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仲が良かった女友達の口唇に 6
【4】
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唇を離し、サキの瞳をじっと見つめる。
「良いのか? 婚約者(先輩)がいるのに、こんなことをして?」
その問いに、切なげな笑みを浮かべるサキ。
「良いの。タクヤくん、どうせまた男友達と一緒に、またエッチなお店に行っていると思うし、フィアンセ(私)がこんなことしても文句を言う資格はないよ」
そう呟くと、サキはそっとサトルの手を取った。
「だから私も誰かとエッチなことがしたいなって」
戸惑いながらも、サトルは彼女の瞳を改めて見つめた。
その瞳には迷いと、わずかな寂しさが滲んでいた。
サキが静かに抱きつく。サトルは、そのぬくもりを確かめるように抱きしめ返した。
背中に回した手に感じる、かすかな震え。
サキの指先が、サトルのシャツの裾をぎゅっと握りしめる。
「本当に良いのか? 俺も男だぞ。据え膳は出来ないぞ」
「うん、いいよ。もしタクヤくん以外の人とエッチなことをするとしたらサトルくんしか思い浮かばなかったから‥‥」
その言葉にサトルは理性の糸がブチっと切れ、一夜だけの恋人としての時間が始まった──。
***
翌朝、サトルが目を覚ますと、隣にいたはずのサキの姿はなかった。
「‥‥菅原?」
何の反応も返ってこない。
昨夜の出来事が夢だったのではないかと錯覚してしまう。
けれど、喉の奥に残るわずかなアルコールの味と枕元に微かに残る彼女の甘い香りが、現実の出来事だったことを教えていた。
上半身を起こし、辺りを見回す。
床に転がっているはずの空き缶やツマミの袋、そして──昨夜の名残の一つさえ、綺麗に片付けられていた。まるで何もなかったかのように。
静まり返った部屋の中、スマートフォンの受信LEDが青く光っていた。
手を伸ばして画面を開くと、そこには短いメッセージが残されていた。
『昨日は付き合ってくれてありがとう。やっぱりサトルは優しいね。じゃあね』
たったそれだけのメッセージだった。
まるで軽い飲みの席のお礼のような、あるいは二度と会わないつもりのような。
サトルは何度かその文面を見返し、ゆっくりと息を吐いた。
指先が迷うように画面をなぞる。
返信をすべきか、それともこのまま何もなかったことにするべきか。
窓の外はもうすっかり朝で、昨夜の熱が嘘のように冷め切っていた。
あれは、一夜の夢だったのだ。
そう思うことにした。良い夢だった、と。けれど、割り切れない思いが微かに残る。心のどこかに、ほんの少しだけ。
それから暫くして--
『サトルくん、またグチに付き合って貰っても良いかな??』
サキから届いたメッセージに、また先輩と揉めたんだろうと察しつつ、下心が湧き出してしまう。
とりあえず『イイよ』スタンプを返信しておいた。
終わり
→次回「美人OLと終電を乗り過ごしてしまったのなら」
or
→次回「元担任と夜の見回り中と出会ったのなら」
「良いのか? 婚約者(先輩)がいるのに、こんなことをして?」
その問いに、切なげな笑みを浮かべるサキ。
「良いの。タクヤくん、どうせまた男友達と一緒に、またエッチなお店に行っていると思うし、フィアンセ(私)がこんなことしても文句を言う資格はないよ」
そう呟くと、サキはそっとサトルの手を取った。
「だから私も誰かとエッチなことがしたいなって」
戸惑いながらも、サトルは彼女の瞳を改めて見つめた。
その瞳には迷いと、わずかな寂しさが滲んでいた。
サキが静かに抱きつく。サトルは、そのぬくもりを確かめるように抱きしめ返した。
背中に回した手に感じる、かすかな震え。
サキの指先が、サトルのシャツの裾をぎゅっと握りしめる。
「本当に良いのか? 俺も男だぞ。据え膳は出来ないぞ」
「うん、いいよ。もしタクヤくん以外の人とエッチなことをするとしたらサトルくんしか思い浮かばなかったから‥‥」
その言葉にサトルは理性の糸がブチっと切れ、一夜だけの恋人としての時間が始まった──。
***
翌朝、サトルが目を覚ますと、隣にいたはずのサキの姿はなかった。
「‥‥菅原?」
何の反応も返ってこない。
昨夜の出来事が夢だったのではないかと錯覚してしまう。
けれど、喉の奥に残るわずかなアルコールの味と枕元に微かに残る彼女の甘い香りが、現実の出来事だったことを教えていた。
上半身を起こし、辺りを見回す。
床に転がっているはずの空き缶やツマミの袋、そして──昨夜の名残の一つさえ、綺麗に片付けられていた。まるで何もなかったかのように。
静まり返った部屋の中、スマートフォンの受信LEDが青く光っていた。
手を伸ばして画面を開くと、そこには短いメッセージが残されていた。
『昨日は付き合ってくれてありがとう。やっぱりサトルは優しいね。じゃあね』
たったそれだけのメッセージだった。
まるで軽い飲みの席のお礼のような、あるいは二度と会わないつもりのような。
サトルは何度かその文面を見返し、ゆっくりと息を吐いた。
指先が迷うように画面をなぞる。
返信をすべきか、それともこのまま何もなかったことにするべきか。
窓の外はもうすっかり朝で、昨夜の熱が嘘のように冷め切っていた。
あれは、一夜の夢だったのだ。
そう思うことにした。良い夢だった、と。けれど、割り切れない思いが微かに残る。心のどこかに、ほんの少しだけ。
それから暫くして--
『サトルくん、またグチに付き合って貰っても良いかな??』
サキから届いたメッセージに、また先輩と揉めたんだろうと察しつつ、下心が湧き出してしまう。
とりあえず『イイよ』スタンプを返信しておいた。
終わり
→次回「美人OLと終電を乗り過ごしてしまったのなら」
or
→次回「元担任と夜の見回り中と出会ったのなら」
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