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「ミレーユは?」
「来てないわよ。そんなことより、ラウル。今日は私と依頼に行きましょう」
「ダメー! 今日は私と行くのです」
「私よね」
「私を忘れないでください」
ラウルは女の子達に連れ去られた。
「ミレーユは?」
「見てないわよ。そんなことより、ラウル。今日は私と依頼に行きましょう」
「ダメー! 今日は私と行くのです」
「私よね」
「私を忘れないでください」
ラウルは女の子達に連れ去られた。
「ミレーユは?」
「しばらく見てないわね。そんなことより、ラウル。今日は私と依頼に行きましょう」
「ダメー! 今日は私と行くのです」
「私よね」
「私を忘れないでください」
ラウルは女の子達に連れ去られた。
翌日、ラウルは学院中を、ミレーユを探して走り回った。
女の子たちに見つかると依頼に連れて行かれるので、隠れてミレーユを探す。
教室はもちろん、特別棟や訓練所、思いつく限りの場所を探してもいない。
冒険者ギルドで活動しているので、普段は近寄らない部活棟の方まで行くと、ミレーユがいた。
彼女は知らない男子生徒と一緒に歩いていた。
「ミレーユ! なんでそんな奴といるんだ!!」
慌てて近寄って彼女の腕を掴もうとする。
簡単に躱された。子どもの頃から一緒に冒険者ギルドで依頼をこなしていたミレーユは斥候職で、素早さはラウルより上だ。
「だれ?」
同行していた長身のイケメンがミレーユに問いかけるが、彼女は肩を竦めるだけ。
「知り合い?」
ラウルの勢いがすごかったので、さすがに気になったのか、同行の男子生徒がさらにつっこむ。
ミレーユは仕方なく答えた。
「ううん。知らない人。行こう」
「うん」
ラウルを一瞥もせず、同行の男子生徒を促すミレーユに、納得はいかないものの男は優越感を感じたのか、二人は歩き出す。
子どもの頃からいつも一緒だった、幼馴染のミレーユに、まったく知らない人を見る目を向けられ、ラウルは呆然と立ち尽くした。
「来てないわよ。そんなことより、ラウル。今日は私と依頼に行きましょう」
「ダメー! 今日は私と行くのです」
「私よね」
「私を忘れないでください」
ラウルは女の子達に連れ去られた。
「ミレーユは?」
「見てないわよ。そんなことより、ラウル。今日は私と依頼に行きましょう」
「ダメー! 今日は私と行くのです」
「私よね」
「私を忘れないでください」
ラウルは女の子達に連れ去られた。
「ミレーユは?」
「しばらく見てないわね。そんなことより、ラウル。今日は私と依頼に行きましょう」
「ダメー! 今日は私と行くのです」
「私よね」
「私を忘れないでください」
ラウルは女の子達に連れ去られた。
翌日、ラウルは学院中を、ミレーユを探して走り回った。
女の子たちに見つかると依頼に連れて行かれるので、隠れてミレーユを探す。
教室はもちろん、特別棟や訓練所、思いつく限りの場所を探してもいない。
冒険者ギルドで活動しているので、普段は近寄らない部活棟の方まで行くと、ミレーユがいた。
彼女は知らない男子生徒と一緒に歩いていた。
「ミレーユ! なんでそんな奴といるんだ!!」
慌てて近寄って彼女の腕を掴もうとする。
簡単に躱された。子どもの頃から一緒に冒険者ギルドで依頼をこなしていたミレーユは斥候職で、素早さはラウルより上だ。
「だれ?」
同行していた長身のイケメンがミレーユに問いかけるが、彼女は肩を竦めるだけ。
「知り合い?」
ラウルの勢いがすごかったので、さすがに気になったのか、同行の男子生徒がさらにつっこむ。
ミレーユは仕方なく答えた。
「ううん。知らない人。行こう」
「うん」
ラウルを一瞥もせず、同行の男子生徒を促すミレーユに、納得はいかないものの男は優越感を感じたのか、二人は歩き出す。
子どもの頃からいつも一緒だった、幼馴染のミレーユに、まったく知らない人を見る目を向けられ、ラウルは呆然と立ち尽くした。
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