三日坊主の幸せごっこ

月澄狸

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相対的ダメ人間

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 今日は「いつの間にか妊娠していた」夢を見たが、非常に憂鬱な気分になった。

 やっぱり私はダメだなぁ。「少しでも多く、自分の好きな時間を過ごすにはどうしたらいいか」という視点しかないのだろう。「子どもが産まれたら好きなことする時間なくなるな、寝られなくなるな」としか思わない。

 あと痛いことは本当に、何が何でも嫌。
 思えば子どもの頃も、擦りむいた膝が痛いと、いつまででもギャーギャー喚いていたような。
 
 万が一、今から数年の間に「運命の人」みたいに感じる人間に会っても、私は……家族との支え合い、家庭構築など無理っぽい。


 セックスも出産も痛いに違いない。よくみんな耐えられるなぁ。私は耐える以前に恋愛の世界に踏み入ることさえできなかった。何気なく寝床で寝ころびながら「もし今妊婦だったら」とか想像してみても、恐怖しかない。

 セックスも出産も絶対痛いのに、人が蚊に刺されただの虫が怖いだの、小さいことでギャーギャー言っているのを見ると、これまた不思議である。セックスや出産に比べりゃ屁でもなかろうに。


 ネットの人のプロフィールとか見ていると「昔から社会の在り方に疑問を抱き、社会に馴染めずに生きてきました。心身の病気も色々経験しました。今は二児の親。」とかいうのが多くて(?)、なぜ人の親になろうと思えるのか、雲の上(?)の話すぎて分からない。

 昔から誰とも感覚が合わなさすぎて、人類が謎すぎて、気づいたら私自身が落ちこぼれらしくて。仲間かな、と思ったらなんか違うらしい、それの繰り返し。
 どこにも感情移入できない、不思議の国で生き続けるような、変な悪夢が続いてゆく。仲間探しにも飽きた(というより一時諦め?)ので、テキトーに合わせながら、身を守りつつ生きてゆかねば。

 段々と年を重ねて「女としての責任」みたいなのから逃れられる。嬉しいはずなのに、孤独感やら劣等感やら。
 どうも私は、解決する気もないのにクヨクヨ悩むのが好きらしい。右を選べば左を、左を選べば右を、惜しんで悔やんで振り返って立ち止まる。


 自分が直接言われたことはないが、「子どもいないから分からないんだろうな」というような言葉にはぎょっとする。けど、「子どもいない」というより「子ども欲しくない」人には分からない領域が確かにあるんだろう。忍耐的な、無償の愛、みたいな。

 子どもが欲しいけどできなかった人が「子ども作らないの?」と言われると傷つく、というような話を書いていて、ごもっともだと思った。ので、「子どもいない人」まとめじゃなく……
「子ども欲しくない人」がワガママ、という傾向は多少ありそうな気がする。何を思って子どもが欲しくないのか、人それぞれだろうから、決めつけられないけど。


 私は私がダメ人間だとは長らく気づかなかった、というか劣っていると思わなかったのだが、「どうやらまわりからダメ人間扱いされているらしい」と気づいてゆき、仕事が遅いことも飲み込みが悪いことも、まわりの反応から知っていった。自分では動作が遅いとかポンコツだとか気づかなかった。

 世間の人がちゃんとしすぎていて、相対的に私はダメ人間である。
 というか「ダメ人間だと自覚しています」という態度でないと叩かれそうだから、自分からダメ人間を名乗っている、卑怯な防衛法でもある。

 みんなのスピードが早いから、私は遅いことになっている。
 欠点を自覚していないと叩かれるが、自ら弱みを晒すと、人は「自分の方が上」と判断し、「ダメ人間を叩くのは大人気ないな」と哀れんで退いてくれる。感じがする。

「できていない」ことに対して傲慢で偉そうな態度を取ると叩かれるのである。「お前が言うな」的な。


 ……いや、「私はダメ人間なので」と言っても「開き直ってんじゃねー!」みたいに怒られた覚えもあるし、「自虐ネタ 嫌い」なんてワードも見かけたので、卑屈ぶって見せることで完全に攻撃を防げるわけでもない。
 まだ完璧な戦い方は知らない。というより人間というのは他人との違いを演出するのが好きな生き物なので、全員を納得させるなど不可能なのである。

 ……戦い方を考えるより、ポンコツを治そうとする方が建設的(?)なんだけど。どうにも心折れそうで、やる気が出ない。なだめられてもすかされても、できない。別に悪意があるわけでも、やる気の有無のせいでもなく、本当にポンコツなんだと思うのだけれど、そんなことアピールしたってどうにもこうにも。やっぱ卑怯だな、私は。


「感覚の違い」なんて世間は認めてくれず、経済力だの自立力だの、決められた能力でしか勝負できない。
 鬼ごっこのお誘いならば、「私は興味ないんで」と言えるかもしれないが、仕事だの税金だの人間関係だの「興味ないんで」で済ませるのは、凡人には難しい。

 野生暮らしする勇気もないし、狩猟やら農業やらできそうなメンタルでもない。
「じゃあ何ができるの」って、結局「出来損ないです」と答えるしかないのである。「芸術家だ」と名乗れるようになるまでは。

 マンガの世界だったら、めちゃくちゃダメな人、ワガママな人、卑怯な人、ハチャメチャな人、変人、珍しくないんだけどな……。それもただの個性、みたいな。


 もしも世界がガラッと変わり、私のような者が活躍できる、今まで不要因子とされてきた特性が輝ける世界になるとするならば、それはどういう世界だろう……と考えてみるが、弱肉強食と繁殖のシステムのままではどうにも、落ちこぼれる気がするし、それ以上にぶっ飛んだ世界になることはなかなか想像しにくいのだった。

 不登校と引きこもりが増えたというところだけ、共感できる気がする。でも私の感覚とそれとはまた別の話なのか。私なんか学生の頃、「人間関係に悩んだ」どころか、ほとんど同年代と口をきけなかったもんなぁ(大人とだけ話せた)。


 同年代とも話合わず。別の年代の人にはそれぞれまた別の概念がある。年功序列とか上下関係とか、「今時の若者は……」とか「年上の人が口うるさい」とか、「ガキ」とか「ジジイ・ババア」とか。

 なんかゴチャゴチャ溢れてる。若者は気性荒く、流行にうるさいし。年輩の人はマナーに厳しいし。

 そうじゃない人もいるように見えるのだが、そうじゃないと決めつけるのもまた……。「仲間だと思っていた」とダメージ食らう羽目になるので。
「この人はこういうところは気にしない」「この人はこういう性格だ」とか、勝手判断で見当つけちゃいけないのである。考え方が違う、価値観が違う、感覚が違う、そんなの当たり前でどうしようもないことなのだ。


 私は同年代の人とも仲良くなれないのだから、友達を探すならば、年齢も性別も何もかも関係なく、幅を広げまくって仲間を探したいところだけど……でも、合わせてしまうのはしんどいのだ。どっちかが合わせる、譲る、我慢する、そういう関係だと、どっちか爆発しそう。

 こちらは心地いい関係だと思っていたのに、ある日相手に「積年の恨み」とばかりにキレられたら……泣くなぁ。
 本当に人は怖い。というか本当に私がダメ人間なのか。


 だからそれよりまず収益だってば……。ちょっとでも、落ちこぼれじゃなくなる努力をしなければ。お金があれば生きていけるんだから。


 色々不可解。だからこそぶっ飛んだファンタジー描けばいいんだけど。それで当たればもっと最高なんだけど。

 ……とりあえず今は絵の練習(=マンガ連載更新)しよう。


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