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聖レスク学園

代わりに?

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ミミカは学園を休んだ。

マイキーの方は、授業を受けている。けど、いつものおしゃべりはさっぱりなく。
同級生が声をかけても、何も言わない。

「どうしたんだ、あいつ」
「別人か?」

その変貌ぶりに、同級生は何かあったのだと察した。
「不気味だl

そう言うものの、何があったかは聞き出せない。
「以前なら聞く前に話しかけてきたくせに。どーしたんだよ!」

冗談にさえ、無言だ。

「ほんと、アイツどーしたんだ?」

普段話しかけられないキースに聞きにくる者もいた。
「さあね」

そう答えるだけで、結局は何があったのかわからない。
妙な雰囲気ながらも、授業は終わった。

廊下に出て、早めに寮に帰って様子を見に行こうと思ったら

昨日の貴族女性達と会ってしまった。いや、待っていたのかもしれない。
そう頭の片隅でミレーネは思う。


「貴女にも紹介しないと、不公平かしらと思って。ねえ?」

何が楽しいのか、嬉しいのか微笑んでいる。それはとても楽しみという顔で。

「いいえ私には、もったいなくて」

どう断るんだったか、文句がつっかえてしまう。

恐れ多く、もったいないお言葉。そんな教科書の言い回しが辿々しくなる。
使う事もないと思われた数々の言葉が頭に流れていく。

とにかく、やんわり断る。
それを決めるも、言葉はうまく出てこない。

頭を下げ気味に返答するだけで精一杯だ。

「平民は自由恋愛というのでお相手を見つけるんだったかしら?」
「けど、親御さんの知り合いから選ばれる事もあるって聞いたわ」
「素直に言うことを聞くのが幸せへの近道よ」

3人は、私を無視して話を続けた。

「そう、ご紹介したいのどんな方が良いか想像ができなくて。」
「騎士様とか?」

「そうね!劇になるような恋ができるわ」


とても嬉しそうな微笑みが、すごく…とても恐ろしいと思えた。
皆遠巻きで近づいてこれない。

でもきっと先生を呼んでくれている人がいるはず。
ミレーネは必至に、落ち着かせる。

倒れそうでも、必至で礼の姿勢をそのままにしていた。
そして言い渡される

「代わりは、とっても良い殿方よ」

その言葉に、何かがキレた音がした。
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