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手島さん

1. 聞きたい事は山ほどあったのに……。

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「んんっ……」

おでこに冷たいハンカチを乗せられて気がついた。

「大丈夫かい?」

がばっと身体を起こす。
下着ははいている。

オレは何もないリビングに寝かされていた。
そんなに時間は経っていない様子だった。

目の前には、またきっちりスーツを着、ネクタイを締めた手島さんが居た。

「は…い……」

腰辺りがだるい。
射精を我慢することがこんなに苦しいなんて……。

快楽とは違う感覚の刺激に心がついていけない自分がいた。

「……ちょっと、熱があったみたいだったから……」

おでこに置かれていたであろうハンカチを拾い上げながら手島さんが言う。
性格なんだろうか、言葉は少なめだ。

「谷垣さんは?」

すぐ横に綺麗にたたんであった自分のズボンを見つけて履く。

「会社に戻られました」

「ええっ!!」

聞きたい事は山ほどあったのに……。
教えてくれる保障はないけど……。

手島さんはどうも先ほどのことで恥ずかしいのか、オレに目を合わせないようにしている。
こうして見ていると、ただの普通のビジネスマンだ。
でも……

…せ……性奴隷…って……。

今までの所業を見るに、手島さんは谷垣さんの……ってことになる…のか?

「て……手島さん」

「はい」

「あっ……手島さんって呼んでいいんですよね」

「はい」

「…………」

本当に言葉は少なめだ。

「オレ、…あれでよかったんですか?」

谷垣さんの言う「覚悟」をちゃんと見せられたのかわからなかった。

「…………」

な……なんとか言ってよぉ。



「………、、、わかりません」

あぁ…そうなんだ。
で……性奴隷って何?手島さんってそうなの!?  

なんて、今の空気じゃ聞けないよな。

「…………」

「…………」


「隼人さんは社長を分かってらっしゃらなかったようです」

「どういう意味?」

「…………」

また、だんまりですかぁ!?





「……あの玩具は隼人さんの物ではありません」

「はぁー!?」

くっそ!!あのエロおやじ!!オレにカマかけてきやがったのかよ!!

え……でも、全部見覚えのあるやつだったよ。
オレ、いってもあの類のオモチャ見るの初めてだから、オレの記憶ではあの色あの形しかない。

「あ……!!」

首輪!!!
そうだ、谷垣さんの手にしていたオモチャの中には首輪もあった!
くそっ、なんですぐに気が付かなかったんだよ……。

「多分、隼人さんのものは、ここを発たれる時全て処分されたんだと思います。
社長は隼人さんの行動を全てチェックなさってました。
いつ何処で何を購入したのかも……。
そして同じモノを用意しました」

うげっ!!マジか!!

「……って!!
ハヤがここを発ったって、何処にだよ!!
手島さん、知ってるのか!?」


「…………」

はい、だんまりですねぇー……。










「今、イギリスにいらっしゃいます」


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