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新章

3-①

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「合コン?」
「っぽいけど、既婚者もいるから飲み会。」

パーティ仕様の店で会社の人と会う。会社はちょくちょく、こういった集まりを企画するけど参加は自由。異動した私は参加することもなくなるだろうな。参加は自由のまんま、一回も参加していない人から趣味で毎回来る人もいるという。

「長谷川さんの送迎会よ、集まった人数だけね」
会社で懇親会は開かれるけど、そちらの参加率は高い。自由を尊重しつつ、参加を促して画面上での交流も促進してと忙しない交流が多く点在している。まあ、一般の会社よりその辺は緩いのかな?

楽な付き合い方ができて、私は助かる。

会費を出して、予約席へ。知った顔と少し話して、人々を景色のように見ている。食事はピザが有名らしく、美味しかった。

「異動ってめずらしいねー」「あのゲーム関係でしょ?」
「待遇良いって羨ましいー」「ね、どうしたらそこに異動できるの?」

探りらしい会話もあったけど、用意されていた設定を話して終わった。こういうのを想定しているのかな?用意周到なところだよ。

2次会は不参加。帰ろう。お酒もほどほど、ジンジャエールを飲みながら思う。
(日常を変える。そんなことすぐには起こらない。)

明日の昼から、面談の予約を入れている。それ以外の予定は検査やアンケートの書き込み。現実感のある内容だ。

ほどほどに参加した後、連絡した送迎車に拾ってもらい今の部屋へ帰る。クリーニングのサービスまでやっているらしい。

「手広い」
IT会社、先行投資の力を感じる。

「異世界転移もおまかせを?」

ふふっ。一冊小説でもできてしまいそう。私の視点では、とてもつまらないないかと思い直す。
「ここで恋をして、不思議な体験を。いや、トラックが突っ込んでくるのがセオリー?」

少し酔った思考でなんとか着替えまでして、寝むった。ギリギリ、今日の日付だった。

その次の朝は、起きれなかった。
「あー、昼には起きなきゃ」

睡眠がずれるとだいたいこうだ。規則正しくは、起きるために大事。予約を入れてあるから、なんとか起きて即席の味噌汁を飲んだ。

私は変化を期待しているのかな?

誰かに会いたいとか、意欲もなく。展望もなく。
ただやれることを。やれるだけ。

そんな日々に飽きもせず、刺激を外へゲームに求めた。
「逃げてるだけなのかな?」

今あるのは、ゲームの繋がりだけだけど。上手くいっていると思わない?
日々を変えるのは、難しい。けど、日々が変わるのは一瞬だと知るのはもう少し後だった。
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