13 / 35
危機 壱
しおりを挟む
結局、内乱の火種を撒いてやった国は、クーデターが起き、その首謀者主導で全面降伏してきた。
が、最後の情けだったのか単に逃がしただけなのか、敵国の王は僅かな供回りを連れて落ちのびたようで。
面倒ながら残党狩りの仕事がやって来た。
そもそも王族の搾取によって疲弊していた国なのだから、王に対する民の反感は強い。だから王を庇うふりをして、彼が隠れているのを通報する都市もあれば、自ら山狩りを行う村とてあるし、賞金稼ぎなのか王を捕まえようとする自警団まで現れる始末。
瑞穂の国は国民から兵士を強制徴用しない。志願者を金銭で雇うか、傭兵を使う。
傭兵というのは一見金で動くから軽薄そうに見られるが、ところがどっこい、契約があり、敵前逃亡や裏切りはそれを破棄するのと同じで、そんな奴に信用が付く訳もないし、信用がない者が戦場で受ける扱いなんて知れているから、よほどの事が無い限りは寝返りも裏切りも心配なかったりする。
かくいうウチの部隊、紅緒様の部隊にも傭兵はいて、何だかんだ頼れる存在の人がいる。
つまるところ残党狩りは民間人の仕事でなく、本職の仕事なんだから通報はありがたいけど、他は大人しくしててくれ。そんな感じだ。
だけど、大人しくしててくれないくらいに、王は嫌われていたらしい。
そんな中、今日も今日とて逃げた王を発見したという連絡があった。しかし、今回はいつもと違って信ぴょう性がかなり高いという。
だからなのか、今日はその逃げた王とその発見者に、青洲様と紅緒様が謁見することになった。勿論俺や青洲様の副官も。
青洲様の軍は全面降伏したこの国を橋頭保に、他国に攻め入るため、まず民の慰撫に来たのだ。実際の統治は紅緒様が行うけれど、この国の事をきちんと瑞穂の国の一部と考えて治めるという事を喧伝するための、一種のパフォーマンスである。
それはいい。紅緒様も目立つ事は好きじゃないから、お兄上様がいらっしゃれば、紅緒様はその分表舞台に立たなくて済むから。
でも紅緒様に話しかけようとして出来ないヘタレ長男のウジウジを聞かされるのは嫌だ。ってか何で俺に言う? 解せぬ。
そんな理不尽に振り回されながらでも、俺にだって仕事がある。
今日は遅番で俺は午前中は暇だった。でも昼飯は紅緒様と食うから、午前中に用事を済ませるべく、俺は魔導錬金術研究所に足を運んだのだ。
なんでって、そこの変人所長に呼び出されたから。
この研究所の職員は皆紅緒様が見つけて引っ張って来た人材で、ちょっと……かなり……大分……控えめに言っても変人が多く、研究の事となると紅緒様と同じく寝食を忘れるものがほとんどだ。その中でも所長はとびきり変わっていて、何でも思いついたら即改造する癖があった。
で、その人は何と俺の万年筆を改造した。
何を言ってるか分からんだろうし、俺も何をされたのか皆目分からんが、俺の万年筆は今凄いことになってるそうな。
あの万年筆は紅緒様が俺の誕生日の祝いにくれたもので、実は紅緒様と色違いの揃いなのだ。俺が娼館で勃たなくて役立たずだったという噂をまかれて気落ちしたように見えたのか、後日紅緒様がくださったのだ。
なのに、その万年筆を「いいアイデアが浮かんだ!」という所長に、書く物を要求され、偶々その万年筆を貸したら戻って来なかった。
「色違いの同じものを紅緒様も持っていたような?」と言われて「誕生日に紅緒様から貰った」と答えたのが悪かったのか……。
それから一週間後の今日、ようやく返してもらえることに。
第一声が「傑作が出来た!」だから、俺は正直所長を殴りたかったけど、彼が俺の万年筆にした改造の内容を聞いてそれは無くなった。寧ろ彼を賞賛したくらいだ。
兎も角俺はその改造万年筆を魔導錬金術研究所で受け取って、一路紅緒様のもとへ。
斑鳩はとても速い。
半時間もかからずに研究上から紅緒様のおられる旧王城に着くと、俺はさっさと紅緒様の執務室に向かう。
ノックと共に入室の許可を求めると、すぐに許されて俺は中に入った。
室内
には書類棚と机が二つ。紅緒様と俺の。
そしてその上には紅緒様と俺、それぞれの昼飯がセットしてあった。
「お帰り」
「は、戻りました」
「今日は魚だって」
「ええっとたしか……鰆っておやっさんから聞いてるっす」
「サワラ……白身だね」
「っす」
俺はやっぱり食堂のおやっさんから、飯に何が使われてて、どんな形なのか、他の料理法はあるのかとか、そんな話を仕入れては紅緒様の御聞かせしている。
紅緒様はそんな他愛もない、でも生活に根差した話を聞くのが、相変わらずとてもお好きなのだ。
今日はいつか二人で食べた桜餅が付いている。それを紅緒様にお渡しすると、半分を俺に渡された。
「出穂も……一緒に食べたほうが甘い」
「っすね」
ふわっと紅緒様が笑う。眉がへにょりとしていて、俺はそれがもうずっと好きだ。
そうやって二人で昼飯を終えて、予定時間に謁見の間に向かう。
そこにはもう青洲様の幕僚たちが控えていて、玉座には青洲様がいらした。青洲様の副官はその後ろで、存在感のある厳つさを醸し出している。
紅緒様と俺が入室して所定の位置に着いたのを確認して、青洲様が口を開いた。
「王は自裁したらしい。それを手土産に、側近が降伏してきた」
「そうですか」
「ああ。王本人だと、顔を知る者にも確認させた。その遺体をこれから確認する」
「左様ですか」
最小限の受け答えで終わると、青洲様が副官に声をかける。すると副官はまた傍に控えた兵士に声をかけ、兵士が外にいる者に声をかけた。
迂遠だけど、これが威儀を示すってやつだ。
外にいた者が何やら棺を引きずって中に入ってくる。その様子に紅緒様が首を傾げた。
「ボディチェックは?」
静かな声に、棺を引きずって来た男が歩みを止める。
近くにいた兵士に青洲様が目線をやると「済んでおります」と返って来た。しかし紅緒様は首をゆるゆると横に振る。
「遺体の方だ」
しんと静まる謁見の間に、紅緒様の固い声が響く。
通りの良く耳に心地よい声だけど、かけられた棺を引きずる男には不快だったらしい。「無礼だ!」と憤る。
だが紅緒様は無表情で俺に「改めろ」と命じた。
紅緒様は無駄な事は仰らない、何か感じることがあったからそう仰ったのだろう。
同じことを思われたのか、青洲様が手を挙げて俺を止めた。そして自身の副官と兵士に、棺を改めるよう命じられた。
棺を引きずっていた男の顔がにわかに強張り、声を上げる。
「無礼ですぞ! 仮にも一国の王であった方の棺を暴こうなど! 瑞穂の国は死者に対する礼儀もないのか!?」
「ただの死者なら、この棺は持ってこなかっただろう? 持ってくる意味のあるものだから、改められて当然ではないか」
淡々と返す紅緒様に、男の顔が歪に歪む。そして憤怒に赤く染まったかと思うと、「もはやこれまで!」と叫んで身に着けていた指輪を外すと、棺に思い切り投げつけた。
刹那、物凄い光が棺から溢れて、それを目にした俺は咄嗟に紅緒様に覆いかぶさって──
が、最後の情けだったのか単に逃がしただけなのか、敵国の王は僅かな供回りを連れて落ちのびたようで。
面倒ながら残党狩りの仕事がやって来た。
そもそも王族の搾取によって疲弊していた国なのだから、王に対する民の反感は強い。だから王を庇うふりをして、彼が隠れているのを通報する都市もあれば、自ら山狩りを行う村とてあるし、賞金稼ぎなのか王を捕まえようとする自警団まで現れる始末。
瑞穂の国は国民から兵士を強制徴用しない。志願者を金銭で雇うか、傭兵を使う。
傭兵というのは一見金で動くから軽薄そうに見られるが、ところがどっこい、契約があり、敵前逃亡や裏切りはそれを破棄するのと同じで、そんな奴に信用が付く訳もないし、信用がない者が戦場で受ける扱いなんて知れているから、よほどの事が無い限りは寝返りも裏切りも心配なかったりする。
かくいうウチの部隊、紅緒様の部隊にも傭兵はいて、何だかんだ頼れる存在の人がいる。
つまるところ残党狩りは民間人の仕事でなく、本職の仕事なんだから通報はありがたいけど、他は大人しくしててくれ。そんな感じだ。
だけど、大人しくしててくれないくらいに、王は嫌われていたらしい。
そんな中、今日も今日とて逃げた王を発見したという連絡があった。しかし、今回はいつもと違って信ぴょう性がかなり高いという。
だからなのか、今日はその逃げた王とその発見者に、青洲様と紅緒様が謁見することになった。勿論俺や青洲様の副官も。
青洲様の軍は全面降伏したこの国を橋頭保に、他国に攻め入るため、まず民の慰撫に来たのだ。実際の統治は紅緒様が行うけれど、この国の事をきちんと瑞穂の国の一部と考えて治めるという事を喧伝するための、一種のパフォーマンスである。
それはいい。紅緒様も目立つ事は好きじゃないから、お兄上様がいらっしゃれば、紅緒様はその分表舞台に立たなくて済むから。
でも紅緒様に話しかけようとして出来ないヘタレ長男のウジウジを聞かされるのは嫌だ。ってか何で俺に言う? 解せぬ。
そんな理不尽に振り回されながらでも、俺にだって仕事がある。
今日は遅番で俺は午前中は暇だった。でも昼飯は紅緒様と食うから、午前中に用事を済ませるべく、俺は魔導錬金術研究所に足を運んだのだ。
なんでって、そこの変人所長に呼び出されたから。
この研究所の職員は皆紅緒様が見つけて引っ張って来た人材で、ちょっと……かなり……大分……控えめに言っても変人が多く、研究の事となると紅緒様と同じく寝食を忘れるものがほとんどだ。その中でも所長はとびきり変わっていて、何でも思いついたら即改造する癖があった。
で、その人は何と俺の万年筆を改造した。
何を言ってるか分からんだろうし、俺も何をされたのか皆目分からんが、俺の万年筆は今凄いことになってるそうな。
あの万年筆は紅緒様が俺の誕生日の祝いにくれたもので、実は紅緒様と色違いの揃いなのだ。俺が娼館で勃たなくて役立たずだったという噂をまかれて気落ちしたように見えたのか、後日紅緒様がくださったのだ。
なのに、その万年筆を「いいアイデアが浮かんだ!」という所長に、書く物を要求され、偶々その万年筆を貸したら戻って来なかった。
「色違いの同じものを紅緒様も持っていたような?」と言われて「誕生日に紅緒様から貰った」と答えたのが悪かったのか……。
それから一週間後の今日、ようやく返してもらえることに。
第一声が「傑作が出来た!」だから、俺は正直所長を殴りたかったけど、彼が俺の万年筆にした改造の内容を聞いてそれは無くなった。寧ろ彼を賞賛したくらいだ。
兎も角俺はその改造万年筆を魔導錬金術研究所で受け取って、一路紅緒様のもとへ。
斑鳩はとても速い。
半時間もかからずに研究上から紅緒様のおられる旧王城に着くと、俺はさっさと紅緒様の執務室に向かう。
ノックと共に入室の許可を求めると、すぐに許されて俺は中に入った。
室内
には書類棚と机が二つ。紅緒様と俺の。
そしてその上には紅緒様と俺、それぞれの昼飯がセットしてあった。
「お帰り」
「は、戻りました」
「今日は魚だって」
「ええっとたしか……鰆っておやっさんから聞いてるっす」
「サワラ……白身だね」
「っす」
俺はやっぱり食堂のおやっさんから、飯に何が使われてて、どんな形なのか、他の料理法はあるのかとか、そんな話を仕入れては紅緒様の御聞かせしている。
紅緒様はそんな他愛もない、でも生活に根差した話を聞くのが、相変わらずとてもお好きなのだ。
今日はいつか二人で食べた桜餅が付いている。それを紅緒様にお渡しすると、半分を俺に渡された。
「出穂も……一緒に食べたほうが甘い」
「っすね」
ふわっと紅緒様が笑う。眉がへにょりとしていて、俺はそれがもうずっと好きだ。
そうやって二人で昼飯を終えて、予定時間に謁見の間に向かう。
そこにはもう青洲様の幕僚たちが控えていて、玉座には青洲様がいらした。青洲様の副官はその後ろで、存在感のある厳つさを醸し出している。
紅緒様と俺が入室して所定の位置に着いたのを確認して、青洲様が口を開いた。
「王は自裁したらしい。それを手土産に、側近が降伏してきた」
「そうですか」
「ああ。王本人だと、顔を知る者にも確認させた。その遺体をこれから確認する」
「左様ですか」
最小限の受け答えで終わると、青洲様が副官に声をかける。すると副官はまた傍に控えた兵士に声をかけ、兵士が外にいる者に声をかけた。
迂遠だけど、これが威儀を示すってやつだ。
外にいた者が何やら棺を引きずって中に入ってくる。その様子に紅緒様が首を傾げた。
「ボディチェックは?」
静かな声に、棺を引きずって来た男が歩みを止める。
近くにいた兵士に青洲様が目線をやると「済んでおります」と返って来た。しかし紅緒様は首をゆるゆると横に振る。
「遺体の方だ」
しんと静まる謁見の間に、紅緒様の固い声が響く。
通りの良く耳に心地よい声だけど、かけられた棺を引きずる男には不快だったらしい。「無礼だ!」と憤る。
だが紅緒様は無表情で俺に「改めろ」と命じた。
紅緒様は無駄な事は仰らない、何か感じることがあったからそう仰ったのだろう。
同じことを思われたのか、青洲様が手を挙げて俺を止めた。そして自身の副官と兵士に、棺を改めるよう命じられた。
棺を引きずっていた男の顔がにわかに強張り、声を上げる。
「無礼ですぞ! 仮にも一国の王であった方の棺を暴こうなど! 瑞穂の国は死者に対する礼儀もないのか!?」
「ただの死者なら、この棺は持ってこなかっただろう? 持ってくる意味のあるものだから、改められて当然ではないか」
淡々と返す紅緒様に、男の顔が歪に歪む。そして憤怒に赤く染まったかと思うと、「もはやこれまで!」と叫んで身に着けていた指輪を外すと、棺に思い切り投げつけた。
刹那、物凄い光が棺から溢れて、それを目にした俺は咄嗟に紅緒様に覆いかぶさって──
10
あなたにおすすめの小説
【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている
キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。
今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。
魔法と剣が支配するリオセルト大陸。
平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。
過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。
すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。
――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。
切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。
全8話
お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /c
「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。
キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ!
あらすじ
「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」
貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。
冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。
彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。
「旦那様は俺に無関心」
そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。
バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!?
「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」
怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。
えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの?
実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった!
「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」
「過保護すぎて冒険になりません!!」
Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。
すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
【完結済】虚な森の主と、世界から逃げた僕〜転生したら甘すぎる独占欲に囚われました〜
キノア9g
BL
「貴族の僕が異世界で出会ったのは、愛が重すぎる“森の主”でした。」
平凡なサラリーマンだった蓮は、気づけばひ弱で美しい貴族の青年として異世界に転生していた。しかし、待ち受けていたのは窮屈な貴族社会と、政略結婚という重すぎる現実。
そんな日常から逃げ出すように迷い込んだ「禁忌の森」で、蓮が出会ったのは──全てが虚ろで無感情な“森の主”ゼルフィードだった。
彼の周囲は生命を吸い尽くし、あらゆるものを枯らすという。だけど、蓮だけはなぜかゼルフィードの影響を受けない、唯一の存在。
「お前だけが、俺の世界に色をくれた」
蓮の存在が、ゼルフィードにとってかけがえのない「特異点」だと気づいた瞬間、無感情だった主の瞳に、激しいまでの独占欲と溺愛が宿る。
甘く、そしてどこまでも深い溺愛に包まれる、異世界ファンタジー
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
異世界にやってきたら氷の宰相様が毎日お手製の弁当を持たせてくれる
七瀬京
BL
異世界に召喚された大学生ルイは、この世界を救う「巫覡」として、力を失った宝珠を癒やす役目を与えられる。
だが、異界の食べ物を受けつけない身体に苦しみ、倒れてしまう。
そんな彼を救ったのは、“氷の宰相”と呼ばれる美貌の男・ルースア。
唯一ルイが食べられるのは、彼の手で作られた料理だけ――。
優しさに触れるたび、ルイの胸に芽生える感情は“感謝”か、それとも“恋”か。
穏やかな日々の中で、ふたりの距離は静かに溶け合っていく。
――心と身体を癒やす、年の差主従ファンタジーBL。
【bl】砕かれた誇り
perari
BL
アルファの幼馴染と淫らに絡んだあと、彼は医者を呼んで、私の印を消させた。
「来月結婚するんだ。君に誤解はさせたくない。」
「あいつは嫉妬深い。泣かせるわけにはいかない。」
「君ももう年頃の残り物のオメガだろ? 俺の印をつけたまま、他のアルファとお見合いするなんてありえない。」
彼は冷たく、けれどどこか薄情な笑みを浮かべながら、一枚の小切手を私に投げ渡す。
「長い間、俺に従ってきたんだから、君を傷つけたりはしない。」
「結婚の日には招待状を送る。必ず来て、席につけよ。」
---
いくつかのコメントを拝見し、大変申し訳なく思っております。
私は現在日本語を勉強しており、この文章はAI作品ではありませんが、
一部に翻訳ソフトを使用しています。
もし読んでくださる中で日本語のおかしな点をご指摘いただけましたら、
本当にありがたく思います。
番解除した僕等の末路【完結済・短編】
藍生らぱん
BL
都市伝説だと思っていた「運命の番」に出逢った。
番になって数日後、「番解除」された事を悟った。
「番解除」されたΩは、二度と他のαと番になることができない。
けれど余命宣告を受けていた僕にとっては都合が良かった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる