夢じゃなかった！？

エスリアール王城 出会い

はじめてのショッピング～いざ出陣～1

いよいよ、アネルさん引率リリアさんサポートのショッピングツアーが始まった。

シュナイゼさんが私の後ろを警護。私の右にお兄ちゃん。私の前にはアネルさんとリリアさんが並んで先導する布陣だ。

ショッピングに行くのにこの気迫は一体。

最初に靴屋さんに到着し、歩き易いパンプスとショートブーツを購入。

次に日用品店。クレールというお店だ。顔を洗う水用の水盆は金属製とガラス製があった。見た目はガラスの方が綺麗だけど、搬送中に割れてしまうかもしれないので、銀色の水盆にした。

ま、まさかの純銀だったら値段が高いんじゃないか心配になって、材質と値段がわかる表記を確認すると、アルヤ製と読めた。軽いし、アルミに似てるのかな？

水差し、も同じアルヤで統一。コップは天然の木製。布巾、大判布巾はオーガニックな柔らかい色合いの黄色とモカ色。新生活に必要そうな品物を好みに合わせて次々に選んでいく。

「アーヤ様、こちらの肌寒い時用の膝掛けはどれになさいますか？」

「薄くて軽いからいいですね。手触りも滑らかでどれも綺麗な異国模様と色使いで迷いますね。」

「これもいい、色ですよ～。」　

「やっぱり、これにしようかな。」

今日は時間に限りがあることから、話しながら第一印象でわりと早い決断で選んでいく。


「日用品は大体揃いましたわね。では、次にパルムにむかいましょうか。デュカーレ様、シュナイゼ様移動します。よろしいですか？」

「私は大丈夫。」

「後ろはお任せください。」

「パルムは女性客も多く、賑わう店なのでお二人もお気をつけください。」

日用品店の次は化粧品類だったっけ?異世界
ドラッグストアみたいな感じかな～。

頭の中で懐かしい店内BGMソングが流れる。
いつも楽しい○ツ○ラ。なんか嬉しい○ツ○ラ。何度も来ちゃうよ○ツ○ラ♪○ーツー○ラ○ラ♪確かこんな歌だったっけ？

もう一つのツ○ハは何だっけ？
えーと…毎日ツ○ハ。何とかツ○ハ。暮らしのツ○ハ～。一番側にツ○ハ♪だっけ？

歩きながらそんなことを考えていた綾子だが、その他四人は移動しながらも周囲への注意は怠らず警戒もしていた。

特にシュナイゼは、一行の後をつけてくる者がいないか気を配り人数と距離を把握し、ただの野次馬か怪しい輩か見極めながら移動していた。

クレールからパルムまでは歩いて5分程の距離で広場からのメインロードに沿って店は連なり店の外壁はレンガや石造りも見られた。

首都の建物はベージュや赤茶色のレンガ、濃淡様々ねずみ色っぽい石でできているせいか素朴ながらかわいく、道行く人(エルフ)の着ている服の方が色鮮やかに引き立てられている気がした。