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11・欲を食らう鬼
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それからというもの、深凪と巽は毎日のように求め合った。生きるための最低限の農作業やのんびりとお茶を飲むような時間もあったが、それ以外のほとんどの時間、二人は寄り添って過ごした。
「あ……っ、お兄様……!」
深凪は四つん這いにされ、後ろから巽のものを挿れられていた。この体位では巽のものが一番気持ちいいところに届く。深凪は目の前の布を握りしめて快楽に耐えていた。
「深凪……っ」
巽は息を荒くしながら腰を打ちつける。巽が腰を打ちつけるたびに深凪の口から吐息混じりの声が漏れる。その声に興奮したのか、巽のものはさらに質量を増して深凪の最奥を突いた。
「ああぁんっ……!」
あまりの快楽に深凪は達してしまう。そのまま力なく倒れ込むと巽に抱き留められた。そしてまたゆるゆると腰を動かし始める。
「深凪……、もっと欲しい?」
耳元で囁かれる言葉に、深凪はコクコクと何度も首を縦に振った。巽のものを締め付ける力が強くなる。巽はそれに答えるように激しく腰を動かした。
「あっ……あぁっ……っ!」
深凪が一際大きな声で喘ぐと、巽も小さく声を漏らす。そしてそのまま二人は同時に果てた。中に熱いものが注がれていく感覚を感じながら、深凪はゆっくりと目を閉じた。
「お兄様……」
「深凪……」
二人は見つめ合って微笑む。そしてどちらからともなく唇を重ねた。深凪は巽の首に腕を回して抱きつくような体勢になると、ゆっくりと腰を動かし始めた。巽もそれに応えるように動きを早める。二人の息遣いだけが部屋に響いた。
「んっ……んぅっ……!」
巽は深凪の唇を解放すると、そのまま首筋や鎖骨に口付けを落としていく。そして最後に胸の先端を口に含んだ。舌先で転がすように刺激すると深凪の口から甘い声が上がる。巽はもう片方の胸に手を伸ばし、優しく揉み始めた。
「あぁっ……! お兄様っ……!」
「愛してるよ、深凪」
巽はそう言うと、今度は強く吸い上げた。同時に中の良いところも擦られて深凪は身体を大きく跳ねさせる。
「あ、ああっ……! またイっちゃう……!」
深凪がそう言うと、巽は再び腰を動かし始める。先程よりも激しく奥を突き上げられ、深凪はあっという間に達してしまった。それと同時に巽も果てる。中に出された熱いものがじんわりと広がっていき、その感覚に深凪はぶるりと身震いした。巽のものが引き抜かれると、そこからどろりと白いものが流れ出す。
「ああ……深凪。お前は俺のものだ」
「はい……」
求め合う気持ちには果てがなかった。これまで堪えていたものの箍が外れたように、二人は愛の泥濘の中に落ちていった。
***
「食事に困らないのはいいことだ」
深凪と巽の生家の隣に立つ木の上に腰掛け、月禍は呟いた。鬼は人とは違うものを食らう。耀鬼は穢れだが、月禍のそれは欲望であった。人が多いところにいれば欲望は簡単に手に入る。しかし巽が村人を殺してしまった今、その量が減ることを少し危惧していた。けれどそれは杞憂だったようだ。
「存分に求め合ってくれた方が、こちらにとっては都合がいい」
耀鬼が完全に力を取り戻すまで村を離れることも考えていたが、その必要もなさそうだ。特に互いを純粋に求める欲望は美味だ。それなら暫くはここに身を潜めていよう。月禍は新鮮な欲を味わいながら笑みを浮かべた。
夜の風が頬を撫でたそのとき、月禍は木の上に立ち、周囲を見まわした。巽のものとも深凪のものとも違う欲望の匂いがする。
「勘付かれたか。まあ、封印が解かれたのだから仕方ない」
月禍は夜の闇に紛れながら、その匂いを追った。村の入り口までやってきたとき、こちらに向かって来る男の姿が見えた。
「ふむ……あれは。そうか、あちらの方が早かったか」
強い欲の香りだ。男は月禍が昔見たある男に瓜二つだった。人間がそこまで長生きしているとは思えないので、血縁のものだろう。おそらくこの村の上層部がずっと彼らと繋がっていたのだ。
「さて……どうするんだろうねえ」
月禍が思い浮かべていたのは巽の方だった。あの男の血縁が村にやってきたということが何を意味するのか。その欲の匂いを嗅げばすぐにわかる。
「欲もすごいけど、穢れも桁外れだねえ。まあ上手くやってくれよ」
月禍はそう言い、再び闇の中にその身を紛れさせた。男は村の入り口を何なくくぐり、遠くを見つめてにやりと笑った。
「まだ贄の匂いがするねえ……」
くつくつと笑う男の背中を、闇に隠れた鬼が静かに見つめていた。
「あ……っ、お兄様……!」
深凪は四つん這いにされ、後ろから巽のものを挿れられていた。この体位では巽のものが一番気持ちいいところに届く。深凪は目の前の布を握りしめて快楽に耐えていた。
「深凪……っ」
巽は息を荒くしながら腰を打ちつける。巽が腰を打ちつけるたびに深凪の口から吐息混じりの声が漏れる。その声に興奮したのか、巽のものはさらに質量を増して深凪の最奥を突いた。
「ああぁんっ……!」
あまりの快楽に深凪は達してしまう。そのまま力なく倒れ込むと巽に抱き留められた。そしてまたゆるゆると腰を動かし始める。
「深凪……、もっと欲しい?」
耳元で囁かれる言葉に、深凪はコクコクと何度も首を縦に振った。巽のものを締め付ける力が強くなる。巽はそれに答えるように激しく腰を動かした。
「あっ……あぁっ……っ!」
深凪が一際大きな声で喘ぐと、巽も小さく声を漏らす。そしてそのまま二人は同時に果てた。中に熱いものが注がれていく感覚を感じながら、深凪はゆっくりと目を閉じた。
「お兄様……」
「深凪……」
二人は見つめ合って微笑む。そしてどちらからともなく唇を重ねた。深凪は巽の首に腕を回して抱きつくような体勢になると、ゆっくりと腰を動かし始めた。巽もそれに応えるように動きを早める。二人の息遣いだけが部屋に響いた。
「んっ……んぅっ……!」
巽は深凪の唇を解放すると、そのまま首筋や鎖骨に口付けを落としていく。そして最後に胸の先端を口に含んだ。舌先で転がすように刺激すると深凪の口から甘い声が上がる。巽はもう片方の胸に手を伸ばし、優しく揉み始めた。
「あぁっ……! お兄様っ……!」
「愛してるよ、深凪」
巽はそう言うと、今度は強く吸い上げた。同時に中の良いところも擦られて深凪は身体を大きく跳ねさせる。
「あ、ああっ……! またイっちゃう……!」
深凪がそう言うと、巽は再び腰を動かし始める。先程よりも激しく奥を突き上げられ、深凪はあっという間に達してしまった。それと同時に巽も果てる。中に出された熱いものがじんわりと広がっていき、その感覚に深凪はぶるりと身震いした。巽のものが引き抜かれると、そこからどろりと白いものが流れ出す。
「ああ……深凪。お前は俺のものだ」
「はい……」
求め合う気持ちには果てがなかった。これまで堪えていたものの箍が外れたように、二人は愛の泥濘の中に落ちていった。
***
「食事に困らないのはいいことだ」
深凪と巽の生家の隣に立つ木の上に腰掛け、月禍は呟いた。鬼は人とは違うものを食らう。耀鬼は穢れだが、月禍のそれは欲望であった。人が多いところにいれば欲望は簡単に手に入る。しかし巽が村人を殺してしまった今、その量が減ることを少し危惧していた。けれどそれは杞憂だったようだ。
「存分に求め合ってくれた方が、こちらにとっては都合がいい」
耀鬼が完全に力を取り戻すまで村を離れることも考えていたが、その必要もなさそうだ。特に互いを純粋に求める欲望は美味だ。それなら暫くはここに身を潜めていよう。月禍は新鮮な欲を味わいながら笑みを浮かべた。
夜の風が頬を撫でたそのとき、月禍は木の上に立ち、周囲を見まわした。巽のものとも深凪のものとも違う欲望の匂いがする。
「勘付かれたか。まあ、封印が解かれたのだから仕方ない」
月禍は夜の闇に紛れながら、その匂いを追った。村の入り口までやってきたとき、こちらに向かって来る男の姿が見えた。
「ふむ……あれは。そうか、あちらの方が早かったか」
強い欲の香りだ。男は月禍が昔見たある男に瓜二つだった。人間がそこまで長生きしているとは思えないので、血縁のものだろう。おそらくこの村の上層部がずっと彼らと繋がっていたのだ。
「さて……どうするんだろうねえ」
月禍が思い浮かべていたのは巽の方だった。あの男の血縁が村にやってきたということが何を意味するのか。その欲の匂いを嗅げばすぐにわかる。
「欲もすごいけど、穢れも桁外れだねえ。まあ上手くやってくれよ」
月禍はそう言い、再び闇の中にその身を紛れさせた。男は村の入り口を何なくくぐり、遠くを見つめてにやりと笑った。
「まだ贄の匂いがするねえ……」
くつくつと笑う男の背中を、闇に隠れた鬼が静かに見つめていた。
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