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7、結婚相手はどんな方に?3
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「まあ、そんな事仰って…ヒュンダルンとならば見劣りしないでしょうに?昨今では騎士同士で婚姻を結ぶ方も増えているとか?」
「それは事実なのでしょうけれど、私にも団長にも選ぶ権利はあると言う事ですよ?」
「ま、ではお互いに趣味では無いと?」
「そう言うことでしょうね?団長?」
「……………」
「まぁ!もったいない事!」
メリール叔母に挨拶するのはいい。夫君を亡くしてきっと寂しい思いをしているのだろうから。が、その寂しさを紛らわす為にか、時々この様に周りにいる者達をくっつけようとするのは些か困ったことである。
「リードの事は置いておくとしましょう。私だとて機会があれば妻を娶りますよ。それより……珍しい者が参加しているのですね?」
メリールの側に来るまでに視界に入った違和感の元。男性であるだろうに明らかに線が細く、それでも子供には見えない様な…なんでここに異性がいるのか不思議で見つめていたと言ってもいい。メリールはそんなヒュダルンの視線に気がついてニッコリと微笑んだ。
「あぁ…あの方の事を仰ってたのね?皆様きっと初めてお会いになるわ。」
「もしや、外国の方か?」
珍しい…王城に入れる様な身分の者ならば情報として騎士団の方に回ってくるだろうに…
仕事柄、国中の貴族家の主要な人物画は頭に入っている。逆に入れておかなければ城内の警備にも響くくらいだ。だから断言できる違和感があるのだ。あそこに座って華麗な令嬢達と共に優雅にお茶を飲んでいる者の顔に見覚えがないと。ならばどこの者か?届け出がない外国の者か、ここに来ている貴族のうちの親族にあたる者か…どちらにしても警備上明らかにしておくことに越した事はないだろう。
「ヒュンダルン…ヒュンダルン…!ヒュン!」
「…!…はい何でしょう?」
「もう…!貴方ったら…その頭の中には仕事の事しか無いのかしら?だから婚期が遅れてしまうのではなくて?」
「まさか…メリール叔母上。私にだとて仕事以外を考える事はありますよ。」
「でもあの方は何方なのでしょうね?私にも覚えがありません。」
リードはいくつか外国に留学に行った経験がある。その国々で会った者の中にも城に入れる様な限られた身分の者達に、あそこに座っているような者はいなかった。
「リードの記憶力は確かだからな…で、叔母上、あれは誰です?」
場合によっては拘束も余儀なしだ。
「ですから落ち着きなさいな貴方達。全く良く頭が固いと言われませんの?」
やれやれ…と苦笑を漏らしながらメリールは同じテーブルに座っていたエリザに視線を向けた。
「お久しぶりにございますね。ゴーリッシュ騎士団長殿、サラント副騎士団長殿。メリールが困っていらっしゃるから答えをお出ししますわね?あそこに居る者は私の甥っ子でアクロース家の次男になりますの。」
「は…?ではアランドの弟…?」
「あの幻の?」
2人とも面食った様に瞳を大きくした。アランドは第3騎士団長で日々活躍している同僚である。その末弟アランドの弟であるセージュも15歳とまだ若いが騎士団希望であり、今から将来有望株として話題にも上がっていた。
「ええ。ちゃんと我が家の甥っ子は生きておりましてよ?」
「お噂はかねがね…」
控えめにヒュンダルンは言う。
「ええ。色々聞いていましてよ?でも本当にあの子は身体が弱くて…何度儚くなりかけたか分からないくらいですわ。でも、やっと…」
エリザは目を細めて甥っ子を見つめる。その表情がなんとも言い難く慈愛に満ちていて病弱であろうとも皆に愛されて来たのだろう事を裏付けている様だった。
「では挨拶だけでもしておかなければいけませんね、団長?」
「そうだろうな。」
なんとも華々しいテーブルではある。色とりどりの花々に囲まれて、一層その姿が浮き立っている事にきっと本人は気がついていないのだろう。
「まぁ!ヒュンったら…!流石は騎士ね!是非仲良くして差し上げて?あの方は今日が初めての社交場ですの。まだお友達もおりませんのよ?とても礼儀正しい方で、規律に煩いあなた方にも合いそうな方だわ。よろしくね?」
何故だかメリールの口調が熱い…?
「そこまで言わなくとも、アランドの弟なのでしょう?我らの同僚の大切な家族ですから。では早速挨拶に参りましょう。」
「仲良くしてくださると嬉しいですわ。」
暖かなエリザの視線に見送られながらヒュンダルンとリードは本日1番華やかな席へと向かう。
「それは事実なのでしょうけれど、私にも団長にも選ぶ権利はあると言う事ですよ?」
「ま、ではお互いに趣味では無いと?」
「そう言うことでしょうね?団長?」
「……………」
「まぁ!もったいない事!」
メリール叔母に挨拶するのはいい。夫君を亡くしてきっと寂しい思いをしているのだろうから。が、その寂しさを紛らわす為にか、時々この様に周りにいる者達をくっつけようとするのは些か困ったことである。
「リードの事は置いておくとしましょう。私だとて機会があれば妻を娶りますよ。それより……珍しい者が参加しているのですね?」
メリールの側に来るまでに視界に入った違和感の元。男性であるだろうに明らかに線が細く、それでも子供には見えない様な…なんでここに異性がいるのか不思議で見つめていたと言ってもいい。メリールはそんなヒュダルンの視線に気がついてニッコリと微笑んだ。
「あぁ…あの方の事を仰ってたのね?皆様きっと初めてお会いになるわ。」
「もしや、外国の方か?」
珍しい…王城に入れる様な身分の者ならば情報として騎士団の方に回ってくるだろうに…
仕事柄、国中の貴族家の主要な人物画は頭に入っている。逆に入れておかなければ城内の警備にも響くくらいだ。だから断言できる違和感があるのだ。あそこに座って華麗な令嬢達と共に優雅にお茶を飲んでいる者の顔に見覚えがないと。ならばどこの者か?届け出がない外国の者か、ここに来ている貴族のうちの親族にあたる者か…どちらにしても警備上明らかにしておくことに越した事はないだろう。
「ヒュンダルン…ヒュンダルン…!ヒュン!」
「…!…はい何でしょう?」
「もう…!貴方ったら…その頭の中には仕事の事しか無いのかしら?だから婚期が遅れてしまうのではなくて?」
「まさか…メリール叔母上。私にだとて仕事以外を考える事はありますよ。」
「でもあの方は何方なのでしょうね?私にも覚えがありません。」
リードはいくつか外国に留学に行った経験がある。その国々で会った者の中にも城に入れる様な限られた身分の者達に、あそこに座っているような者はいなかった。
「リードの記憶力は確かだからな…で、叔母上、あれは誰です?」
場合によっては拘束も余儀なしだ。
「ですから落ち着きなさいな貴方達。全く良く頭が固いと言われませんの?」
やれやれ…と苦笑を漏らしながらメリールは同じテーブルに座っていたエリザに視線を向けた。
「お久しぶりにございますね。ゴーリッシュ騎士団長殿、サラント副騎士団長殿。メリールが困っていらっしゃるから答えをお出ししますわね?あそこに居る者は私の甥っ子でアクロース家の次男になりますの。」
「は…?ではアランドの弟…?」
「あの幻の?」
2人とも面食った様に瞳を大きくした。アランドは第3騎士団長で日々活躍している同僚である。その末弟アランドの弟であるセージュも15歳とまだ若いが騎士団希望であり、今から将来有望株として話題にも上がっていた。
「ええ。ちゃんと我が家の甥っ子は生きておりましてよ?」
「お噂はかねがね…」
控えめにヒュンダルンは言う。
「ええ。色々聞いていましてよ?でも本当にあの子は身体が弱くて…何度儚くなりかけたか分からないくらいですわ。でも、やっと…」
エリザは目を細めて甥っ子を見つめる。その表情がなんとも言い難く慈愛に満ちていて病弱であろうとも皆に愛されて来たのだろう事を裏付けている様だった。
「では挨拶だけでもしておかなければいけませんね、団長?」
「そうだろうな。」
なんとも華々しいテーブルではある。色とりどりの花々に囲まれて、一層その姿が浮き立っている事にきっと本人は気がついていないのだろう。
「まぁ!ヒュンったら…!流石は騎士ね!是非仲良くして差し上げて?あの方は今日が初めての社交場ですの。まだお友達もおりませんのよ?とても礼儀正しい方で、規律に煩いあなた方にも合いそうな方だわ。よろしくね?」
何故だかメリールの口調が熱い…?
「そこまで言わなくとも、アランドの弟なのでしょう?我らの同僚の大切な家族ですから。では早速挨拶に参りましょう。」
「仲良くしてくださると嬉しいですわ。」
暖かなエリザの視線に見送られながらヒュンダルンとリードは本日1番華やかな席へと向かう。
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