深い仲になれない孤独感。これは自業自得だ。私が自分の感情をコントロールできず、気分次第で逃げたり攻撃したり、振り回したりするから。せっかく仲良くなれても、裏切られるのが怖くて、こちらから先に疑心暗鬼になって仲をブチ切るから。友達ができないのだ。

 自身がエナジーバンパイアになっているのだ。私だったら私みたいな人と関わりたくない。仕方ないよ。


 思えば子どもの成長ってすごいよなぁ。こないだまで赤ちゃんだったのに喋りだし、泣き喚いていた子が社会性を身に着けていき、思春期を迎え、やがてセックスし、結婚し、今度は親になる……。たった20年やそこらで、成長する。

 私なんてみんなから遅れ続け……遅れているというより何も分からないままに近いかも。
 基本中の基本さえできていない。重要な常識を理解していない。一体何なんだろう。


「この世に馴染めない」「人付き合いが苦手」なんて人の文章を見かけて共感しかけても、その人には家庭があったり恋人がいたりする。
 いや、それって完全にこの世に馴染めてるじゃん。完璧に人付き合いできてるじゃん。「セックスしよう」「うんいいよ」というコンタクトを他人と取れるんだろ。

「セックスしよう」「うんいいよ」なんて会話、あるんだろうか。いや、ムードというやつか? 察する的な?

 空気が読めない私にはムードも分からん。相手に好かれているか嫌われているかさえ、まったく分からないのだ。こちらから積極的に行ってみたって、セクハラで訴えられるのがオチだろうし、向こうから強引に来られたら怖い。


 私には「それかして」「うんいいよ」という幼稚園レベルのコミュニケーションすらできなかった。次元が違う。

 他の人が言う「人付き合いが苦手」なんて、私には雲の上の話なのだ。他の人はもっと先、もっと上のレベルにいて、私からは足元さえ見えない。


 働くこと。生きること。お金の管理。手続き。コミュニケーション。
 大事なことの色々を共有する、家庭……

 ダメだ。私はとりあえず、ほんの少し先へ進むことから始めないと。
 ……先ってどこだ。


 みんななぜ平気で恋の話をできるのだろう。よく理性を保っていられるなぁ。あんなに恋の歌や話ばかり聞いて、私は気が狂いそうだ。

 私が恋の話が苦手なのは、エロが苦手すぎるからだと思っていたが、逆かも。発情してしまって辛いから、恋バナから逃げようとしていたのかも。

 できもしない恋の話。食べられもしないご馳走の話。それだけで満足する人もいるのかもしれないけど、私は恋の話じゃ満足できないのかも。


 私なんか中身が幼稚園児……いや人間以下なのに、性欲に苦しめられている気がする。やっぱり性欲と恋は別物なのか。

 類は友を呼ぶ。人は鏡。
「人間に理性や愛情なんてない」と感じるのは、自分自身に性欲しかなく、理性や愛情がないからか。


 もういい加減こんなこと、どうでも良いだろう。
 私は生きなきゃ。生きられるとこまで生きなきゃ。未来でお金がスッカラカンになるとしても、体が動かなくなるとしても、キリギリスのごとく今を謳歌し、今日まで生かしていただいたことに感謝するんだ。とりあえず嫌でも働くんだ。

 虫たちは生にしがみついていないからカッコいい。私なんて何も成し得ていないのに、生にしがみつく生存本能だけが旺盛で、見苦しい。それでも死ぬのが怖い。安心して、楽に生きたい。


 男女平等の世界になったって。多種多様な仕事があったって。生きることの基本は働くこと。しばらく変わらないだろう。

 私は家事も下手。仕事も下手。古い価値観で言うと「男の価値」、「女の価値」、私はどっちも持っていない。バリバリ働けていないし、子孫を残してもいない。

 作業が下手。色々芸術をやってみているつもりでも、それも遅く、実がならない。こんな状況で男女平等を目指すもへったくれもない。あれもこれも、私の到達できない場所。次元の違う話。すなわち関係ないじゃないか。


 生きなきゃ。集中するんだ。選ばないもの、選べないもの、自分に関係ないこと、できないことは捨てなきゃ。

 そう言いつつも長いこと優柔不断で、感情や本能に流され、同じところでグルグル、右往左往しているのであった。
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