ある令嬢のスローじゃない人生

シュミー

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一章:転生しちゃった

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 そんなこんなで一ヶ月がたった。皆んなの訓練は結構ハード。おじいちゃんのスパルタでよりは全然ゆるいが。点数もちょくちょく増えたり減ったりしている。でもクリスはちょっとひどいな。

 そういえば後半年で学校へ行かなければならない。5歳から初等部、9歳から中等部、12歳からは高等部だ。私は中等部まで。結構貯金溜まってるし、一生遊んで暮らせる程に。

 おじいちゃんのスパルタ教育の中に魔物を退治する奴があるからね。その材料を売れば、かなりの額になる。私が使っている武器や防具も私が倒した魔物の素材から使われている。

 そして話が変わるが、今日はなのです!お父様が外を直に見ることも大切だと言ってた!息抜きにもなるからとも言ってた!やったー!私はあくまでおまけだけど、外でお泊まりなんて初めて!外で受ける依頼でもいつも夜には屋敷に帰んないといけないし。

 案内してくれるのは執事の。わかりますか?ですよ!これぞ王道!因みにセバスチャンは私専属で、忠誠を誓ってもらってます。お父様は知りません。当たり前です。セバスチャン家はテンプレ通りに、代々執事の家系。使える主人は自分で決め、誓った相手には一生尽くすらしい。

 けど条件がそれぞれ違う。でもどれも難しいものばかり。誰にも負けない強さがあったり、正義感であったり、無欲であったり、器が大きい人であったりと、バラバラだ。少ないが、極悪非道の奴が条件満たしてたりすることもあって、過去に数回そんな奴に忠誠誓った奴がいるんだって。そんなセバスチャンが私に忠誠を誓ってくれたのは、私の力を知ってるから。

 セバスチャンは既婚者で、いい年の娘さんがいた。その娘さんが病で倒れたと聞いた時にセバスチャンの家に連れて行ってもらって、治療した。

 あの病は結構きつかった。なんの病かは未だ判明してないが、超頑張った。ものすごくねっちっこく娘さんの神経にへばりついてたから、私の体がギリギリ耐えられるところまでに、力を上げて治したんだよね。本当にしつこかった。言うならネバネバした…納豆とノリがくっついたスライムみたいな感触があった。超気持ち悪かった。だから剥がすのも時間かかって、体に負担かかりすぎて、治した後に倒れちゃったよ。

 でも忠誠を誓ってもらうまでもなかったのにな~。嬉しいけど。

 まぁ、この話は置いておこう。で、今目の前にあるのが別荘!

「おおきー。すごい」

 ついつい呟いてしまいました。だって超大きいからね!

 セバスチャンは完璧な身のこなしで、森のことについて話す。

「皆様方。この奥の森は精霊の森と言われて、森の中心には精霊達がいると言われているのですがそれを守るように強い魔物達が徘徊しています。立ち入り禁止ではないところは入れますが、禁止のところは入らないでいただきたく思います」
「はい」

 子供達は聞いてるのかな?周りを見渡して目をキラキラさせてる。子供だなぁ。私も子供だけど。セバスチャンことセバスもやれやれと暖かい目で見ている。

 まぁ、セバスって孫もいるし、そんな感じかな?そういえば孫にはあったことないなぁ。

×  ×  ×

 そして別荘に入って数十分後。やっぱりクリスは耐えられなかったか。

「森行こうぜ!立ち入り禁止のところに入んなければいいんだろ!」

 と目を爛々とさせ言う。

「確かに見て見たいですね。精霊の森とやらを」

 ローレンも賛同する。シーラは何も言ってこないが、なんか雰囲気がワクワクしてる。これって行かない選択肢ないんだね……

 うーん。行っても大丈夫かな?二人の視線が刺さる。今日は訓練休暇にしようかな?一応私が管理してるからね。シーラたちは知らないけど、訓練も私が組んでいる。

「はぁ。今日は休暇にします。お父様から休みは適度に取らせろとのことですし」
「よっしゃ!早速行こうぜ!」

 こうして私たちは森に向かうことになった。そして森。少し薄暗く、木々の隙間から光が漏れている。風に揺られさわさわと音を奏でる葉の音。どこからか感じる獣の気配。

「わぁ!神秘的ですね!」

 シーラが私に向かって言う。私は森が好きだ。まぁ、虫は大っ嫌いだから、今は虫除けの魔法を使っている。言うならこの緑の匂いが一番好きだ。なんだか落ち着く。

「もっと奥の方に行ってみようぜ!立ち入り禁止の札もないし!」

 クリスは森の奥を指差して、叫ぶ。そんなに叫ぶと魔物がよるじゃないか。一応結界貼ってるけど、そんなに強くないぞ~。

 みんなの言葉を聞く前に、奥へ進むクリス。シーラとローレンも後に続いていく。私は周りを見渡す。確かに立ち入り禁止の札はない。はぁ…子供って結構自分勝手なところが多いんだ。

 最初にあった時は大人っぽかった気がしたんだけどな。

 私はシーラ達の後を追った。切り刻まれて、木の葉に隠れた気づかずに。
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