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聖女が野外で、それも設備も何もないこんな所で入浴だと!!
聖騎士アールストのこめかみには浮かぶ血管が切れてしまうのではないかと思われるほど青筋が立っている。
「え、だって…このままでは帰れませんし…」
ドロドロのベッタベタ、ギットギトのテカテカ状態のルーチェリアである。
「う……これは、分かりますが…だが、こんなに異性も多い中で!」
なんたる破廉恥な、そもそも腐っても公爵家のご令嬢で、尚且つ世界の聖女なのに…!
「だって…綺麗にしないと、馬車にも乗れませんし、私乗馬もダメなんです。」
貴族のご令嬢であったなら嗜み程度に馬にも乗れて当然なんだが、瘴気まみれの汚れだらけだとそもそも乗る前から馬が嫌がって逃げるのだそうだ。
「そうなのでございます。ですから、いつも聖女ルーチェリア様はあの様なお仕着せをお召しになって。」
ここぞとばかりに神殿の侍女達が理由を述べ始める。
「浄化時に、全身瘴気まみれになってしまうから、お仕着せを着ている、と?」
「左様にございます!」
「良いか!よく聞きなさい。お前達は神殿から使わされている者だ!気高い方達に仕える為に我らがいるのだ!今、最も尊重しなければならない方はどなただ!?」
「聖女ルーチェリア様にございます。」
「左様…ならば、下にも置かない対応をするのが我らの務め!聖女殿の衣装は?」
「こちらにございます!」
「致し方ないが、湯は?」
「最上級の芳香を誇る香油を垂らしてございます。」
「馬車は?」
「最上級の物をご用意しております。」
「お食事は?」
「全ての食材に神殿からの祝福を授けて頂いております。」
「それでは、付き人は?」
「は、10年に渡り、神殿にて修行の修練に励んだ我らが担当致しております!」
「分かっているのならばそれでいいのだ!決して、聖女殿が下に見られることも、ぞんざいに扱われることもあってはならん!」
息もぴったり合っているというのはこういう事を言うのだろうか…何故か聖騎士アールストの号令の元に、ルーチェリアは入浴し、最上級の絹で作られた真っ白な聖女の衣類を身にまとい、馬車の中へと
押し込められた。
そもそも聖女がこんなに普通に人前に出ることさえもあり得ない話だ。
聖騎士アールストのこめかみには浮かぶ血管が切れてしまうのではないかと思われるほど青筋が立っている。
「え、だって…このままでは帰れませんし…」
ドロドロのベッタベタ、ギットギトのテカテカ状態のルーチェリアである。
「う……これは、分かりますが…だが、こんなに異性も多い中で!」
なんたる破廉恥な、そもそも腐っても公爵家のご令嬢で、尚且つ世界の聖女なのに…!
「だって…綺麗にしないと、馬車にも乗れませんし、私乗馬もダメなんです。」
貴族のご令嬢であったなら嗜み程度に馬にも乗れて当然なんだが、瘴気まみれの汚れだらけだとそもそも乗る前から馬が嫌がって逃げるのだそうだ。
「そうなのでございます。ですから、いつも聖女ルーチェリア様はあの様なお仕着せをお召しになって。」
ここぞとばかりに神殿の侍女達が理由を述べ始める。
「浄化時に、全身瘴気まみれになってしまうから、お仕着せを着ている、と?」
「左様にございます!」
「良いか!よく聞きなさい。お前達は神殿から使わされている者だ!気高い方達に仕える為に我らがいるのだ!今、最も尊重しなければならない方はどなただ!?」
「聖女ルーチェリア様にございます。」
「左様…ならば、下にも置かない対応をするのが我らの務め!聖女殿の衣装は?」
「こちらにございます!」
「致し方ないが、湯は?」
「最上級の芳香を誇る香油を垂らしてございます。」
「馬車は?」
「最上級の物をご用意しております。」
「お食事は?」
「全ての食材に神殿からの祝福を授けて頂いております。」
「それでは、付き人は?」
「は、10年に渡り、神殿にて修行の修練に励んだ我らが担当致しております!」
「分かっているのならばそれでいいのだ!決して、聖女殿が下に見られることも、ぞんざいに扱われることもあってはならん!」
息もぴったり合っているというのはこういう事を言うのだろうか…何故か聖騎士アールストの号令の元に、ルーチェリアは入浴し、最上級の絹で作られた真っ白な聖女の衣類を身にまとい、馬車の中へと
押し込められた。
そもそも聖女がこんなに普通に人前に出ることさえもあり得ない話だ。
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