ハーレムから逃げられた男

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　私の幼馴染は、子どもの頃から女性に好かれる体質だった。

　どこにでもいる普通の男の子だと思うんだけどね。

　それはいまも変わっていない。

　二人そろって学院に入学して。
　同学年の中でもパッとしない男子なのに、なぜか冒険者ギルドで依頼を受けた先で女の子を助けたり。
　助けた女の子がついてきて、ラウルをちやほやしたりする。

　学院に入ってまだ半年しか経っていないのに、ラウルは、いまでは五人の可愛い女の子に囲まれていた。

　まだ誰とも付き合ってはいないみたいだけど、いつ誰と付き合ってもおかしくない。

　ラッキースケベもあって、女の子たちは怒りながらも、一歩リード、と喜んでいるみたい。

　私はラウルの幼馴染で、一応彼女っぽい距離にはいるんだけど。

　正直、修羅場は嫌いなのよね。

　ラウルが一途で私だけを見てくれるならともかく、女の子たちにちやほやされて、いい気になっているところをみると、幼馴染としても幻滅。



「ラウル。バイバイ」

「ミレーユ？　一緒に帰らないの？」



　私達の家は隣同士なので、いままではいつも一緒に帰っていた。

　でも女の子をぞろぞろと引きつれた、ハーレム野郎と一緒に帰るのはもう限界。

　不思議そうにするラウルに手を振って、私は幼馴染にバイバイした。

　あの修羅場に巻き込まれたくないわ。