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番外編1
9. しまった…はしゃぎ過ぎたかな…
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食事を終える頃には、オレが冗談を言って手島さんが笑って、とにこやかな雰囲気になった。
そんな中、グラスを置いた谷垣さんが咳払いをし、空気が一変する。
3人は谷垣さんに注目した。
しまった…はしゃぎ過ぎたかな…
お酒も入っていないのになんだか楽しくて嬉しくて舞い上がっていたオレは、叱られる前の子供のように肩をすくめて口をつぐんだ。
でも谷垣さんは別にそれを咎めるわけでもなく、静かに話し出した。
「今日君たちを呼んだのは、谷垣家のことだ。
これからのことを知っておいてほしい」
手島さんは静かにそう話し出した谷垣さんを見ている。
ハヤは姿勢を正して一気に顔が真剣になった。
「私の心臓の手術が一週間後に決まった。医者から聞いたと思うが五分五分だということだ。
まー、私はそう簡単には死なんつもりだが…。
だから、心配はしなくていい。病院にもくる必要はない。」
え…五分五分って…。
2分の1の確率で死ぬかもしれないってこと!?
ハヤの方を見ると、急に心配の色に染まっているのがわかった。
知ってはいたがこの時が来たのか…という顔だ。
心配しなくていいって言われても、そりゃぁ心配するだろ。病院にもくる必要はないなんて…。そりゃないよ。
でもハヤは反論することもなく静かにうなずいた。
「それからこの手島を正式に私の養子にしようと思う」
ええー!それって!
同性で婚姻という形はとれないにしても、戸籍上も正式に家族になるってこと。つまり結婚と同じ意味だ。
これって手島さんにおめでとうって言ってもいいのかな…。
でも手島さんの表情は嬉しそうというのとは程遠かった。
ずっと静かに谷垣さんを見ていたが、谷垣さんがそう発言した時には一度俯き、様子を伺うようにハヤの顔を見上げ、困惑しているようだ。
「明美とは…、お前の母親とは正式に離婚をした。すでに私が個人で持っている動かせる資産のほとんどは明美に慰謝料と財産分与として渡した」
「あとは会社の株や不動産だが、この家は手島にやってくれないか。会社関係、その他は全て隼人、お前が相続することになる。
それでいいな」
オレは立て続けに谷垣家の重大事項を耳にして、驚くばかりだった。
谷垣さんと手島さんが養子縁組の形をとって、ハヤの両親が離婚して、そんで相続の話って…
やっぱり自分が死んだらって、考えたんだ。
愛する手島さんにしてあげられることを。
「全く異存はありません」
ハヤが大きな声ではっきりと言うと、手島さんはまた俯いた。
そんな中、グラスを置いた谷垣さんが咳払いをし、空気が一変する。
3人は谷垣さんに注目した。
しまった…はしゃぎ過ぎたかな…
お酒も入っていないのになんだか楽しくて嬉しくて舞い上がっていたオレは、叱られる前の子供のように肩をすくめて口をつぐんだ。
でも谷垣さんは別にそれを咎めるわけでもなく、静かに話し出した。
「今日君たちを呼んだのは、谷垣家のことだ。
これからのことを知っておいてほしい」
手島さんは静かにそう話し出した谷垣さんを見ている。
ハヤは姿勢を正して一気に顔が真剣になった。
「私の心臓の手術が一週間後に決まった。医者から聞いたと思うが五分五分だということだ。
まー、私はそう簡単には死なんつもりだが…。
だから、心配はしなくていい。病院にもくる必要はない。」
え…五分五分って…。
2分の1の確率で死ぬかもしれないってこと!?
ハヤの方を見ると、急に心配の色に染まっているのがわかった。
知ってはいたがこの時が来たのか…という顔だ。
心配しなくていいって言われても、そりゃぁ心配するだろ。病院にもくる必要はないなんて…。そりゃないよ。
でもハヤは反論することもなく静かにうなずいた。
「それからこの手島を正式に私の養子にしようと思う」
ええー!それって!
同性で婚姻という形はとれないにしても、戸籍上も正式に家族になるってこと。つまり結婚と同じ意味だ。
これって手島さんにおめでとうって言ってもいいのかな…。
でも手島さんの表情は嬉しそうというのとは程遠かった。
ずっと静かに谷垣さんを見ていたが、谷垣さんがそう発言した時には一度俯き、様子を伺うようにハヤの顔を見上げ、困惑しているようだ。
「明美とは…、お前の母親とは正式に離婚をした。すでに私が個人で持っている動かせる資産のほとんどは明美に慰謝料と財産分与として渡した」
「あとは会社の株や不動産だが、この家は手島にやってくれないか。会社関係、その他は全て隼人、お前が相続することになる。
それでいいな」
オレは立て続けに谷垣家の重大事項を耳にして、驚くばかりだった。
谷垣さんと手島さんが養子縁組の形をとって、ハヤの両親が離婚して、そんで相続の話って…
やっぱり自分が死んだらって、考えたんだ。
愛する手島さんにしてあげられることを。
「全く異存はありません」
ハヤが大きな声ではっきりと言うと、手島さんはまた俯いた。
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