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聖レスク学園

変わりなどない

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(かわり、変わり?代わり。)
言葉が、頭の中を巡った。それが許せないと心から思う。


「代わりなど、ありません」

マナーを全て頭から追い出されて。ただ言うべき言葉だけ紡いだ。
その落ち着いたような気迫のある雰囲気に、貴族令嬢達は少しだけ怯む。

それでも長く、この小さな社交界と言うべき学園で力を持つ、権力の近くに居た胆力で言い返した。

「あら、庶民が口ごたえするというのかしら?」
「学園での学びが何も成っていないのではなくて?」

「それでしたら、学園に通う意味などないんじゃありませんか!」

退学しろと遠回しに、貴族風の退学の勧め。ここでなんとか逃げたとしても。相手が学園を辞めるまでチクチクと言いに来る。それほど陰湿でも、「勧めただけだ」「強制力はない」と逃げ切れてしまう。


その匙加減が絶妙で、過去に退学した者もいる。

権利、地位、庶民などには決して勝てない貴族。その横暴さを嗜められる地位の者はいなかった。
口を出せば、自身でさえ学園を退学しなければならない。

『助けられる手段といえば、教師を呼びにいく事くらいか?』
『でも、あの人たち公爵令嬢と一緒にいるメンバーだよね』

目をつけられたらお終い

その認識が、皆の行動を硬直させた。このままどう結末がつくのか?
注文されている中で、強い意思を持ってその場にただ1人歩み寄る。

「それでは、その例がいれば良いのですね?」

声に覚えがあった。助けてほしいと心の中で叫んだ。
けど、来てもらったとしても迷惑をかけてしまう。そう分かっていても、

来てくれて嬉しいとミレーネは、思ってしまう。


キースの声が、割って入った。
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