印象に残った夢

月澄狸

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よくある夢の火事/夢と現実と記憶のスパン

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 この間の夢。自分の家の並びの屋根に火がつき、燃えかかっていた。
 今ならまだ、急いで入れば、大事なものくらいは持ち出せるかもしれない。しかし行こうとする私を、近所の人だか通りすがりの人が「やめときな!」と止めた。
 私は妙に明るく、「そうだね、命が大事だ。生きていればどうにだって、やり直せる!」と思った。

 けど目が覚めてみると「ああ、夢で良かった」とホッとした。
 現実より楽しそうな夢を見ると、起きたときガッカリし、現実よりしんどい夢を見ると、起きたときホッとする。





 実際の夢の中ではもっと鮮明だったはずの記憶が、起きると飛び飛びになったり、あやふやになったり。
 これでも以前よりはだいぶ、夢を思い出す力が上がりましたが、夢って気を抜くとすぐ忘れそうになるので不思議です。でも一度「こういう夢を見たな」と記憶を定着(?)させると、夢の記憶も現実の記憶と同じ、「覚えていられる記憶」に変わるような。

 けど夢より現実の記憶の方がしっかりしていると思いきや、時を経た記憶は、現実のものでもあやふやで。
 蟹を食べたのは、鳥取だっけ福井だっけ? 高山植物を見たのは長野? 日本人形が飾ってあった旅館は富山だったか違ったか? 百合がいっぱい咲いていた記憶は、滋賀のか、別のところか?
 いつ誰とどこに行って何を見たか、古い記憶同士がいっしょくたに引っ付いてしまって、終いには夢だったか現実だったか忘れてしまう始末。

 そう思うと、夢の記憶も現実の記憶も同じく忘れやすいけれど、夢の方が忘れる速度が早く、現実の出来事を忘れる速度は比較的ゆっくりな気がします。
 ……とか言って、昨日の晩御飯は思い出せませんが。


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