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ゲーム異世界

8-②

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…筈だった。
端末を開くが、更新はない。連絡も送る一方で返信は来ないはずだ。
緊急の場合、お知らせアラームが鳴るんだった。

Wi-Fiが繋がらないから、オフラインでも使えるように資料が入っている。
開かないらしいが、そんなところに行く用事もないと知っている事を頭で繰り返す。

白い空間にいる。これは最初にカプセルに入った時の空間。
「やあ楽しんでいるかね?」

クラークの声、姿がポリゴンのように形作られていった。モーニングっぽい格好で、シルバーヘアのキャラメイクをされている。

「ここは、中間位置でね。我々もここまでは許可を得ている。ゲームプレイの姿で。」

「ここでなら、通信できる?」

「睡眠時の少しね。眠った方が良いから時間制限付きと思ってくれ。」

睡眠学習?いや、そもそも体は寝ている。

「今の私の役目はサポート、相談役といったところだ。何か困りごとや欲しいものはできたかな?」

コンサルタントサービス付きらしい。白い空間に椅子と机が出されて、お茶もある。

「味は感じないがね」

ここではそうらしい。動きもなんだか気ごちない。インターネットの接続が遅いような感じ。

「私自身のお金はどうなっていますか?」

「お金?彼が支払ってくれるし、こちら持ちだ。気にせず買い物してくれて良い。ちゃんと上限はあるが
家を買うくらいある。購入予定があるかな?」

何百万なんだろう、否定しておく。ドレスは高価だろうし、食事も美味しかった。次は市場だけど、どれだけ食べれば上限に至るのか。

他人のお金だけど、楽しまなきゃ逆に失礼と決める。
「気になるのなら調べるが、今回は用意が難しいので帰ってから説明で良いだろうか?」

そうだ次もあるんだと思い直した。


「通知事項としては、寝るたびにメールの交換はできる。朝に更新された情報が見れるので試して欲しい。」

了承し、データ交換が繋がるが。このコンタクトは、難しいんだと思い出す。
「なんだか。交換ノートではないし報告書にしても自由な。メル友?…って、古いですね!」

自分で言ってて笑い出して、疲れているのかも。

「そろそろ目を瞑って。次に起きた時は本当に目覚めているよ。良い時間を過ごしてくれ」


暗闇。そして、起きた。

少し眠った感じが足りないかなと寝返りを打つ。高級なベッドは清潔で、肌触りが良い。
薄暗い外に、日本ではないことを思い出す。

「異世界、2日目。」



ノック音。
入室許可を出せば、スタンがすでに出かけられる様子でやって来た。
「おはよう、起きれてたな?」

「ええ、楽しみで少し早く起きてた。」
「暇だった?」

「いいえ、読みものがあったから。」

ウインドウを開けたら、朝に情報が更新されていた。あの空間に接続されると更新されるのを確認。
着替えて準備したら、新しい情報で新聞を読むように流し見ていた。

内容は、討伐で成果があったとか、この地域に魔物が出たから気をつけろとか。
地図を見ると私の居るところに影響はなさそうだった。


スタンには透明な板が浮いているようにしか見えないらしい。内容は覗き見防止の効果かな。

「天気が良い」


今日のデートコースのような予定が始まる。まずは辻馬車を拾った。
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