護衛君は格上マフィアに捕まる

最悪な出合い

えー……幹部様ぁ？？

　男は丸腰だった。
　これは……なんなんだろうな？
　俺はピストルとタガーを持って戦っていたはずなんだよな？なのにこいつさ、上手く狙えないところに行くしさ、気がついたら弾が無くなってるし、タガーはほぼほぼ役に立たないし。
　絶対に、俺の方が有利だったよね？
　そうだよね？誰でもいい。
　どう考えても俺が勝てるよね？
　あ、もしかしてこいつが最近流行りすぎてるチートってやつ？
　成る程！つまりチートには勝てねぇのか！あるあるだなぁ！
　ヤベェよチート！スゲーよチート！

　とにかく助けて幹部様！

　って、男にまんまとやられてしまった俺は悲願する顔で幹部様を見つめた。
　すると、男は俺をじっくりと見つめ始めた。そして、耳元でこう呟いたのだった。
　「お前、あいつの犬？可愛い俺の好みの顔してんな……。」
　は？はああああああああ？！
　何こいつ？
　何なんだよこいつ？！
　まさか、とは思うけどさ？！お前ら逃げていいから俺のこと置いてけとか言い出さないよね？？幹部様もそんなこと言われても置いてかないですよねぇ……？？

　「なぁ、俺ん家来ないか？さっき戦ってみたが、お前よぇし、家で可愛がってやるからよ……」
　俺はイケメン以外に抱かれるつもりはねぇよ！！てか、顔見せろよ！
　口元は綺麗だがっ！目元！鼻！眉！
　そろってなかったら自殺してやる！！
　……じゃなくて！
　いや、マジで助けて……？？

　「とにかく、お前以外の雑魚は要らねー。死ね？」


　それ以降、何があったのか俺は知らない。